浅田均の発言 (本会議)

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○浅田均君 日本維新の会、浅田均です。
 私は、会派を代表して、鈴木財務大臣の財政演説に関連して質問いたします。
 去る四月二十三日に発生した知床沖での観光船海難事故で亡くなられた方の御冥福を心よりお祈りするとともに、いまだ発見されていない方々の一刻も早い発見を願うものです。
 補正予算関連の質問に入る前に、今回の事故に関係する法律、国が実施している船舶検査、地方運輸局の監査体制について、斉藤国土交通大臣に以下八点質問いたします。
 まず、個人所有の小型船舶に対し船舶検査や操縦免許取得を課している国は日本以外にほとんどありませんが、これはなぜですか。また、個人用の小型船舶でも、何十人も客を乗せる個人旅客船でも同じ操縦士免許で操縦できるのはなぜですか。
 限定沿海区域を航行する小型旅客船に適用される救命設備は救命いかだ又は救命浮器と定められ、事故を起こした観光船はこのうち救命浮器を積んでいました。救命浮器とは、空気で膨らむ四畳半ぐらいのマットで、事故の際には乗客がロープにつかまって海面を漂うものですが、水温が一桁の海では、確実に一時間以内に低体温症で命を落とすと言われています。事故後、国交省は死亡が確認された方の死因を溺死と発表していますが、本当の死因は低体温症ではありませんか。
 仮に観光船が救命いかだを積んでいたら、誰も死なずに済んだかもしれないと思わざるを得ません。船舶検査で合格するには、国交省が独自に策定した基準をクリアした桜マーク付きの救命いかだである必要があります。価格は六人乗りで五十万円前後であり、安価な外国製のいかだに比べ、桁が一つ違います。
 認定品の救命いかだは非常に高く、認定品でない安いいかだを積んでいても法的に意味がないため、海水温が低い北の海で事業を行う観光船に人の命を救うのに絶対に必要な救命いかだが積まれていなかったのではありませんか。お答えください。
 今回、事故直後の報道によると、海上保安庁は現場海域到着まで三時間も掛かっています。初期対応が遅れたということは、乗船者に死が迫っているという判断がなかったからではありませんか。
 日本では、今回の事故のように、限定沿海区域を走る小型船舶には水密区画を設置する規定はなく、事故を起こした観光船にも水密規格は、区画は設けられていませんでした。したがって、一か所でも浸水すると、浸水を止めない限り沈没します。このことを全ての海上保安官は知っているのですか。
 前年に発生した事故後に行われた北海道運輸局による特別監査では、船体を陸揚げせずに補修状況を確認していたり、ずさんな運航記録の内容を見逃したりしていました。また、運航管理者である事業者社長が、法定要件を満たしていないにもかかわらず、自己申告をチェックすることもなく許可を行っていたり、衛星電話から携帯電話への変更申告フォームには、通信可能であることの説明として、通信可能であったと自己申告する欄がわざわざ選択肢として記載されていたりと、何から何までむちゃくちゃで、この事故は起こるべくして起きたと考えざるを得ません。
 もはや日本小型船舶検査機構、JCIの問題のみならず、毎年監査を実施している国交省の責任は極めて重大と考えますが、報告書フォームの件を含め、見解を求めます。
 我が党の調査により、JCIは、監事を除く三人の常勤理事のうち、理事長と業務担当理事の二名が国交省OB及び現役出向者、社員総数百六十八名のうち、検査員百五十五名を除く十三名の社員のうち四名が国交省からの現役出向ということが判明しました。国交省と結び付きの強い機構に検査を委託することによるなれ合い体質があったのではないですか。
 本補正予算案にあります原油価格高騰対策についてお尋ねいたします。
 既に現時点で三十五円を超える補助金が投入されていますが、一方で、ガソリン税については、当分の間税率として二十五円が課せられています。二十五円の税金を掛けて三十五円以上の補助金を投入しているわけです。当分の間税率はいわゆる租税特別措置であり、今こそ税の簡素化の原則にのっとって廃止すべきではありませんか。
 トリガー条項の発動と異なり、暫定税率そのものを廃止すれば、出口戦略における市場が混乱することもありません。そもそも、消費者に少しばかりの税を課すという方法でガソリン消費を抑えようという小手先の対応ではなく、カーボンプライシングを含めて石油製品に対する課税の在り方を抜本的に見直すべきです。なぜ租税特別措置である当分の間税率の廃止を行わないのか、岸田総理大臣にお尋ねします。
 本激変緩和対策事業は九月までを対象期間とし、その後は状況を見て更なる判断を行うとのことですが、出口戦略について、市場価格にかかわらず、ウクライナの戦況が安定し、先が見通せるようになったら本事業をフェードアウトさせるとの説明が経産省からありました。つまり、仮に戦争の状況により原油価格がまだ高騰していたとしても、補助金投入を止めるということです。これでは、それこそ出口段階で市場が混乱するのではないでしょうか。そうであれば、当分の間税率を廃止して、混乱を少なくする方がよいのではないでしょうか。併せて総理の見解を求めます。
 政府は、今月十七日、勤労者皆保険の導入を決定しました。被用者保険の適用対象を拡大することで、制度維持が困難になっている国民年金適用者を厚生年金に移行させていくという内容であり、フリーター、ギグワーカーの扱いは決まっておらず、いまだ宙に浮いたままです。当然、企業の保険料負担は増え、社員の給与を上げるインセンティブが減り、結果、標準報酬月額で保険料が決まる厚生年金の収支バランスに影響を与え、持続可能性に影響が出るという負のスパイラルへの懸念はないのでしょうか。総理の見解をお尋ねします。
 二十三日の日米首脳会談において、核戦力を含めた拡大抑止についても議題となりました。
 米ソ対立時における安保の最前線は西ドイツでした。大戦後、軍事力強化に控えめだった西ドイツは、NATOと比して強力な軍事力を有したワルシャワ条約機構、とりわけソ連の戦車に対抗するために、アメリカとの核共有の道を選択しました。
 今後、米中が世界の安保の対立軸になっていけば、今度は我が国と韓国が世界の安保の最前線となります。米ソ核軍縮交渉によりアメリカが中距離ミサイルを全廃した中、中国は千二百五十から二千発の核弾頭搭載可能な中距離ミサイルを生産し、極東の軍事バランスにおいて中国が有利になってきているという現実があります。アメリカが今後、第一列島線である我が国に中距離ミサイルの配備を求めてくれば、そのときに、我が国はNPT加盟国であるという前提で核共有の議論を始めるべきではないでしょうか。これは威勢の良い話ではなく、極めて現実的な話です。
 アメリカの大陸間弾道ミサイルは発射されてから三十分で北朝鮮、中国に到達することから、北朝鮮や中国が航空機に核爆弾を積んで我が国に飛来してくることは現実的ではなく、直接地上から核ミサイルを我が国に向けて発射することが想定されます。したがって、自国の戦闘機にアメリカの核弾頭を搭載するというドイツ型、NATO型の核共有は我が国には適しません。アメリカの核使用における軍事作戦計画を共有する、核使用に係る共同訓練を行うなど、日本型の核共有を検討していくことが現実的だと思われます。もちろん、いかなる形であれ、核共有の議論とNPT体制は同時に議論される必要があります。
 この点に関し、岸田総理の御認識を伺い、私の質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 浅田均

speaker_id: 29554

日付: 2022-05-25

院: 参議院

会議名: 本会議