清水貴之の発言 (本会議)
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○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。
会派を代表して、政策評価等の実施状況及びこれらの結果の政策への反映状況に関する報告に対して質問をいたします。
まず、EBPMといった証拠に基づく政策形成の推進について伺います。
EBPMは、エビデンスに基づく政策立案を示すものであり、確かな証拠に基づいて政策の決定や実行、効果検証を行うことを意味します。発祥は、一九九〇年代におけるイギリスのブレア政権時代に、証拠に基づく医療を政治に導入したのが始まりです。また、アメリカのオバマ政権においても、証拠に基づき補助金を分配する階層化補助金という制度が誕生しました。我が党においても、EBPMを繰り返すことでデータが蓄積され、エビデンスの質が高まり、的確な政策を打つといった行政活動のPDCAサイクルを確立することは重要な取組であると認識をしています。
しかし、日本のEBPM推進については、具体的な効果、目指すべき到達点がいかなるものであるかについては依然として十分な実像が見えにくいように感じます。そこで、EBPMが政府の政策立案を具体的にどのように改善するのか、総務大臣に伺います。
また、EBPMは政策評価や行政評価・監視に有効な手段であると行政監視委員会においても説明がありました。政策評価の実施においてEBPMには具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。総務大臣の考えをお聞かせください。
続いて、EBPMの観点から幾つか具体的に伺います。
まずは、新型コロナウイルス感染症対策における政府の行動制限による効果の検証についてです。
政府は、今年五月から新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議を立ち上げ、これまでのコロナ対応について整理及び評価を行うとしています。しかし、さきの予算委員会において、我が党の柳ヶ瀬議員の質問に対し、政府の回答は、緊急事態宣言やまん延防止措置などの行動制限についての効果は定量的には示せないというものでした。
飲食店に対する営業時間の短縮要請、利用人数やアルコール提供の制限、都道府県をまたぐ移動自粛要請を通じた人流抑制、さらにはイベントでの入場者数制限といった対策がどの程度の感染防止、感染拡大防止効果があったのでしょうか。担当大臣に伺います。
行動制限には非常に大きな代償を伴います。これらの効果検証がないままで、今後、国民の皆さんの理解や協力を得ることは難しいと言わざるを得ません。今は平時への移行期間でありますが、行動制限などの効果や弊害の検証は今後の中長期の感染症対応を考える上で不可欠だと考えますが、担当大臣の見解をお聞かせください。
次に、新型コロナウイルスの接触確認アプリCOCOAについて伺います。
COCOAは、二年前の令和二年六月に運用が開始されました。イギリスの先行研究で、接触確認アプリに実効性を持たせるには総人口の七割に普及させる必要があるとされていたため、政府も七割の壁の突破を目指していたはずですが、現在のダウンロード数は約三千六百八十一万件と日本の総人口の三割弱にしか広がっていないのが現状です。しかも、この件数はこれまでにCOCOAアプリがダウンロードされた数であり、実際に稼働しているアプリの数を示すものではありません。
そこで質問ですが、COCOAのダウンロード数からアプリを削除した数を引いたもの、つまり、現在実際にアプリとして稼働しているCOCOAの数は何件になるのでしょうか。また、陽性登録者から濃厚接触者に通知が行われた件数はこれまでに何件ありますか。もしその数を把握できていないというならば、どのようにしてCOCOAの効果検証を行うつもりでしょうか。厚生労働大臣に伺います。
政府は、実際の利用者数も通知件数も不明となっている理由をプライバシーを守るためと説明していますが、利用者の数や、アプリからどのような通知が何人に行われ、通知を受け取った人がどのような行動を取ったかなどは効果を検証するのに必要なデータであり、検証結果を今後の政策に生かすことは、多くの予算を使って行っている事業なのですから、最低限政府がやらなければいけない作業だと思いますが、厚生労働大臣はどのように考えますか。
そして、現在の国内の累計感染者数はおよそ九百万人です。私の周りにも感染した方や濃厚接触者になった方がたくさんおられますが、私のCOCOAアプリ、一度も反応したことがありません。私の周りでも、COCOAから通知が来たという人を一人も聞いたことがありません。新型コロナウイルスが拡大し始めた当初は、濃厚接触者を特定して、行動履歴などを把握することは一定の必要性と効果があったと思いますが、コロナウイルスに関する考え方や対応なども変化してきている今、COCOAアプリを継続していく意味はあるのでしょうか。厚生労働大臣、お答えください。
