礒崎哲史の発言 (本会議)

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○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史です。
 ウクライナの主権と領土を侵し、多くの子供たちを始めとする市民への無差別攻撃といったロシアの戦争犯罪が続いています。
 ロシアの侵攻開始後百日がたった六月四日、キーウの聖ソフィア大聖堂にて、ユニセフ・ウクライナ事務所代表のムラート・シャヒン氏が発言した内容によれば、ロシアによる一連のウクライナ侵攻により、およそ三人に二人の子供が避難を余儀なくされているとのことです。学校、病院、遊び場、公園、そして何千もの家屋が被害を受け、多くの家族が引き裂かれてしまっているとのことで、何よりも、ほぼ全ての子供が今後何年にもわたって残り続ける深刻なトラウマと精神的苦痛にさらされているという言葉に胸が痛みます。
 子供のひとしく健やかな成長のため、置かれている環境にかかわらず、その権利擁護の充実を図ろうとする法案の採決に当たり、ウクライナの子供たちにも思いを致し、討論に入ります。
 私は、国民民主党・新緑風会を代表し、政府提出のこども家庭庁設置法案及び同整備法案並びに衆議院提出のこども基本法について、賛成の立場から討論を行います。
 一九八九年の合計特殊出生率一・五七は、それまでの最低値であった一九六六年ひのえうまの年の一・五八を下回ったことから、一・五七ショックと表されました。そして、一九九四年、政府による初の具体的な少子化対策としてエンゼルプランが策定されました。それから二十八年間、政府は様々な少子化対策を継続してきましたが、出生率が一・五七を上回ることは一度もありませんでした。
 一方、二〇一九年の統計によると、十五歳から三十九歳までの死因の第一位は自殺です。十歳から十四歳においても第二位が自殺となっています。また、厚生労働省の自殺対策白書によれば、先進七か国で十五歳から三十四歳までの死因の第一位が自殺であるのは日本だけです。
 子供たちを取り巻くこうした実情を踏まえ、日本の将来を託す子供たちへのこれまでの政策をどのように振り返り、今後にどう生かすのかが今私たちに問われていると思います。
 国民民主党は、子育てをする保護者への支援環境を整え、保育や教育の質に重点を置いた子育て政策を充実し実施することが、未来を担う人材を育て、結果として少子化対策にもつながると考えて政策を打ち出してきました。何よりも子供の健やかな成長を目的とする政策です。
 今回のこども家庭庁設置法案、こども基本法案などの関連法案は、永田町と霞が関にいる大人の都合の子供政策から、子供と子育て世帯のための真の子供政策に向けた質の転換を図る重要な一歩であると受け止め、待ったなしの危機感を持って賛成をしたいと思います。
 しかし、これらの法案は、質の転換を図っていく上で十分とは言い難い点もあることから、審議を通じて明らかになった課題を指摘し、我々の政策を提案することで残りの討論に代えたいと思います。
 まず、法案審議で見えてきた主な課題を三つ指摘します。
 一つ目は、教育の所管についてです。
 全ての子供関連施策をこども家庭庁が司令塔となって進めることとしながら、文部科学省所管の教育に関わる部分について、多くの所掌事務、所掌施策が分かれたままとなってしまっています。子供の貧困、虐待、いじめ、不登校、自殺、ハラスメントなど、対応すべき課題は山積しており、そうした子供に関わる課題に一元的に対応していくために、司令塔としてこども家庭庁を設置しようとしていることから、できるだけ早期にこども家庭庁に一本化するのが自然です。
 施行後五年を待つことなく、今からでも実現に向けた検討を始めることを要望します。一本化するまでの間も、幼保連携を始め諸施策を実施する上で、文部科学省との十分な連携を図ることを改めて求めます。
 二つ目は、子供が意見を表明する機会の確保と意見反映の仕組みについてです。
 ウエブアンケート、対面、SNSなど、具体策について確認はしましたが、子供の意見を広く聞き、それらを子供施策に反映する仕組みが確立されなければなりません。加えて、社会全体に子供中心の意識を醸成するためにも、取りまとめ結果を世の中に公開していくことが必要と考えます。
 また、意見表明権については、こども基本法案では自己に直接関係することと記載されていますが、それによって、間接的に影響を及ぼす事項について子供の意見表明の機会を奪うことがないように十分に留意するよう求めます。
 三つ目は、子供コミッショナーに象徴される第三者機関の必要性についてです。
 政府内に設置されるこども家庭審議会に、子どもの権利条約批准国に求められている独立した立場から監視する第三者委員会の役割を担わせることは困難です。子供政策の着実な前進を図るためにも、政府から独立した機関が設置されるべきであると考えます。
 ここまで法案の中身に関わる課題の一端を指摘してきましたが、我々国民民主党として、法案が定める基本理念を忠実に具現化する上で早期に実現すべき政策を二つ申し述べます。
 一つ目は、我が党の矢田わか子議員が中心となって訴えてきた所得制限の撤廃です。
 児童手当、児童扶養手当、幼児教育の無償化など、多くの子供関連の給付には所得制限が掛けられています。こどもまんなか社会と銘打って政策に転換を図るのであれば、これらの公的給付は親の収入に関係なく行われなければなりません。
 参考人質疑において、明石市の出生率や人口の増加を実現させた実績を持つ泉市長は、子供施策は二つあり、両方大事です、救貧施策は目の前を助ける施策で、所得制限を掛けてもよい、一方、未来施策は、所得制限を掛けず全ての子供たちを応援するベーシックサービスとすべき、本来、全ての子供たちを応援する未来施策は国が責任を持ち、子供たちや市民に近い市町村が救貧施策として臨機応変に現金を給付することが望ましい、今はお金のない地方が歯を食いしばって未来施策を実施し現金を給付していることは、立場が逆転していると思うと述べられました。今こそ、発想の転換が必要です。
 国民民主党は、所得制限撤廃法案を、六月十日、参議院に提出をいたしました。政府には、今回のこども家庭庁設置法案とこども基本法案の基本理念にのっとり、早期の所得制限撤廃を求めます。
 二つ目は、今申し上げた提案も包含した、国民民主党の人づくりこそ国づくりの理念に基づく子供関連予算、教育予算の倍増です。
 奇しくも、人への予算を、人への投資を少なくとも倍増させると表明された岸田総理の方針も我々の予算倍増提案と合致しています。そして、子供関連法案の基本理念、こどもまんなか社会の理念とも軌を一にしています。予算を倍増すれば、今述べた所得制限の撤廃だけでなく、例えば児童手当を十八歳まで一律月額一万五千円へ拡充することや、給食費、学用品費、修学旅行費など学校に係る様々な費用も無償にすることが可能となります。
 今こそ、思い切った人への投資を実行すべきです。お金と大人の都合による妥協策から脱却し、子ども・子育て支援を徹底すべきです。未来の宝である子供たちのための政策は人材育成にも直結し、中長期的な経済政策と誰もが生きやすい社会づくりにもつながっていきます。
 国民民主党は、改めて人づくりこそ国づくりの理念を掲げ、粘り強く国会の場で政策提案を続けていくことを申し上げ、討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 礒崎哲史

speaker_id: 26665

日付: 2022-06-15

院: 参議院

会議名: 本会議