川合孝典の発言 (本会議)

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○川合孝典君 国民民主党・新緑風会の川合孝典です。
 会派を代表し、ただいま議題となりました刑法等の一部を改正する法律案及び刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案について質問いたします。
 本法案は、罪を犯した者の改善更生及び再犯防止のため、施設内・社会内処遇を一層充実させる法整備と、侮辱罪の法定刑の引上げを行うことをその主な目的としております。
 まず、施設内・社会内処遇を一層充実させる法整備のうち、明治四十年に現行刑法が定められて以来初めて刑罰の種類が変わることとなると言われる拘禁刑を創設するその趣旨について、法務大臣にお伺いをします。
 また、本改正では、懲役と禁錮を廃止し、拘禁刑を創設することとされていますが、懲役と禁錮に分かれたままではなぜ拘禁刑創設の目的を達成できないのか、併せて法務大臣に伺います。
 次に、矯正プログラムについて伺います。
 再犯防止の取組を進めるには、拘禁刑において受刑者の立ち直りのための作業や指導をいかに適切に行えるかが重要です。特に、各受刑者の境遇や犯罪傾向に応じた矯正プログラムの実施が求められていると思いますが、具体的に法改正後にはどのようなプログラムをどのように実施するのかを法務大臣に伺います。
 次に、刑の執行猶予制度の拡充について伺います。
 本法案では、再度の刑の全部執行猶予を言い渡すことのできる要件の緩和と、刑の執行猶予の猶予期間経過後の刑の執行の仕組みの導入が行われます。これらの制度の概要とその目的について、法務大臣に伺います。
 次に、処遇原則の明確化について伺います。
 本法案では、受刑者の処遇原則について、現行のその者の資質及び環境に加えて、年齢に応じて行うこととしています。この点、法制審議会の答申ではおおむね二十六歳未満の若年受刑者を対象としていましたが、今回その年齢上限をなくすこととされた理由を法務大臣に伺います。
 次に、受刑者に対する社会復帰支援についてお伺いします。
 本改正では、受刑者が社会復帰を果たすために必要な支援が刑事施設の長の責務であることを明確化しております。具体的にどのような支援を行うのか、法務大臣に伺います。また、法改正に伴い刑事施設の実務的な負担が増えることはないのでしょうか。その場合、どのように対応するのか、法務大臣にお伺いします。
 更生緊急保護の充実化について伺います。
 本法案では、刑務所満期出所者や起訴猶予者などが改善更生に支障を来している場合に保護観察所の長が行う措置である更生緊急保護について、対象者の拡大や期間延長など充実化が図られていますが、その趣旨について法務大臣にお伺いをします。
 被害者等の心情等を踏まえた処遇について伺います。
 本法案では、更生保護法の運用基準に、被害者等の被害に関する心情や、被害者等の置かれている状況を十分に考慮して行う旨の規定の追加や、様々な場面における被害者等からの申出に応じてその意見を聴取する規定を設けていますが、罪を犯してしまった者の改善更生、再犯防止に関し、被害者等の心情等をどのように考慮し、生かしていくのか、法務大臣にお伺いします。
 保護観察所と地域社会の関係について伺います。
 本法案では、保護観察所の長は、地域住民又は関係機関等からの相談に応じ、更生保護に関する専門的知識を活用し、情報の提供、助言その他の必要な援助を行うものとする規定が設けられていますが、具体的に地域住民や関係機関からの相談に対してどのような援助を行うのか、法務大臣にお伺いします。
 更生保護事業の見直しについて伺います。
 本法案では、更生保護事業の類型をこれまでの継続保護事業、一時保護事業、連絡助成事業から宿泊型保護事業、通所・訪問型保護事業、地域連携・助成事業へと整理を行います。今回新たに設けようとする各事業の概要及びこうした整理を行う趣旨について、法務大臣に伺います。
 家庭裁判所等の求めによる鑑別対象の拡大について伺います。
 本法案では、少年鑑別所の長が受刑者に対して行う鑑別の年齢の上限をなくす措置がとられていますが、この趣旨について法務大臣に伺います。
