古川禎久の発言 (本会議)
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○国務大臣(古川禎久君) 東徹議員にお答え申し上げます。
まず、入管法改正法案についてお尋ねがありました。
紛争避難民など、人道的配慮から庇護すべき外国人をより確実に保護するためには、それに適した制度を法律上設けることが望ましく、このことは入管法における重要な課題の一つと認識しています。また、現行法下で生じている送還忌避、長期収容の問題を解決するための法整備も喫緊の課題であると認識しています。
検討中の法案の具体的な内容や提出時期について、現時点で確たることを申し上げることは困難ですが、法務省としては、入管制度全体を適正に機能させるためにはこうした課題を一体的に解決する法整備を行うことが必要不可欠であると考えており、早期に実現できるよう、着実に検討を進めてまいります。
次に、国際刑事裁判所への支援についてお尋ねがありました。
我が国は、戦争犯罪が行われたと考えられることを理由に、ウクライナの事態を国際刑事裁判所に付託しており、今後の捜査の進展を期待いたします。国際刑事裁判所の活動は、法の支配に基づく国際秩序の維持強化という観点から極めて重要であり、その活動への支援につきましては、日本政府として何ができるか、あらゆる選択肢を検討してまいります。
次に、拘禁刑の導入が再犯防止につながるかとのお尋ねがありました。
現行法においては、懲役か禁錮かという刑の種類によって作業を行わせるか否かが異なりますが、作業は重要な処遇方法であるため、それを行わせるか否かが刑の種類という形式的な区分によって定まるものとするのではなく、個々の受刑者の特性に応じ、作業と指導とをベストミックスした処遇を行うことができるようにすることが重要です。
そこで、個々の受刑者の特性に応じた処遇を可能とするため、現行法の懲役及び禁錮を廃止し、これらに代えて拘禁刑を創設し、拘禁刑に処せられた者には、改善更生を図るため、必要な作業を行わせ、又は必要な指導を行うことができると規定することとしています。これにより、罪を犯した者の一層の改善更生、再犯防止を図ることができるようになると考えています。
次に、拘禁刑という名称のイメージについてお尋ねがありました。
拘禁刑の創設は、罪を犯した者の一層の改善更生、再犯防止を図ることができるようにするため、個々の受刑者の特性に応じ、作業と指導とをベストミックスした処遇を行うことができるようにするものであり、刑を軽くするという趣旨ではありません。
新たな刑の名称については、刑事法研究者、弁護士、マスコミ関係者のほか被害者の御遺族にも御参加いただいて意見交換会を開催しましたが、その際、刑罰としての性格、目的に照らしてふさわしいかという観点からも御議論いただきました。その結果、拘禁刑との名称を支持する意見が多数を占め、これに対する異論はなかったと承知しています。
拘禁刑の創設の趣旨等については、引き続き、国民の皆様に御理解をいただけるよう、丁寧な説明に努めてまいります。
次に、保護観察付執行猶予中の再犯について再度の執行猶予を可能とする改正の趣旨等についてお尋ねがありました。
この改正の趣旨は、保護観察付執行猶予中に再犯に及ぶ事案には様々なものがあり、実刑に処するよりも、改めて保護観察付執行猶予を言い渡して社会内処遇を継続する方が罪を犯した者の改善更生、再犯防止に資する場合があることを踏まえ、そのような場合に限って、裁判所の判断により再度の執行猶予とすることができるようにするものであります。
これは、罪を犯した者の一層の改善更生、再犯防止を図ることを通じて、新たな被害者を生まない安全、安心な社会の実現に資するものであり、このような社会を実現することは、被害者の立場に寄り添うことにもつながると考えています。もとより、刑事収容施設の収容人数を減らすことを目的とするものではありません。
次に、人の社会的名誉の憲法上の位置付け等についてお尋ねがありました。
侮辱罪の保護法益は、一般に、社会が与える評価としての外部的名誉であると解されています。人の名誉は、一般に、憲法第十三条により人格権の一つとして保護されると解されています。もっとも、言論、出版等の表現行為により名誉侵害を来す場合には、名誉の保護と表現の自由の保障との調整を要することとなると考えられます。
次に、侮辱罪についての摘発と取締りについてお尋ねがありました。
今回の法改正は、公然と人を侮辱する侮辱罪について、厳正に対処すべき犯罪であるという法的評価を示し、これを抑止するとともに、当罰性の高い悪質な侮辱行為に対して、これまでよりも厳正に対処することを可能とするものです。
法務省においては、このような改正の趣旨を周知することとしており、捜査機関においては、法と証拠に基づき、事案の内容等に応じて、改正の趣旨、内容を踏まえ、適切な対処がなされるとともに、処罰すべき悪質な行為については厳正な処分が行われるものと承知しています。
次に、侮辱罪の法定刑の引上げ以外のインターネット上の誹謗中傷対策についてお尋ねがありました。
インターネット上の誹謗中傷による被害者を救済するためには、侮辱罪の法定刑の引上げのほか、行政的な諸施策を含めた様々な取組を進めることが必要であると考えています。
これまでも、法務省においては、被害に遭われた方からの人権相談への対応、プロバイダー等に対する投稿の削除要請などの取組を進めてきたところですが、引き続き、関係省庁、関係機関とも連携し、必要な取組をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
最後に、障害を有する方などを犯罪から守るための方法と、そのための刑法の整備の在り方についてお尋ねがありました。
障害を有する方など、社会的に弱い立場にある方々が犯罪に巻き込まれることのない社会を実現することは重要な課題であり、官民を挙げて様々な取組を推進し、そのような方々が犯罪に巻き込まれにくい社会環境を整備していくことが必要であると考えられます。
性犯罪に対処するための刑事法の整備については、現在、法制審議会の部会において調査審議が進められているところでございますが、刑法の法整備の在り方については、社会的に弱い立場にある方々を含め、様々な立場にある方々の声に耳を傾けながら、刑事法の諸原則にも留意しつつ、不断の検討を続けていくことが重要であると考えています。(拍手)
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