芳賀道也の発言 (本会議)

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○芳賀道也君 国民民主党・新緑風会の芳賀道也です。
 会派を代表し、令和二年度決算案外二案に反対、警告決議案に賛成の討論を行います。
 国民民主党は令和二年度予算案に反対をしております。執行過程において予算案に対する反対理由を凌駕するだけの相当な工夫がなされた事実を確認できないことから、以下、反対の理由を申し述べます。
 主な理由は三つです。
 反対の理由、第一に、執行された施策の多くが持続可能性に欠けることです。
 デフレ脱却、二〇二〇年にGDP六百兆円、一億総活躍、女性活躍、デジタルトランスインフォメーション、新しい資本主義など、大げさなスローガンが二〇一二年の第二次安倍内閣以降、発信されてきました。
 しかし、我が国の政治、行政が真摯に向き合わなくてはならないのは一千兆円を超える巨大な債務です。同じ国民民主党の古川元久衆議院議員の著書によれば、GDPの二倍の政府債務を抱えるのは世界で日本とアフリカのジンバブエぐらい。昨年には財務省の矢野康治事務次官が雑誌月刊文芸春秋に寄稿して話題になりましたが、その寄稿自体への賛否又は内容の賛否には様々あったとしても、現職財務次官の指摘には耳を傾けるべきでしょう。
 経済成長なくして財政再建なしの耳当たりの良いフレーズの下、その間行ってきた財政支出が、持続的な成長や我が国の深刻な課題を十分に解決するに至っていないことは事実です。その結果、直ちに財政再建を目指すことは困難かつ非現実的な状況にまで追い込まれています。
 今回、決算委員会で審議した令和二年度決算でも、予算案の段階から成長にも財政健全化にも道筋が付いていません。そして、政府予算とは別に、政府は日銀に財政ファイナンスを実行させて国債を爆買いさせ、株式やETF、上場投資信託を爆買いさせて株価を支え、J―REIT、不動産投資も爆買いさせ地価を支えてきました。
 歴史を見れば、戦後のハイパーインフレでは、日銀作成の東京小売物価指数で見ると、一九四五年、昭和二十年から一九五一年、昭和二十六年までの六年間に東京都内の小売物価が百倍になりました。年金の支給額が今年四月から〇・四%下がりましたが、それどころではない塗炭の苦しみを今後、国民全員が経験させられるかもしれない潜在的な危険性は高まっています。
 少子化、人口減少の対策も効果が出ていません。住む人がいなくなれば、ほかの国からミサイルが飛んでくる前にこの国は滅びてしまいます。全国あちこちに限界集落があり、耕作放棄地があり、誰も住まなくなった集落があります。人口減少と少子化は、男性中心の長時間労働文化を改めるなど、考え得るあらゆる政策を実施して対処しなければなりません。
 そして、日本の次の産業をどう育てるのか。かつてこの国を支えてきた電機産業や半導体産業は既に中国やアジア各国に追い抜かれ、輸出産業は自動車一本立ちのようになっています。自動車産業を更に強くする必要があるのと同時に、次の日本を支える産業を興す必要があります。経済成長を目指すべきは当然ですが、それと同時に、財政再建や少子化対策、人口減対策、次の産業づくりについて、長期的な計画を立ててじっくりと、そして本気で取り組まなければなりません。
 反対の理由は、第二に、情報開示をおろそかにし、予算執行状況の透明性に欠けている問題です。
 今年の決算委員会では、ここ十年間で最も多い二十件の措置要求決議がありました。この措置要求決議では、国会審議なしに政府が使い道を決められる予備費について問題の指摘が複数あります。二〇〇七年、平成十九年に、国会開会中の予備費使用については時間的に対処し難いと認められる緊急な経費などを除いて行わないと閣議決定していますが、緊急の経費以外にも、令和二年、三年度の新型コロナ対策予備費から支出がありました。
 そもそもこの新型コロナ対策予備費は、令和二年度と三年度の予算合わせて十四兆六千五百億円も計上されたことが問題です。憲法第八十三条では、国の財政を処理する権限は、国会の議決に基づいて、これを行使しなければならないと、財政民主主義の基本原則を定めています。これに反する巨額の予備費は到底容認できません。
 さらに、当初予算、補正予算、予備費の財源別に予算執行されていないため、予備費による執行額を切り分けて把握できない問題も措置要求決議で触れられました。国民の血税がどんな使い道をされているか、国民の代表たる国会議員が細かく把握できない現状は、民主主義国として深刻な問題と言わざるを得ません。
 さらに、その間に行われていたのが統計不正です。決算委員会の警告決議でも、国土交通省による建設工事受注動態統計調査で二重計上がされていたことが指摘されました。この二重計上により、結果として、建設工事受注統計の数字が水増しされました。二〇一九年、令和元年の決算委員会そのほかで厚労省の毎月勤労統計の不正が指摘されたことも記憶に新しいところです。
 反対の理由は、第三に、コロナ対策の予算執行過程において専門的な知見や客観的な現状分析が生かされていなかったことです。
 新型コロナの感染拡大対策として、不織布マスクなら一定の効果があるが、布マスクでは効果が少ないという科学的な指摘があったにもかかわらず、一千四十四億円もの予算を掛け、布マスクのアベノマスクを全世帯に郵送する愚策が行われました。今年の決算委員会の警告決議では、アベノマスクの不適切な在庫管理について、有効活用されないまま九億円を超える保管費用が発生している問題や、在庫枚数が約五十三万枚不足していたのに必要な記録が残されていなかった問題が指摘されています。
 同じ会派の足立信也議員は、三月二十八日の決算委員会で、まん延防止等重点措置の効果が少なかったという大阪大学の北村准教授の指摘を取り上げました。足立信也議員は、この日の決算委員会で、新型コロナ感染拡大対策を保健所主導の公衆衛生から医師主導の医療にシフトすべきだと、ほかの専門家からの御提言も踏まえて提案しています。
 二〇二〇年のダイヤモンド・プリンセス号での新型コロナ感染拡大の頃から、専門家の知見を無視したコロナ対策が随所で見られました。
 新型コロナの検査が少ないことも専門家から依然として指摘されています。アメリカで新型コロナ対策をリードするジョンズ・ホプキンス大学によれば、新型コロナの検査について陽性率が五%というのは高過ぎる、陽性率が五%より下がるよう検査を増やせとのこと。しかし、厚生労働省調査によれば、六月十日時点で全国の陽性率一七・四%。陽性率が高過ぎます。検査を更に増やす必要があります。
 専門家の知見が軽んじられているということについては、学術会議のメンバー六人を政府が任命拒否したことで欠員が続いていることも忘れてはなりません。
 以上、第一に、執行された施策の多くが持続可能性に欠けていたこと、第二に、予算執行状況の透明性にも欠けていたこと、第三に、新型コロナ対策で専門的な知見や客観的な現状分析に基づいた予算執行がなされなかったこと、以上三点を踏まえ、決算案に反対いたします。
 国民民主党は、正直な政治、偏らない政治、現実的な政治を追求しています。予算においても、決算においても、その視点から真摯に向き合うことを申し上げ、私の討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 芳賀道也

speaker_id: 3714

日付: 2022-06-15

院: 参議院

会議名: 本会議