青木一彦の発言 (政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○委員長(青木一彦君) 政府開発援助等及び沖縄・北方問題対策樹立に関する調査を議題といたします。
 この際、便宜私から、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、国民民主党・新緑風会、日本維新の会、日本共産党、沖縄の風及び碧水会の各派共同提案による第八回アフリカ開発会議(TICAD8)に向けた我が国の開発協力に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    第八回アフリカ開発会議(TICAD8)に向けた我が国の開発協力に関する決議(案)
  新型コロナウイルス感染症の世界的な広がりは、三年目を迎える今日も未だ終息を見せていない。さらに、今般のロシアによるウクライナ侵略は、法の支配に基づく国際秩序の根幹を揺るがす行為である。
  そうした中、本年八月には、第八回アフリカ開発会議(TICAD8)が開催予定である。TICADは、アフリカ開発に関する包摂的で開かれた国際会議として、幅広い主体が共通認識を形成し、協力して課題に取り組むためのプラットフォームとして機能してきた。TICAD8は、パンデミックを克服し、その後に続く未来に向かって社会を再構築していく転換点となるとともに、ロシアによるウクライナ侵略を背景として、我が国が法の支配に基づく国際秩序を守り抜く覚悟を広く発信する機会とも位置付けられる。
  以上を踏まえ、政府においては、ウクライナ情勢がもたらすエネルギー安全保障や食料安全保障への影響も踏まえつつ、開発協力に関し、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、TICADプロセスを通じた法の支配に基づく国際秩序の重要性の発信
   ロシアによるウクライナ侵略は、国連憲章が禁ずる違法な武力の行使である。本年三月、国連総会の緊急特別会合におけるロシア軍の撤退を促す等の内容を含む二つの決議が採択されたが、その際、多数のアフリカ諸国が棄権又は不投票であった。インド太平洋地域は、世界人口の半数以上を擁する世界の成長センターであるからこそ、各国のガバナンスを強化し、国連憲章と法の支配を始めとする共通の価値や原則に基づいて、平和と繁栄を確保していくことが重要であり、アフリカもその一翼を担っている。TICADプロセスを通じ、アフリカ諸国における主体的な成長と発展に協力する中で、我が国がなくてはならない存在として認識され、これらの理念が一層浸透するよう努めるとともに、国連改革を含めた国際秩序の立て直しに主体的な役割を果たしていくべきである。
 二、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの重点強化と人材の定着
   アフリカにおける保健医療の基盤は依然として脆弱であり、優先すべきは、人々に一番近いところで、適切な保健医療サービスや情報を供給するシステムを強化していく取組である。特に関連分野における人材育成が大事であり、引き続き重点的に進めるとともに、高い教育を受けた人材が外国に流出し、現地の医療改善等になかなかつながらない実情を踏まえ、そうした人材が地元に定着し、貢献していくインセンティブを与えるような取組も加速すべきである。貧困や飢餓等の課題が未だ山積する中、人間の安全保障の理念に立脚したSDGs達成に向けて、住民のニーズに適切に応えながら、一層効果的な支援を進めるよう留意すべきである。
 三、アフリカの潜在力を引き出すための民間投資の促進
   アフリカは、豊富な資源、高い人口増加率、大きな経済的潜在性を有する二十一世紀最大のフロンティアである。今後も高い経済成長が見込まれるアフリカの潜在力を引き出し、持続的発展に乗せる上で、民間投資に大きな役割が期待されるが、日本企業からの投資は遅れており、その実情について総括する必要がある。アフリカにおいてスタートアップが躍進を遂げている状況に鑑み、日本の若手起業家の対アフリカ投資を促進する機会の創出に取り組むべきである。また、投資が進まない背景には、その重要な前提条件である人間の安全保障が満たされていない状況も深く関与していることから、政治の安定化、治安・公衆衛生の改善、良質な労働力や日本企業のパートナーとなる人材の育成等、投資環境の整備に引き続き取り組むべきである。
 四、NGO・起業家との連携強化
   アフリカの開発協力において、貧困層に直接裨益する草の根の支援の重要性が高く、現地のニーズにきめ細かく対応するNGOなどの市民社会組織は、「顔が見える支援」の担い手であるJICA海外協力隊等とともに、我が国のODAの一翼を担う主要な主体である。また、今日、起業家、特にビジネスを通して貧困、教育、環境等の社会問題に取り組むスタートアップは、デジタル技術等も活用しながら、社会課題をきめ細かく解決し、多様な人材の活躍を促していく上で重要な役割を果たしている。こうした点を十分踏まえつつ、NGOや起業家をパートナーとして位置付け、連携を強化していくべきである。
 五、国民に理解されるODA
   非軍事的な国際協力を主体とする我が国にとって、ODAを活用した外交の推進の重要性は大きく、ODA予算のより一層の拡充が求められる。一方、厳しい財政状況の中でODAを実施していくには、その意義について国民一人一人の理解が必要である。対国民総所得(GNI)比でODAを〇・七%とする国際目標を実現していく上では、開発協力の意義を示すとともに、データに基づく科学的な検証により、国民にODAの効果を示していく取組を進めるべきである。
   右決議する。
 以上でございます。
 本決議案を本委員会の決議とすることに御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

発言情報

speech_id: 120815359X00920220608_002

発言者: 青木一彦

speaker_id: 34918

日付: 2022-06-08

院: 参議院

会議名: 政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会