岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 田村智子議員の御質問にお答えいたします。
 国連憲章を守ることを求める外交についてお尋ねがありました。
 百四十一か国が賛成したウクライナに対する侵略決議は、国連憲章に違反するロシアのウクライナ侵略を最も強い言葉で遺憾とし、ロシア軍の即時完全無条件の撤退を求めています。一刻も早くロシアが侵略等をやめるよう、国際社会が結束して毅然と対応し、この決議の実施に至ることが重要であると考えます。
 そのために、我が国として、G7を始めとする普遍的価値を共有するパートナーと連携しながら、力による一方的な現状変更の試みに対抗する国際社会の取組を主導してまいりたいと思います。
 拡大抑止についてお尋ねがありました。
 今回の日米首脳会談において、バイデン大統領から、核を含むあらゆる種類の能力によって裏付けられた、日米安全保障条約の下での日本の防衛に対する米国のコミットメントが表明され、私とバイデン大統領との間で、今後も拡大抑止が揺るぎないものであり続けることを確保するため、閣僚レベルを含め、日米間で一層緊密な意思疎通を行っていくことで一致をいたしました。
 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、米国の拡大抑止は、我が国の安全保障にとって極めて重要です。そして、我が国を取り巻く安全保障環境など、厳しい現実に対応し、そして、国の安全保障を確保しつつ、同時に、核兵器のない世界という理想に向けて努力をする、このことは決して矛盾するものではないと考えています。
 この現実から理想に至るまでのロードマップを示しながら、唯一の同盟国である米国との信頼関係を基礎としつつ、現実的な取組を進めていく考えであります。
 防衛費の増額とその財源についてお尋ねがありました。
 我が国の安全保障環境が一層厳しさを増す中で、まず行うべきことは、国民の命や暮らしを守るために何が必要なのか、具体的かつ現実的に議論をし、積み上げていくことです。その結果、防衛力の抜本的強化に当たって必要となるものの裏付けとなる予算をしっかり確保していく考えであり、こうした観点から、先般の日米首脳会談では、防衛費の相当な増額を確保する決意を述べたところであります。
 こうした考えの下、防衛費の内容、規模等について、新たな安全保障戦略等の策定や、今後の予算編成過程を通じて検討をしてまいります。その際に、防衛費の安定的な確保をする観点から、この財源の在り方についても併せて検討をしてまいりたいと考えます。
 東アジアでの平和外交についてお尋ねがありました。
 自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、同盟国、同志国とも連携し、日米豪印の取組等も活用しながら、戦略的に取り組み、地域の平和と繁栄に貢献をしてまいります。
 御指摘の東アジア首脳会議については、首脳間で地域共通の課題について率直な対話を行う重要な機会、会議であると考えており、今後ともしっかりと活用をしてまいりたいと考えます。
 物価高騰対策等についてお尋ねがありました。
 物価高騰等への対策としては、事業規模十三兆円の総合緊急対策において、家計にとって重大な問題であるガソリン価格や小麦価格等の国内価格の上昇を抑制するとともに、低所得の子育て世帯への給付金の支給や、地方自治体による地域の事情に応じたきめ細かな生活困窮者支援を後押しすることとしており、これらを迅速に実行してまいります。
 このように、コロナ禍において物価高騰に直面し、真に困窮する方々に支援を行うこととしており、御指摘の消費税減税を行うことは考えておりません。
 また、インボイス制度は、複数税率の下で適正な課税を確保するために必要なものであり、十分な経過措置を設けるとともに、事業者への支援と周知、広報を行ってまいります。その上で、税制については、これまでも所得再分配機能強化を行ってきており、今後も、成長と分配の好循環の実現に向け、総合的に検討をしてまいります。
 内部留保への認識等についてお尋ねがありました。
 大企業を中心に、高水準の企業収益を背景として内部留保が増加してきましたが、こうした企業収益が賃金や設備投資に向けられることで、次の成長につなげ、持続可能な経済をつくり上げていくことが重要であると考えています。
 このため、賃上げ税制の抜本強化に加え、公的価格の引上げ、中小企業が適正な価格転嫁を行うための環境整備などにより、企業の賃上げを促してまいります。あわせて、最低賃金について、できる限り早期に全国加重平均千円以上となるよう取り組んでいきます。
 また、デジタル投資やカーボンニュートラルに向けた投資を促進するため、税制も活用し、企業の積極的な設備投資、促してまいります。
 また、内部留保への課税については、二重課税に当たるとの指摘があることなどから、慎重な検討が必要になると考えております。
 公的年金制度と給食費負担軽減についてお尋ねがありました。
 年金制度への信頼を確保することは重要です。公的年金制度については、将来世代の負担が過重にならないようにしつつ、長期的な給付と負担のバランスを確保し、将来にわたって持続可能な仕組みとしており、この仕組みの下で年金を着実に支給してまいります。
 学校給食費については、家庭の経済状況が厳しい児童生徒について就学援助等により支援を実施しており、更なる負担軽減については、各自治体において地域の実情に応じて検討いただくものですが、コロナ禍において物価高騰等に直面する子育て世帯を支援するため、地方創生臨時交付金により、各自治体による学校給食費の負担軽減に向けた取組を後押ししてまいりたいと考えます。
 再生可能エネルギーの衰退要因の分析と普及拡大の戦略についてお尋ねがありました。
 再生可能エネルギーについては、国民負担の抑制と地域の共生を図りながら最大限導入に取り組むというのが政府の方針です。
 他方で、資源が乏しい我が国において、単一の完璧なエネルギー源がない現状では、原子力や火力を含む多様なエネルギー源をバランスよく活用することで、エネルギーの安価で安定的な供給を確保してまいります。
 海外市場が急拡大していく中で投資競争に対応できなかったことが、太陽光や風力発電の競争力低下の要因の一つと考えています。
 今後は、再生可能エネルギーを含め、政府が投資の呼び水となる予算や規制改革、ルール整備などの政策を総動員することによって、民間の投資を促すインセンティブを与えるといった工夫により、日本の経済、産業の発展につなげてまいります。
 男女間賃金格差についてお尋ねがありました。
 労働者の男女間賃金格差を解消していくため、早急に女性活躍推進法の制度改正を実施し、労働者三百人を超える事業主に対し、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を開示することを義務化し、この夏に施行できるよう準備を進めます。
 同法では、企業が管理職割合や平均勤続年数など、男女間賃金格差の要因に関する状況把握を行い、企業としての目標を定め、行動計画を策定してPDCAを回す仕組みに既になっており、政府としては、男女間賃金格差の開示を義務付けることで、女性活躍推進法に基づき各企業の取組を加速させ、格差の更なる縮小を目指してまいります。(拍手)

発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2022-05-25

院: 参議院

会議名: 本会議