岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 浜口誠議員の御質問にお答えいたします。
 日米首脳会談及び日米豪印首脳会合についてお尋ねがありました。
 今回の日米首脳会談においては、国際秩序の根幹を揺るがす事態の中、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守るために、日米の連携を再確認できました。また、インド太平洋地域の平和と繁栄の確保が国際社会の最重要の戦略課題であり、日米が主導的役割を果たしていくことを確認いたしました。
 日米豪印首脳会合では、力による一方的な現状変更をいかなる地域においても許してはならないこと、そして、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組を一層推進していくことが重要であり、幅広い分野で実践的協力を進めることでも一致をいたしました。
 ポスト冷戦時代の終えんとも言える現下の国際情勢において、日米及び日米豪印の首脳間で法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持発展を目指すとのメッセージを東京から世界に力強く発信することができたことは極めて大きな意義があると考えています。
 経済対策の内容と補正予算の編成についてお尋ねがありました。
 昨年十一月に策定した事業規模七十九兆円の経済対策に基づき、現在、令和三年度補正予算の繰越事業や過去最大の令和四年度当初予算の事業に迅速かつ着実に、予算の事業を迅速かつ着実に執行しているところです。
 それに加えて、先般、ウクライナ情勢等に伴う原油価格や物価の高騰等による国民生活への影響に緊急かつ機動的に対応するため、事業規模十三兆円の総合緊急対策を取りまとめました。
 本対策に盛り込まれた各施策を迅速に実行することで、昨年の対策と相まって、コロナ禍からの経済社会活動の回復を確かなものとしてまいります。
 今般編成した補正予算については、総合緊急対策で使用した金額相当の予備費を確保するとともに、六月以降の燃料油価格の激変緩和事業に必要な予算を盛り込んだものです。これらの措置は、今後の災害、新型コロナの再拡大、原油価格、物価の更なる高騰等による予期せぬ財政需要に迅速に対応し、国民の安心を確保するため、必要な補正予算であると考えております。
 物価高を踏まえた家計支援策や原油価格高騰対策についてお尋ねがありました。
 今般の総合緊急対策においては、家計にとって重大な問題であるガソリン価格や小麦価格等の国内価格の上昇抑制を行うとともに、低所得の子育て世帯への給付金の支給、給食費の負担軽減など、地域の事情に応じたきめ細かな対策を後押しするなど、コロナ禍において物価高騰等に直面する生活困窮者に対する重層的なセーフティーネットを用意しています。
 まずは、これらを迅速に実行することで景気の下振れリスクにしっかりと対応するとともに、予期せぬ事態に対しては、今般の補正予算で五・五兆円の予備費を用意し、国民生活を守り抜くための万全の備え、固めてまいります。十月以降の原油価格高騰対策については、今後、原油価格の高騰がどの程度長期化するかなどを見極めながら、対策を検討してまいります。
 なお、トリガー条項については、三党検討チームにおいて、現時点で発動に際しての課題を解決するための具体的な方策について結論を見出すに至っていないため、引き続き検討するとされたと承知をしております。
 円安と金融政策等についてお尋ねがありました。
 為替の水準についてコメントすることは差し控えますが、為替の安定は重要であり、急速な変動は望ましくないと考えます。
 その上で、一般論として、円安により、輸出や海外展開をしている企業の収益は改善する一方で、輸入価格の上昇を通じて企業や消費者に負担増となると承知をしており、円安は日本経済に対して様々な影響を与えることが考えられます。
 足下の物価上昇は、為替の影響もあるものの、主に世界的な原材料価格の高騰等を背景としたものと認識をしており、総合緊急対策により、影響を受ける方々への必要な支援を迅速に届けてまいります。
 金融政策については、日銀において、平成二十五年の政府、日銀の共同声明の考え方に沿って、引き続き、物価安定目標の持続的、安定的な実現に向けて努力されることを期待しております。
