岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 白眞勲議員の御質問にお答えいたします。
 知床遊覧船事故における真相究明についてお尋ねがありました。
 まず、今回の事故で亡くなられた方々に対し改めて心から哀悼の意を表するとともに、家族の方々にお悔やみを申し上げる次第です。
 そして、御指摘の日本小型船舶検査機構による無線設備の検査については、同機構の検査事務規程細則に基づいて行われたものの、内規に定める検査方法が十分でなかったことから、国土交通省より改めさせたとの報告を受けております。
 今回の事故を受け、私からは、法的規制の在り方も含め、安全対策の在り方について検証、検討を行う検討会を立ち上げ、徹底的な安全対策を講じていくことを指示しており、この指示を受け、現在、国土交通省において、有識者から成る検討委員会で検証、検討を進めていると承知をしております。検討委員会では、日本小型船舶検査機構による検査方法を含め、弁護士、消費者団体等の様々な分野の有識者の方々に第三者の立場から徹底的に議論をしていただくと報告を受けております。
 政府としては、こうした痛ましい事故を二度と起こさないよう、検討委員会での検証、検討を進め、小型旅客船の総合的な安全対策に取り組んでまいります。
 プーチン大統領に対する停戦の働きかけ、G20サミットへのプーチン大統領及びゼレンスキー大統領の出席等についてお尋ねがありました。
 今までに幾つかの国が仲介努力を行ってきていますが、プーチン大統領からは歩み寄ろうとする兆しは見えません。このような状況において必要なことは、ロシアが侵略をやめるよう、ロシアに対して国際社会が一致して強い制裁措置を講じ、また、ウクライナを支援していくことであり、プーチン大統領との電話会談は行っておりません。
 G20におけるロシアの扱いを含め、国際社会はロシアとの関係をこれまでどおりとすることはできません。G20でのロシアの扱いについては、先般、ジョコ大統領とも議論を行いました。インドネシアを始め各国とも議論しつつ、今後の状況をよく踏まえ、政府として適切に対応していく考えです。
 また、インドネシアが議長国としてウクライナを招待したことは歓迎したいと思います。
 北朝鮮における新型コロナウイルスの感染拡大と拉致問題についてお尋ねがありました。
 北朝鮮において、新型コロナウイルスによると考えられるものを含め、連日多数の発熱者が発生し、死者も発生しているとされていることを強い関心を持って注視しているところです。その上で、我が国の対応については、予断を持ってお答えすることは控えます。
 拉致問題は岸田内閣の最重要課題です。
 日米首脳会談、日米豪印首脳会合では、私から拉致問題の即時解決に向けた理解と協力を改めて求め、各国から強い支持を得ました。また、バイデン大統領には、拉致被害者御家族の皆様と面会をし、御家族の皆様を励まし、勇気付けていただきました。
 拉致被害者御家族の高齢化が進む中、親世代の御家族が元気なうちに全ての拉致被害者の帰国を実現すべく、あらゆるチャンスを逃すことなく全力で取り組みます。私自身も、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意であります。
 日韓関係及び日中関係についてお尋ねがありました。
 日韓関係は、旧朝鮮半島出身労働者問題や慰安婦問題などにより非常に厳しい状況にありますが、東アジアの厳しい安全保障環境を考えると、日韓、日米韓の連携は重要であり、このまま放置することはできません。
 尹大統領とは三月に電話会談を行い、その際、尹大統領からは、日韓関係を重視しており、関係改善に向けて共に協力していきたいとの発言があり、できるだけ早く対面でお会いしたいとのやり取りを行いました。
 国と国との約束を守ることは、国家間の関係の基本です。今後の首脳会談については何も決まっておりませんが、日韓関係を健全な関係に戻すべく、日本の一貫した立場に基づき、尹大統領を始め新政権と緊密に意思疎通をしていく考えです。
 習主席との会談について、現時点で決まっていることはありませんが、中国との間では、普遍的価値を共有する国々としっかり連携しながら、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めつつ、共通の課題については協力するという建設的かつ安定的な関係を双方の努力で構築していくことが重要であると考えております。
