中川正春の発言 (憲法審査会)

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○中川(正)委員 今国会から野党の筆頭理事を務めます立憲民主党の中川正春です。どうかよろしくお願いを申し上げます。
 新しい体制でスタートしたことでもあり、最初に審査会の運営について、改めて所見を申し上げたいと思います。
 まず、幹事会の持ち方であります。
 新藤筆頭の気配りの中で、現状、私と新藤筆頭との話だけで決着をしているような感じがいたしますが、これを本来の形に戻すことを提案します。
 まず、幹事懇談会の議論を先行させて、幹事の間で十分な意思疎通をする必要があると思います。その上で、決着をつけなければならないことがあれば、各党の国対レベルでの調整もある中で、筆頭間の話合いに任せてもらう、そのようなプロセスに戻していってはどうかというふうに思います。
 次に、ここで改めて、私たち立憲民主党の憲法議論に対する基本姿勢をお話をしたいと思います。
 これまで繰り返し説明してきたとおり、立憲民主党の憲法審査会に対する基本姿勢は、論憲であります。具体的な憲法改正案を審査会に持ち込んで、その案に対する賛否を問うということであってはならないというふうに思っているんです。憲法の議論を通じて、国の基本を国民とともに確認をしていく。それぞれの条文について、立憲主義に基づいた真摯な議論を重ねて、審査会としての結論を得ていく。そのためには、憲法審査会は、全会派の一致点というものを追求していくこと、これに努めなければならない、いわゆる合意形成の場でなければならないというふうに思っています。
 そのためには、まず、時代の変遷とともに新しく提起されている課題の抽出、これから始めていくべきだと思うんです。国際環境や社会環境の変化が、憲法に対しても新しい課題を提起しています。変革が求められている課題は何か、これを抽出して、審査会の議論の俎上にのせるための合意を形成することが、この審査会にとって入口議論となっていくべきであります。
 例えば、GAFAMなどの国際的な展開で、アルゴリズムなどに翻弄される個人の情報に関連する諸権利の侵害が指摘されています。また、地政学的な変化の中で、具体的な安全保障の在り方を前提にした憲法九条の平和主義の確認、緊急事態などと関連した国会と内閣の関係の見直し、違憲審査権に伴う司法の在り方、地方分権の課題など、諸課題が山積する中で、審査会として何を優先して議論していくべきか、これを整理して議論に入っていくということ、ここが大事だというふうに思います。
 この先なんですが、それぞれの課題に基づいて論点を深化させていくこと、これが論憲だと思います。その過程では、現状の憲法違反が問われることもあります。また、憲法より法律によって目的を達成することが望ましい分野もある。また、最終的には、憲法に付加したり、あるいは修正したりすることが望ましい分野と結論づけられるものもあり得ます。
 具体的な論点を国民に見える形で整理することと同時に、この審査会の委員だけではなくて、専門家や関係者の審議会への参加を促して、そして国民的な議論に広く展開していくということが重要だと考えています。
 もう一つ、根本的な課題として考えていくことがあります。憲法と政党政治ということであります。
 今のように憲法議論を政党政治の枠の中で誘導すると、憲法改正は政治キャンペーンにのみ込まれてしまう可能性があります。その意図に疑心暗鬼が生まれて、国民の間に分断を生んでいくという結果になっていきます。これをどのように克服するかはとても難しい問題でありますが、先日、これに一つの答えを見出せる機会がありました。
 成熟した民主主義の中で憲法を議論してきたフィンランドの憲法委員会のメンバーと、私たちの審査会の幹事が意見交換をする機会がありました。幹事の皆さんはそこに参加され、フィンランドの憲法委員会会長からの次の発言を聞かれたというふうに思っております。
 憲法に関して多様な話をまとめるためには、通常の政党政治議論を前提にしては駄目です。私たちの憲法委員会では、各党会派の立場を離れ、議員個人として発言することに努めています。それでも並大抵な話ではなく、合意ができるまでとことん話し合うことがあって、事がなし得ていくのです。
 この発言は、私たちにとっても多くの示唆を与えてくれます。政党政治を超えた憲法議論を可能にしていきたい、国民レベルでの話に持ち上げていきたいということ、これを皆で共有することが大切だというふうに思っています。
 こうしたことを前提にして、これから先の審査会のテーマとして取り上げ、議論を深めたいと思っている項目を、まず具体的に提案をします。まず、目先で、優先してやっていきたいということであります。
 一つは、これまでも課題になってきました国民投票法に係るコマーシャル規制とネット規制であります。制度を十分に整えること、これは先決すべき事項でありまして、コマーシャル規制については、さっきお話があったように、民放連では自主ガイドラインを示しているということは理解をしていますけれども、私たちはそれで十分だとは認識していません。
 また、ネット規制については、法律制定当時はなかった観点であって、どこまでそれが可能なものかも含めて、専門家の話も聞きながら、現実的な結論をここで導いていく必要があるというふうに思っています。
 次に、前半で申し上げた憲法本体の課題の論点は多くあります。順番に、テーマを絞りながら議論の俎上にのせていくことだと思っていますが、一方で、今国会で多くの時間を割き、関連の法案も野党連合で提出されている旧統一教会の問題があります。
 遡れば、これは政治と宗教の関係をどのように整理することが正しいのかという根本問題に至っていきます。国葬問題と絡んで憲法の下で今これをしっかり議論することは、特に時宜を得たものだと考えて、この審査会のテーマとして取り上げていただくように提案をしました。残念なことに、自民党の新藤筆頭にはそのことを受け入れていただくことはできなかったんですが、今日のこの審査会はテーマなしの自由討議とすることとなりました。後ほど、自由討議という枠の中で、私たちの同僚が改めて政治と宗教そして国葬の問題を提起していくことになります。
 最後に、憲法を論じることは、国の形、基本を論じることであります。国民世論がこれで分断されては何のための憲法議論かということだと思います。改めて論憲が大切だということを強調して、私の発言といたします。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 中川正春

speaker_id: 15692

日付: 2022-10-27

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会