 また、政府と日銀の関係については、一般論として、政府は日銀に対して出資をしているものの議決権はなく、日銀には日本銀行法において金融政策や業務運営の自主性が認められていることから、政府がその経営を支配している法人とは言えず、会社法で言うところの子会社には当たらないと考えております。
 新型コロナ対策についてお尋ねがありました。
 新型コロナについては、平時への移行期間として最大限の警戒を保ちつつ、徐々に通常の社会経済活動を取り戻してまいります。
 外国人観光客の受入れについては、現在、訪日観光再開に向けて必要な材料を収集するため、観光庁において実証事業を行っており、感染状況を注視しつつ、こうした準備の状況を踏まえて受入れに向けて検討を進めてまいります。
 改正薬機法に基づく緊急承認制度については、個別の治療薬について、企業の申請があれば、有効性、安全性の観点から優先かつ迅速に審査を行い、認められれば速やかに承認の手続を行ってまいります。
 司令塔機能の強化については、次の感染症危機に備えて、本年六月をめどに、危機に迅速、的確に対応するための司令塔機能の強化や感染症法の在り方、保健医療体制の確保など、中長期的観点から必要な対応を取りまとめてまいります。
 感染症法上の位置付けについては、新型コロナは、オミクロン株であっても致死率や重症化率がインフルエンザよりも高く、更なる変異の可能性もあります。このため、平時への移行期間として最大限の警戒局面にある現時点では、五類に変更することは現実的ではないと考えておりますが、引き続き議論は続けてまいりたいと思います。
 環境債とグリーンイノベーション基金についてお尋ねがありました。
 今後十年間に百五十兆円超の脱炭素投資を実現するため、成長志向型カーボンプライシング構想を具体化する中で、裏付けとなる将来の財源を確保しながら、二十兆円とも言われる必要な政府資金を、仮称ではありますが、GX経済移行債として先行して調達し、速やかに投資支援に回していくことを一体で検討いたします。その法的位置付けについては、現段階で具体的に決まっているものではありません。
 グリーンイノベーション基金は、二〇五〇年カーボンニュートラルを実現する革新的技術の開発などを目指すものです。今後検討するGX経済移行債については、支援資金を先行して調達し、今後十年間で必要となる民間の長期巨額投資の呼び水とすることを考えておりますが、その具体的な内容は本年夏に設置するGX実行会議において議論を深めてまいります。
 明治用水頭首工の漏水への初期対応についてお尋ねがありました。
 漏水の発生後直ちに応急措置を開始するとともに、漏水量の増大による工業用水や農業用水の供給停止以降は、関係機関での情報共有や利水者間の調整を行いつつ、応急取水ポンプの設置を進めるなど、現場の状況に応じ可能な限り迅速に対応しております。
 この結果、工業用水の供給を再開済みであり、現在は農業用水の供給再開のための試験的通水を開始したところであり、五月中をめどに最低限必要な水量を供給できるよう、農林水産省が関係機関と連携してスピード感を持って対応してまいります。
 我が国の賃金についてお尋ねがありました。
 我が国は、バブル崩壊以降、長引くデフレ等を背景に他国と比べて低い経済成長が続き、企業は賃金を抑制し、消費者も将来不安などから消費を抑制した結果、需要が低迷し、デフレが継続する悪循環であったと承知をしており、この中で賃金が伸び悩んだと考えております。
 このトレンドを一気に反転させ、賃上げを実現すべく、賃上げ税制の拡充に加え、公的価格の引上げや中小企業が適正な価格転嫁を行うための環境整備など、あらゆる施策を総動員して、官民連携して賃上げの社会的雰囲気を醸成していきます。
 あわせて、人への投資の強化や企業の生産性の向上を図り、企業収益の改善が次なる賃上げにつながる好循環を生み出すことで持続的に賃金が上がっていく経済構造をつくってまいります。(拍手)
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発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2022-05-25

院: 参議院

会議名: 本会議