片山大介の発言 (本会議)
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○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
私は、会派を代表して、令和四年度補正予算二案に対して、反対の立場から討論いたします。
ロシアによるウクライナ侵略という蛮行によって、賃金が上がらない中での物価高騰など、国民生活に多大な影響が出ています。こうしたときに的確な補正予算を組むことは必要です。問題なのは、その内容が本当に必要なものになっているかどうかです。
私は、この補正予算案を見たときに、何かの間違いではないかと思いました。参議院選挙前だからといって、こんな形で補正予算を組むとは、そう感じました。今回の歳出総額二兆七千億円の補正予算案は、原油高や物価上昇を受けた総合緊急対策を看板にしているものの、半分以上の一兆五千二百億円を、先行支出している予備費の補填に充てている上、真に必要性に基づいたものなのかも甚だ疑問だからです。
まず、予備費について言及していきたいと思います。
おととし、令和二年から蔓延し、当初、その影響が未知であった新型コロナウイルス、この対処として、使い道を確定しない予備費がどんどん積み上げられていきました。言うまでもなく、予備費は、使途と費用が見積もれないという特殊な状況における言わばやむを得ない措置だったはず。今は、感染を予防するワクチンがあり、治療法もあります。巨大な予備費を認めたときとは事情が違います。それなのに、コロナ禍という枕言葉を使えば予備費を補正予算に入れ込めるという考えには到底賛同できません。
しかも、今回の主目的は五兆五千億円もの巨額な予備費の水準を維持するというもの。施策を具体化し、使い道を定めて補正予算を国会に提出して国会に判断を求めること、それが財政民主主義の当たり前のあるべき姿です。明らかに財政民主主義をないがしろにし、国民の税金を使わせていただいている意識と責任感が欠如しています。
使い道を定めない予備費を積み上げ、無計画に場当たり的な対応をすることを認めるわけにはいきません。予備費に対する考え方を正常に戻すべきであるということを強く訴えます。
そして、二つ目の反対理由は、この補正予算が本当に必要な総合緊急対策になっていないということです。
エネルギー価格は去年の秋口から高くなってきており、ロシアによるウクライナ侵略によって更に上がりました。国民の皆さんの収入が上がっていないにもかかわらず、物価だけが上がっています。黒田日銀総裁は、かつて黒田バズーカを発動するに当たって、消費者物価指数が安定的に二%を超えることを目指してきました。この目標は、九年もの間、達することはありませんでした。
でも、今月二十日に公表された四月の消費者物価指数は、前年同期比二・五%と、国民の間で景気の回復を全く感じないまま、いえ、かえって苦しさを感じる中で、長い間の目標であった二%を超えました。生鮮食品及びエネルギーを除く総合の指数が〇・八%、生鮮食品を除く総合の指数が二・一%であることを考慮すれば、一・三%分がエネルギー価格の影響で物価上昇しています。現下の状況において必要な措置は、国民の皆さんが生活必需品を購入しやすい環境をつくることではないでしょうか。
日本維新の会は、三月、政府に対して、ウクライナ危機等から国民生活を守るための緊急経済対策の提言書を提出しました。提言書には、軽減税率を一時的に下げ、状況によってはゼロにまですることや、低所得者への社会保険料の大幅減免、それに、中小企業対策として、社会保険料の事業者負担分や法人税の大幅減税などを提案しました。エネルギー価格については、ガソリンに限定されたトリガー条項の解除だけでなく、広く石油に関わる税の減免を検討することを提案しました。
それなのに、政府がこの補正予算で行おうとしていることは何か。補助金で燃料油価格の急激な変動の影響を抑えることにすぎません。燃料油価格の抑制のため一兆一千七百三十九億円の補助金を充てるということですが、補助金頼みの経済対策は、時間や手間が掛かる上、金も掛かるものの効果は薄い。こんなことは以前から分かっていることです。なぜ古い考え方を繰り返すだけなのか、疑問でなりません。
原油価格の高騰は今後も長引く可能性が高く、私たちは、事業者への補助金という対策ではなく、ガソリンの税率を本則に戻すべきと考えており、法案も別途提出させていただきました。是非御検討いただきたいと思います。
そして、補助金対象のガソリン以上に負担がかさむのは、電気代とガス代、その値上げに対する家計支援策はなおざりになっています。今、社会が新型コロナウイルスの感染症の影響から立ち直ろうとしているときに、エネルギー価格高騰の波がかぶさるように押し寄せています。ならば、日本国中広く経済効果が上がるような救済策をすべきです。その上で、収入が上がらないまま物価が高騰を始めるコストプッシュインフレに陥ることを防ぐことです。
エネルギー価格の上昇だけで物価が一・三%も上がるのであれば、国民生活に密着した食料品等に掛けられている軽減税率を八%から五%に下げる、現状が長引くようであれば、更に三%やゼロに引き下げることまで検討する、コストプッシュインフレによる悪循環の根を絶つことを考えるべきではないでしょうか。
三つ目の反対理由は、歳出の見直しをする観点が欠如している点です。
本補正予算の財源は全額が特例公債の追加発行によって賄われており、歳出の見直しは一切行われていません。国民生活を守るため、十分な対策を講じる必要があることは当然ですが、今後も更なる対応が求められる可能性を踏まえれば、規模の大小を問わず、財政の持続可能性を確保する不断の取組が不可欠と考えます。
この点、我々日本維新の会は、身を切る改革の一環として国会議員の歳費、議員定数の三割カットを主張しています。国民生活が苦しいときこそ国会議員が率先して身を切り、政策対応の財源を捻出すべきです。
最後に、岸田総理が掲げる新しい資本主義について述べます。
新しい資本主義はいまだに中身が見えません。市場は、政策の方向性が分からずに疑心暗鬼になっています。富裕層を更に豊かにする資産倍増よりも、まずすべきは、広く国民が豊かになるための所得倍増ではないでしょうか。そして、日本を力強く成長する国にするため、セーフティーネットを整え、全ての人がチャレンジし続けられる社会、若い世代が安心して子供を産むことができる社会を実現していくことです。
私たち日本維新の会は、給付付き税額控除又はベーシックインカムを基軸とした再分配の最適化、統合化を通じて、税制、社会保障制度、そして労働市場を一体的に改革していくべきと提案しています。
世界が激しく動く今こそ、大胆な改革で国民の安全確保と日本の平和と繁栄を実現するよう全力を尽くしていくことをお誓い申し上げ、私の本補正予算案に反対の討論といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)