田村智子の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○田村智子君 私は、日本共産党を代表し、二〇二二年度補正予算案について岸田総理に質問いたします。
 ロシアによるウクライナ侵略戦争を一日も早く終わらせてほしい、日本と世界の人々の切実な願いとなっています。我が党は、国連憲章違反を糾弾するという一点で国際社会の一致結束を呼びかけてきました。
 国連では、百四十を超える国と地域、国家体制も宗教や文化も異なる国々がロシア非難決議に賛成しました。この国連憲章守れの団結を更に広げる外交こそ最も求められているのではありませんか。それは東アジアの平和と安定にも大きく寄与すると考えますが、総理の認識をお示しください。
 バイデン米大統領は民主主義対専制主義の闘いと表明し、岸田総理は価値観を共有するG7主導の秩序の回復と繰り返しています。
 英国のミリバンド元外相は、米CNNの討論番組で、ウクライナ問題は欧州の安全という枠を超えて、世界の秩序をどうするかの問題だと指摘し、西側は民主対専制という構図を取るべきではないと警告しています。また、シンガポールの元外務次官キショール・マブバニ氏も、ロシアの侵略反対では非常に大きな国際的一致があるのに、西側の構図を押し付けてしまえば途上国は付いていけないと批判しています。
 総理は、これらの指摘をどう考えますか。日本政府が行うべきは、あれこれの価値観で世界を分断することではなく、中国を含むアジアの国々にロシアは国連憲章を守れという共同を広げることではありませんか。
 戦争の心配のない東アジアをどう実現するかが問われています。
 二十三日に発表された日米首脳共同声明では、日米同盟の強化として、米国の拡大抑止が強靱なものであり続けることを確保するとしています。拡大抑止とは、日本の安全保障のためには米国の核使用を認めるということでしょうか。それは、広島、長崎の惨禍を再び引き起こすことではありませんか。また、拡大抑止は核軍拡を招くものであり、総理の言う核兵器のない世界を目指すことと矛盾するのではありませんか。
 共同声明では、岸田総理が防衛費の相当な増額を確保する決意を表明し、バイデン大統領はこれを強く支持したとあります。相当な増額とは幾らの増額ですか。五年以内にGDP比二%以上の防衛予算という自民党の提言を政府の方針とするのですか。その財源は消費税増税ですか、社会保障予算の抑制、削減ですか、それとも、国債発行で、安倍元首相が政府の子会社と称した日本銀行に引き受けさせるのですか。財源についてノーアイデアで米国と約束するなどあり得ません。明確な答弁を求めます。
 核兵器には核兵器、軍事には軍事のエスカレーションでは、東アジアの平和を構築することはできません。ASEAN十か国と米国、中国、日本、韓国など八か国は、東アジア・サミットという平和の枠組みをつくっています。この活用、強化を我が党の志位和夫委員長がNHK「日曜討論」で提案し、総理は、平和の枠組みは重要と答えました。では、東アジアに分断、排除ではなく、包摂的な平和の枠組みを構築するため、どのような外交努力をするのでしょうか、お答えください。
 物価高騰への対策として、補正予算案がようやく提出されましたが、具体の施策は、実質、ガソリン元売価格の抑制だけです。食用油三九%、生鮮食料品一二%、電気代二一%など、生活に不可欠な品目ほど値上げ幅が大きいのに、これで物価高への対策になるのでしょうか。
 第一にやるべきは、消費税五%への減税とインボイス中止です。
 消費税減税は、所得の少ない人ほど効果が大きく、中小企業・業者ほど税負担の軽減につながります。物価高騰への最も有効な政策ではありませんか。これを拒否するならば、生活必需品全般にわたる物価高騰にどのような対策を取るのでしょうか。
 暮らしの危機の一方で、大企業は、円安の恩恵等により、軒並み史上最高益となっています。三月期決算では、連結純利益上位三十社のうち二十二社が史上最高益、株主配当も大きく増加しています。読売新聞の世論調査では、政府が優先的に取り組むべき対策として、大企業や富裕層への課税強化など税制の見直しと答えた人は五〇%に上ります。大企業、富裕層に応分の税負担、消費税は減税、これこそが国民が求める公正な税制の在り方ではありませんか。
 第二に、本気の賃上げを政治の責任で行うことです。
   〔副議長退席、議長着席〕
 大企業の空前の利益によって、このままでは、また内部留保が大きく積み増すことになります。我が党が提案した内部留保課税は、アベノミクスで積み増した内部留保に年間二%で五年間課税し、中小企業の賃上げを直接支援するというものです。その際に、内部留保から人件費とグリーン投資に充てた分を控除することも提案しています。課税することで、内部留保積み増しではなく、利益を賃上げに回すというインセンティブにもなります。
 総理は、四百六十六兆円にも達した大企業の内部留保について、どういう認識をお持ちですか。人件費やグリーン投資へと回す仕組みをつくることこそ経済の好循環に寄与すると考えますが、いかがですか。
 米国では、政権与党である民主党が、最低賃金時給十五ドル、日本円で千九百五十円への引上げ法案を検討、ドイツでは、十月一日から一四・八%の引上げで十二ユーロ、千六百二十円、イギリスでは、四月から六・六%の引上げで九・五ポンド、千五百二十円の最賃を実施しています。物価高騰への対策として、日本でも最低賃金の大幅引上げを決断すべきではありませんか。
 第三に、年金引下げの中止、教育費負担の軽減などにより、家計を直接応援することです。
 年金引下げの根拠は、コロナ危機による現役世代の賃金の減少です。これが、物価高騰のさなかに来月から年金減額を行う理由になるのでしょうか。二〇一九年の世論調査で、既に公的年金制度が信頼できないが六五%に上っていることを総理はどう思われますか。
 食材の高騰は、学校給食に影響を与えます。給食費無償の要求に、政府は地方創生臨時交付金を使えると言いますが、これは一年限りの交付金です。憲法制定後の一九五一年、我が党議員の質問に政府は、教科書、学校用品、学校給食などを無償とすることが理想と答弁しています。いまだ実現していないことが問題です。無償化に向けて、直ちに給食費負担軽減を全国どこでも実施すべきではありませんか。
 第四に、気候危機打開を日本の産業と経済成長の大戦略にすることです。
 原油高によってエネルギーの自給率が問われています。純国産エネルギーである再生可能エネルギーを二〇三〇年に五〇%、五〇年に一〇〇%の目標を持ち、実現への戦略を直ちに持つべきではありませんか。
 一九八〇年頃まで、日本は、太陽光、風力発電とも世界のトップランナーでした。なぜその技術・製品開発が衰退したのか、政府はどのように分析していますか。石炭火力や原発にしがみつき、これ以上、再生可能エネルギーの普及で世界に後れを取ることは、日本の経済、産業の発展に大きなマイナスとなることは明らかですが、総理にその認識はありますか。
 第五に、ジェンダー平等の視点を経済政策に貫くことです。
 我が党は、男女賃金格差の公表を企業に義務付けることを国会質問で繰り返し要求し、政府は実施を表明しました。更に一歩進めるために、格差是正の目標を政府が持ち、企業に格差是正の計画策定とその実施を求めることが必要ではありませんか。
 以上、総理の答弁を求め、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 120815254X02520220525_023

発言者: 田村智子

speaker_id: 6902

日付: 2022-05-25

院: 参議院

会議名: 本会議