 防衛費の増額、その財源、そして財政規律との関係についてお尋ねがありました。
 我が国の安全保障環境が一層厳しさを増す中で、まず行うべきことは、国民の命や暮らしを守るために何が必要なのか、具体的かつ現実的に議論をし、積み上げていくことです。その結果、防衛力の抜本的強化に当たって必要となるものの裏付けとなる予算をしっかり確保していく考えであり、こうした観点から、先般の日米首脳会談では防衛費の相当な増額を確保する決意を述べたところです。
 こうした考えの下、防衛費の内容、また規模等について、新たな安全保障戦略等の策定、また今後の予算編成過程を通じて検討してまいります。その際、財政規律を守りつつ、防衛費を安定的に確保する観点から、財源の在り方についても併せて検討してまいります。
 予備費の使用と補正予算の編成についてお尋ねがありました。
 コロナ予備費については、新型コロナに係る感染拡大防止策に要する経費その他の同感染症に係る緊急に要する経費の不足について、臨機応変に、かつ時機を逸することなく対応するために計上されているものであり、個別具体の事業内容について、その趣旨に該当しているかを判断した上で、適切に使用決定をしております。
 先般取りまとめた総合緊急対策においては、直面する危機に緊急かつ機動的に対応するため、新たな財源措置を伴うものについては予備費を活用して迅速に対応した上で、今後の災害、新型コロナの再拡大、原油価格、物価の更なる高騰等による予期せぬ財政需要に迅速に対応し、国民の安心を確保するため、予備費の計上及び六月以降の燃料油価格の激変緩和事業を内容とする補正予算を編成することといたしました。そうした補正予算の意義について、国会における説明責任を果たしてまいります。
 我が国経済への認識とトリガー条項についてお尋ねがありました。
 我が国経済については、持ち直しの動きが続いており、先行きについても、感染対策に万全を期し、経済社会活動の正常化が進む中で、景気は持ち直していくことが期待されます。ただし、ウクライナ情勢等に伴う原油価格や物価の高騰がマインドの悪化や実質購買力の低下を通じて民間消費や企業活動を下押しするなど、実体経済への影響が顕在化する可能性や、供給制約等による景気の下振れリスクには十分注意する必要があります。
 こうした影響に緊急かつ機動的に対応するため、総合緊急対策に盛り込まれた各施策を迅速に実行することで、コロナ禍からの回復を確かなものとしてまいります。
 トリガー条項については、三党検討チームにおいて、現時点で発動に際しての課題を解決するための具体的な方策について結論を見出すに至っていないため、引き続き検討することとされたと承知をしております。
 酪農経営対策についてお尋ねがありました。
 新型コロナの影響による需給緩和や飼料価格の高騰などにより厳しい経営環境にある酪農経営に対しては、高い水準で推移する乳製品在庫の低減対策や消費拡大の取組を後押しするとともに、今般の総合緊急対策による配合飼料のセーフティーネット基金の積み増し等により、価格高騰の経営への影響を緩和してまいります。
 その上で、加工原料乳生産者補給金制度を適切に運用し、生乳の需給及び酪農経営の安定を図りつつ、飼料生産組織の機能強化や草地の整備等を通じ、国産飼料の生産、利用拡大を推進してまいります。
 日銀に関する安倍元総理の発言についてお尋ねがありました。
 政府と日銀の関係については、一般論として、政府は日銀に対して出資をしているものの議決権はなく、日銀は日本銀行法において金融政策や業務運営の自主性が認められていることから、政府がその経営を支配している法人とは言えず、会社法で言うところの子会社には当たらないと考えております。
 その上で、日銀の金融政策運営は平成二十五年の政府、日銀の共同声明の考え方に沿って進められてきており、日銀においては、引き続き物価安定目標の持続的、安定的な実現に向けて努力されることを期待しております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2022-05-25

院: 参議院

会議名: 本会議