東徹の発言 (本会議)

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○東徹君 日本維新の会の東徹です。
 会派を代表して、刑法等の一部を改正する法律案等について、古川法務大臣に質問いたします。
 まず、ウクライナ紛争への対応について伺います。
 今年二月二十四日にロシアがウクライナへ侵攻を始めてから三か月がたとうとしています。この間、ウクライナから国外へ避難された方が六百万人を超え、我が国にも九百人以上の方が避難されてきていますが、避難民という難民とは異なった立場で受入れが行われております。
 今国会の提出が見送られた入管法改正案には、難民に準じて保護すべき外国人を補完的保護対象者として認定し、保護することができる仕組みがありました。仮にこの法改正ができていれば、法律に基づいて仕組みを用いてウクライナから避難民に対応できたはずであります。
 確かに、名古屋出入国在留管理局でのウィシュマさんの事件があり、人権意識の希薄さなど反省すべき点はあったと思いますが、この法案は、不法滞在する外国人の長期滞在問題を解消し、仮放免された外国人の犯罪を防止するためにも必要な法案であると考えます。
 今国会に提出すべきであったところ、自民党は夏の参議院選挙への影響を考えて法案提出を見送ったとの報道もありましたが、参議院選挙後の臨時国会には法案を提出するのかどうか、大臣のお考えをお伺いします。
 戦争犯罪について伺います。
 旧ユーゴスラビア紛争やルワンダの大量虐殺を受け、二〇〇二年に常設の国際刑事裁判所が発足いたしました。条約に基づき現在百を超える国と地域が参加していますが、ロシアはこの条約に参加しておらず、ロシアに対して戦争犯罪の責任を問うことは簡単ではありません。戦争犯罪に当たる行為があったかどうか、しっかりと捜査した上で、裁判によって戦争犯罪としての責任を問うことが重要であり、今後更に悲惨な紛争を生じることを防ぐことにつながります。
 国際刑事裁判所はウクライナ国内で行われた疑いのある戦争犯罪や人道に対する犯罪について捜査を始めると発表したところ、法務省は国際刑事裁判所に検察官を派遣すると報道されましたが、実際には派遣をしておりません。
 我が国として、捜査をどのように支援し、戦争犯罪に対処していく考えか、答弁を求めます。
 法案に関して伺います。
 まず、拘禁刑の効果について伺います。
 本法案では、懲役刑、禁錮刑が廃止され、拘禁刑という新たな自由刑が創設されます。国家の刑罰権は、罪を犯した者に罪を償わせ、再び罪を犯すことがないように矯正することも重要な目的の一つとして行われます。拘禁刑を導入することで再犯の防止につながると言えるのか、見解を伺います。
 また、懲役という言葉が廃止されることにより、無期懲役ではなくて、無期拘禁刑という言葉に置き換わります。懲役が拘禁刑に変わることによって罪が軽くなったようなイメージが持たれないのか、答弁を求めます。
 次に、執行猶予制度について伺います。
 本法案には、保護観察付執行猶予中に再び罪を犯した者に対して、再度執行猶予を付けられるとする内容が含まれております。しかし、そのような者に対して、刑事施設で改善更生をしないまま、再び執行猶予を付けて一般社会へ出すことは、再犯によって新たな被害者を生み出すことにつながりかねませんか。答弁を求めます。
 また、被害者の中には、執行猶予が付けられることに不満を持つ方もおられます。執行猶予中に罪を犯した以上、再び執行猶予を付けるのではなくて、刑事施設に送るべきとする被害者の立場に寄り添っていないのではないかと考えますが、見解をお伺いします。
 刑事施設の収容人数に限りがあるため、できるだけ収容人数を減らしたいというのが法務省の本音ではないかと推察してしまいますが、この点についても答弁を求めます。
 侮辱罪について伺います。
 侮辱罪の保護法益は、人の社会的名誉とされており、人が人として生きていく上で重要なものです。
 ある首相経験者が、SNSで民間人をヒトラーに例えるような侮辱的行為が行われるなど、インターネットでは膨大な数の侮辱的な書き込みや動画の配信などが行われております。
 政府としては、人の社会的名誉について、憲法上どのように位置付けられ、どの程度保護が図られるべきものと考えているのか伺います。
 インターネット上の誹謗中傷が社会問題化する中、木村花さんのように尊い命が奪われてしまう事態も生じており、こうした誹謗中傷を早急に抑止することが必要であります。
 今回の法案では、侮辱罪の法定刑を引き上げることに抑止を図ることとしていますが、法制審議会でも指摘されたとおり、厳罰化だけで誹謗中傷を抑止できるものではなく、摘発率が低ければ期待される抑止効果が発揮されません。
 現在、侮辱罪によって刑を科されている人数は、年間三十人程度にとどまっております。海外の研究では、ある犯罪が厳罰化されると、法執行機関の心理面への影響から、摘発率が上昇し、被害者への向き合い方も変わってくるとの指摘もあります。
 人の名誉と命を守るため、どのようにして摘発率を引き上げ、適切な取締りを行っていくのか、答弁を求めます。
 インターネット上の誹謗中傷は、容易に行うことができ、拡散しやすい一方で、完全に削除することが困難であり、被害が甚大になる特徴があります。こうした誹謗中傷による被害の程度と比べれば、我が国の民事訴訟による損害賠償金額は低く、訴訟に掛かる時間や費用も考えれば、個人で民事訴訟を起こすこと自体が現実的ではなくて、被害者の救済としては十分ではありません。
 我が党は、被害者の迅速かつ確実な救済を図るための法案を提出しました。その法案では、誹謗中傷対策の基本理念を定めた上、表現の自由に配慮しつつ、国、地方公共団体、電気通信事業者が協力して対策に取り組むこと、被害者を実効的な救済を図るため給付金や損害賠償に係る制度を検討すること、その他、保健医療・福祉サービスの提供、広報、教育の推進、国会への状況報告などを定めています。
 政府は、我が党の法案も参考にし、侮辱罪の法定刑の引上げ以外の対策についても進めていただきたいと考えますが、大臣のお考えをお伺いいたします。
 将来の刑法改正について伺います。
 本法案では、侮辱罪の法定刑引上げなどが行われておりますが、それ以外にも課題が残っております。
 現在、法制審議会でも、障害者に対する性犯罪を抑止する規定の新設など、性犯罪に関する議論が行われています。障害者など、社会における弱い立場の人たちを犯罪からどのように守っていくべきと考えているか、そのために刑法はどのように整備されるべきと考えているか、伺います。
 日本維新の会は、多様な価値観を認めつつ、自立する個人、自立する地域、自立する国家の実現を理念に掲げています。その前提として、国民の生命、財産、名誉などがしっかりと守られるよう、時代の変化に応じた刑事法制の確立を求め、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣古川禎久君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 120815254X02420220520_014

発言者: 東徹

speaker_id: 17811

日付: 2022-05-20

院: 参議院

会議名: 本会議