森本真治の発言 (本会議)

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○森本真治君 立憲民主党の森本真治です。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました令和四年度補正予算二案に対し、反対の立場から討論を行います。
 値上げの夏、異次元の物価高騰、岸田インフレ、現下のいわゆる悪い物価高騰が国民生活に打撃を与えています。
 参議院予算委員会で令和四年度当初予算が実質審議入りした二月二十四日、我が会派は、既にこの時点で物価の高騰に警鐘を鳴らし、対策の必要性を訴えておりました。しかしながら、政府・与党はこれらを一顧だにせず、年明け以降の急激な状況の変化への対応を何ら含んでいない当初予算を漫然と成立させました。
 その結果、コロナで疲弊した国民生活は一層厳しさを増し、政府はその場しのぎの策として、当初予算の成立から僅か一か月余りで一兆五千億円を超す予備費の使用決定に追い込まれました。コロナ対策に引き続き、物価高騰対策でも後手後手に回った政府には猛省を促します。
 以下、本予算に反対する理由を申し述べます。
 反対の第一の理由は、国の財政の根幹である財政民主主義を軽んじる予算となっている点であります。
 本補正予算では、四月に使用決定した予備費を補填するためとして一兆五千億円の予算が計上され、補正後予算の一般会計予備費は総額七兆円を超える規模となります。さらに、コロナ予備費の使途は物価高対策にまで広げられ、公共事業関係費などを優に上回る規模の予算が事実上政府に白紙委任されようとしています。
 政府は、令和二年度に十二兆円もの一般会計予備費を計上して以降、予備費頼みの財政運営を続けており、もはやその野方図な積み増しに何のためらいも覚えないようです。しかし、予備費は国会の事前議決原則の例外であり、その規模を最小限にとどめなければ、憲法第八十三条の財政民主主義が有名無実化することは明白であります。
 国民に開かれた予算委員会での審議を通じ、個別具体の政策の是非について議論を深めるため、追加の財政需要が生じれば、その都度速やかに具体策を盛り込んだ補正予算を編成して国会に提出すべきことは論をまちません。憲法が定める財政の根本原則を無視する予算に賛成の余地はありません。
 反対の第二の理由は、予算に盛り込まれた総合緊急対策の規模が不十分な点であります。
 政府が四月二十六日に決定した総合緊急対策は、国費が六・二兆円程度、事業規模は十三・二兆円程度と、現下の困難な経済情勢に鑑みれば余りに小粒であります。一方、立憲民主党は、四月八日の時点で総額二十一兆円に及ぶ生活安全保障のための緊急経済対策を発表しております。
 その内容は、国民の暮らしを守り抜くために十四・三兆円、国民の事業を守り抜くために六・八兆円を措置するものであり、消費税率五%への時限的減税や事業復活支援金の拡充、中小企業のコロナ債務の減免等、政府の総合緊急対策には含まれていない多くの施策が盛り込まれております。我が国経済を下支えする力でいえばどちらの対策が優れているのか、もはや多言を要しません。
 また、総合緊急対策の国費六・二兆円のうち、本補正予算に計上されているのは予備費の積み増しを除くと原油価格高騰対策の一・二兆円のみで、あとは既に予備費や当初予算等で措置された金額を寄せ集め、規模を膨らませているにすぎません。規模が小さい上に、小手先の対応に終始した予算には到底賛成することはできません。
 反対の第三の理由は、物価高対策として効果が限定的な予算となっている点です。
 本年四月の企業物価は、前年比一〇%の上昇と約四十年ぶりに二桁の伸びを記録しました。また、消費者物価も、生鮮食品を除く総合指数が前年比二・一%上昇と七年ぶりの伸び率であります。徐々に国民一人一人の暮らしまで物価高騰が波及しつつあり、岸田総理が金融政策に係る日銀との共同声明の見直しに否定的なことも相まって、値上げの夏が訪れることは容易に想像が付きます。
 このような中、本補正予算に計上されている原油価格高騰対策一・二兆円について、一定の意義は認めますが、実際の値下げ幅が事業者によってまちまちとなることなどの課題は残ります。
 さらに、消費者にとって値上げによる負担が大きいのは、ガソリン以上に電気代やガス代です。事業者にとっても、電気代やガス代の高騰は、価格転嫁が難しい中小零細企業を中心に、収益を圧迫する要因となります。にもかかわらず、今回の対策にこうした側面に着目した支援は盛り込まれておらず、政府の対策は燃料油価格の抑制にのみ限定された近視眼的なものと言わざるを得ません。
 異次元の物価高騰とも言える現状において、幅広い物価を強力に押し下げるならば、我々の主張する消費税率引下げが最も効果的です。根本的な物価対策を欠いた予算には断固反対であります。
 反対の第四の理由は、長引くコロナ禍から国民の生活を守る予算となっていない点であります。
 物価高への対応と同様に、二年に及ぶコロナ禍で疲弊した国民生活を下支えすることは今後の対策の最重要課題と言えます。
 しかしながら、今回の補正予算には、原油価格高騰対策のほかに、国民一人一人の暮らしを守る具体策は何ら含まれておりません。それどころか、政府は、既に決定された後期高齢者の窓口負担の引上げや児童手当の特例給付への所得制限創設など、国民に負担を強いる政策を、我々の強い反対にもかかわらず、そのまま強行する方針であります。
 既存の政策決定に固執し、物価高による負担増の影響を直視しない政府の姿勢が国民生活を一層困難にしていることは明白であり、暮らしを守るための実効的な対策に乏しい予算は断じて容認できません。
 以上、本補正予算に反対する主な理由を述べました。
 最後に、来年のG7サミットについて、総理は広島で開催することを表明いたしました。このことは、昨年の予算委員会の場で総理に直接G7広島サミットの開催を求めた広島出身の私にとっても大変喜ばしいことであります。一方、来月開かれる核兵器禁止条約締約国会議について、唯一の戦争被爆国としてオブザーバー参加すべきと我々は再三求めてきました。ドイツなどはオブザーバー参加を表明しているにもかかわらず、岸田総理はいまだに参加を表明しないことに落胆せずにはいられません。
 そして、岸田政権の下では、昨年来、行政の信頼を揺るがす問題が立て続けに発覚しています。記憶に新しい国交省の統計不正に引き続き、経済産業委員会において審議中の高圧ガス保安法改正案の審議の根拠となる経産省の資料の数値が過少に記載され、立法事実の誤りが明らかとなり、審議が中断している状況です。国民の命と安全に関わる重要な法案なだけに言語道断であります。
 価格転嫁対策についても、総理は昨年十二月、半導体不足や原油価格高騰等を受けた施策パッケージを取りまとめましたが、その後も民間調査では約七割の企業が価格転嫁できていないと回答するなど、効果が出ているとは言えません。
 見かけ倒しの対策に終始する岸田政権の姿勢は、物価高対策とは名ばかりの、遅い、小さい、中身がない補正予算にも端的に表れており、是が非でも国民の命と生活を守るという強い覚悟が総理には全く欠如しております。
 我々は、生活という視点から様々な安全保障政策を問い直す生活安全保障を掲げており、一人一人の国民生活を守ることを何より重視しています。今後も、国民の生活を守る意思を欠いた岸田政権とは毅然と対峙するとともに、岸田インフレと真正面から戦っていくことを申し上げ、私の反対討論とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

発言情報

speech_id: 120815254X02620220531_004

発言者: 森本真治

speaker_id: 18201

日付: 2022-05-31

院: 参議院

会議名: 本会議