続いて、全国的なワクチンの大量廃棄について伺います。
新型コロナウイルスのワクチン接種で、三回目用に配布されたモデルナ製ワクチンの廃棄が全国で相次いでいます。全体的に接種率が低調なことに加えて、ファイザー製に比較すると希望者が少ないことが影響して、使用期限切れを迎えているといった理由が挙げられます。このワクチンの大量廃棄について、政府は、接種現場の負担の軽減のための配慮から、国内での廃棄の全体量を把握することは考えていないといった方針を示しています。
政府がこれまでに確保したワクチンは、調達費約二兆四千億円、八億八千二百万回分の接種が可能であり、一人当たり七回打てる計算となっています。必要なときに必要な量のワクチンがないというのは困りますから、ある程度の予備が必要であり、その中から廃棄が生まれるのも仕方ないことだとは思いますが、しかし、EBPMの観点から見ますと、どこにどれだけの量が渡って、そしてどれぐらいの廃棄が発生したのか、その原因は何なのか、実態の把握や検証をし、行政の無駄の排除を目指すとともに、今後同様の事案が起きた場合のモデルケースとするべきではないでしょうか。厚生労働大臣の考えをお聞かせください。
続いて、マイナンバーカードの健康保険証利用、いわゆるマイナ保険証についてお伺いします。
健康保険証は、現在、紙やプラスチックカードで発行されていますが、その一方、マイナ保険証は、マイナンバーカードと健康保険証の機能を併せ持ち、医療機関で専用の機械に読み取らせれば、本人確認や処方された薬などを閲覧できます。医療のデジタル化を図るため導入されましたが、マイナ保険証を提示した患者は、自己負担が三割の場合、初診で二十一円、再診で十二円、調剤で九円の負担が生じます。つまり、今までの紙の保険証を持っていった方が支払額が安く、デジタル化されたマイナ保険証を使った方が支払う額がアップするということです。こんなばかげた話はありますか。
四月六日の決算委員会でこの点を取り上げましたが、当日質問に立った十人の委員のうち、私を含め三人が同様の質問をしました。それだけおかしいと思う人が多いということで、ほかにも疑問の声が多く上がったのでしょう、政府は診療報酬上の加算の扱いについては中央社会保険医療協議会において検討するとのことですが、どう検討するつもりでしょうか。新聞などでは廃止も含め検討と報じられていますが、当然これは廃止するべきではありませんか。厚生労働大臣の見解をお願いいたします。
一般的に、デジタル化イコール効率化イコールコスト削減につながるのだと考えます。そして、何より、今は政府を挙げて、ポイント制度などに二兆円以上の予算を投入して、マイナンバーカードの普及拡大に取り組んでいるところです。しかし、今回は、マイナ保険証用の機械を導入する医療機関に配慮をして診療報酬への上乗せが行われたということで、結果的にマイナ保険証の利用が患者の医療費負担の増加につながりました。
在り方を今後検討するとはいえ、そこに至った政策決定過程をしっかりと検証する必要があると思います。なぜ政府はこのような判断に至り、実行したのでしょうか。そして、本気でマイナンバーカードの普及を図るならば、ポイント制度のような呼び水だけではなくて、費用対効果も含め、利便性を向上させる必要があると思いますが、改めて総務大臣の考えをお聞きします。
最後に、四月二十三日に発生した北海道の知床半島沖の観光船の沈没事故について質問します。
亡くなられた方々の御冥福をお祈りし、御家族の皆様に心よりお悔やみを申し上げるとともに、いまだ見付かっていない方々の一日も早い発見をお祈り申し上げます。
政府の安全対策について伺います。
国土交通省は、これまでも定期的な監査、監督を行っており、事故を受けて監査の強化を行うと言及しています。検討委員会では、抜き打ちやリモートによる監視、運航管理者の資質、要件について裏取り調査といった強化案が示されています。一方、今までの監査は、運輸局職員が聞き取りをするために原則として事前に事業者と日程調整して行っていたとのことですが、性善説では人命最優先、安全第一の監査はできません。
改めて、これまでの国土交通省の監査体制に問題はなかったのか、あったとしたらどの点をどのように改善していくのでしょうか。国土交通大臣の考えをお聞かせください。
日本小型船舶検査機構、JCIの人員体制についても伺います。
政府は、JCIにおいて適切な検査が実施されるよう、定期的な監査や予算及び検査方法の認可を行うなどの管理監督を行っていると言及しています。しかし、JCIの社員には国土交通省の現役出向やOBが含まれており、なれ合い体質の中でのチェックとなると甘くなるのは当然ではないでしょうか。
また、JCIの検査員は全国三十一か所の支部に百四十人いますが、検査対象船は三十一万隻と、検査体制のバランスは取れていません。これで適切な管理監督をしていると言えるのでしょうか。国土交通大臣のお考えをお聞かせください。
以上で質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣金子恭之君登壇、拍手〕