 また、この措置により少年鑑別所の役割は今後ますます重要となり、業務量の増加も予想されますが、少年鑑別所の体制整備について、法務大臣にお伺いします。
 次に、侮辱罪の法定刑引上げについて質問します。
 インターネット空間では自由に議論や表現をする場として、失礼、インターネット空間は、自由に議論や表現をする場として発展し、様々なSNSは現代人にとって欠かせないツールとなっております。他方、SNSなどによるコミュニケーションは、匿名性が高く、情報の拡散が容易であることなどから、その内容が過激化、先鋭化しやすく、様々な痛ましい事件などを引き起こす状況となっております。
 一昨年五月、テレビに出演していた当時二十二歳のプロレスラーの女性が、ネット上で中傷された後、急逝する事件が起きましたが、その原因は、被害者のアイデンティティーを全否定するような過激な書き込みが被害者を死へと追い詰めたと見られております。ほかにも、山梨県道志村で行方不明となった子供の母親に対し、母親が犯人、母親の逮捕を待つという趣旨の、全く根拠のない中傷の書き込みが行われているとの報道もあります。これ以上被害者を出さないためにも、一刻も早い対応が必要であります。
 まず、侮辱罪の対象となる行為について伺います。
 インターネット上の誹謗中傷が大きな社会問題となってきたことが今回の法改正のきっかけとされていますが、定義が曖昧な侮辱罪の重罰化には否定的な意見も出ております。法改正以降の侮辱罪の要件、対象となる行為について、法務大臣には具体的に御説明をお願いします。
 改正後の侮辱罪の法定刑について伺います。
 現在の法定刑では、拘留又は科料とされていますが、改正後は、侮辱罪の法定刑に懲役、禁錮、罰金を加える一方で、拘留と科料についても引き続き規定しております。法定刑の引上げに当たって、一年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三十万円以下の罰金に設定した趣旨と、拘留と科料を残した理由について、法務大臣にお伺いします。
 改正後の科刑の見込み及び量刑の基準について伺います。
 現在の科刑状況を見ると、ほとんどが一万円未満とされる科料の上限に近い九千円以上を科されていますが、改正後の科刑はどのようになると想定しているのでしょうか。また、侮辱罪に当たる行為について、懲役、禁錮、罰金といった重い罰を科される場合と、拘留、科料になる場合とで科刑が分かれる基準は一体何なのか、具体的な事例を示して法務大臣に説明を願います。
 法改正が表現の自由に及ぼす影響について伺います。
 侮辱罪の法定刑引上げによって、政治家や公務員に対する批判や論評が取締りの対象になるのではないのかとの懸念の声が多く寄せられております。改めて確認しますが、今次法改正によって侮辱罪の範囲が変わるものではなく、正当な批判や意見については、これまでどおり刑法第三十五条の解釈により違法性阻却されるということでよろしいのでしょうか。法務大臣、明確な答弁をお願いします。
 最後に、誹謗中傷の抑止に向けた対策について伺います。
 今回の法改正による法定刑の引上げによって一定の抑止効果は期待できるでしょうが、それだけではインターネット上の誹謗中傷や侮辱的な投稿をなくすことはできないものと考えております。法改正と併せて利用者のモラルを高める取組を推進する必要があります。子供へのSNS教育が重要であるとの指摘があるほか、SNS運営事業者等においても誹謗中傷の加害者とならないための啓発活動等を行っていくことも極めて重要であります。法務省だけでなく、総務省や文部科学省など関係各省が連携した取組が極めて重要だと考えますが、この点について文部科学大臣と総務大臣の認識を伺い、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣古川禎久君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 120815254X02420220520_009

発言者: 川合孝典

speaker_id: 14892

日付: 2022-05-20

院: 参議院

会議名: 本会議