玉木雄一郎の発言 (憲法審査会)

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○玉木委員 国民民主党の玉木雄一郎です。
 まず、今後の本審査会の進め方について申し上げたいと思います。
 毎週定例日に開催するという、ようやくできたこの慣例は是非守っていただきたいと思います。
 また、これまで、緊急事態条項、九条、国民投票法などについての議論を行ってきましたが、やはり、言いっ放しにならないように、一つのテーマについて一定の意見集約を行ってから次のテーマに進むことを求めたいと思います。そのために、分科会方式や小委員会方式も提案したいと思います。特に、緊急事態条項、とりわけ議員任期の特例延長の必要性については、本審査会である程度合意が得られていると考えられますので、具体的な改正案について議論すべきだと思います。
 国民民主党としても条文イメージ案を取りまとめておりますので、資料配付の上、改めて説明をさせていただきたいと思います。
 まずは、緊急事態の定義、我々、四つの類型を提案しております。外国からの攻撃、内乱・テロ、大規模災害、そして感染症の拡大、この四つについてコンセンサスを得ることをまず求めていきたいと思います。
 また、参考人招致についても改めて提案したいと思います。憲法改正の国民投票におけるネット広告規制について、インターネット事業者等から改めて意見を聞いてほしいと思います。さらに、SNSの個人情報を利用して、内心の自由を操作し、選挙に介入したケンブリッジ・アナリティカ事件の当事者であるブリタニー・カイザー氏からのオンラインも含めた意見聴取も是非行っていただきたいと思います。
 また、ロシアによるウクライナ侵略でも、フェイクニュースなどによるサイバー空間における情報操作、いわゆるディスインフォメーションの影響が指摘をされています。情報の発信者やプラットフォーマーに対する規制、外国勢力の影響を排除するための規制、ファクトチェック機関の創設などの議論をより具体的に深めていきたいと思います。
 言いっ放しではなく、山積する憲法上の課題に一つ一つ結論を出していく運営をお願いしたいと思います。
 次に、憲法九条について一言申し上げたいと思います。
 国民民主党としては、自衛隊という組織を明記するかどうかの形式的な議論の前に、その自衛隊にいかなる自衛権の行使を憲法上認めるのか、そして、その自衛権の行使を行う実力組織を戦力あるいは軍隊として位置づけるのか、この本質的な議論が必要だと思います。なぜなら、この議論を避けている限り、仮に自衛隊という行政組織名が憲法に明記され、存在の違憲性が解消されても、その自衛隊による自衛権の行使という行為、行動の違憲性の疑義が残るからであります。
 ここで議論を深めるために、改めて、自民党そして日本維新の会に伺いたいと思います。
 両党の憲法改正案による改正後の自衛隊は戦力あるいは軍隊なのかどうか、改めてここを明確にお答えいただきたいと思います。
 また、前回、今回残念ながら議員が外れておりますけれども、足立康史議員が芦田修正を取り入れる旨の修正をしたと思いますけれども、日本維新の会としてこの芦田修正を採用する考えなのかどうか。そうであれば、依然として自衛権の範囲が解釈に依存することになり、条文と現実のギャップを解釈で埋める、解釈の迷宮から抜け出せないのではないかと心配します。党としての考え方をお伺いしたいと思います。
 もう一つ質問です。両党の案によると、法律と解釈によってはフルスペックの集団的自衛権まで自衛権の範囲を拡大することが憲法上可能な記述になっているのかどうか、この点については非常に関心もあるところですので、その点についても併せてお答えをいただきたいと思います。
 関連して、防衛費の増額についても申し上げたいと思います。
 国民民主党は、国を守るため必要な防衛費の増額については賛成です。一つ参考になるのが、NATOの国防費の基準、対GDP比二%です。これに関して、海上保安庁の予算など安全保障に関わる予算を足し合わせれば日本でも六兆円を超え、GDPの一・二四%になるという主張がありますけれども、これは私は誤解を招く議論だと思います。
 そもそも、NATO基準の国防費には明確な定義があり、それは、軍隊の要求を満たす経費であって、軍事戦術の訓練を受け、軍隊としての装備を保有し、展開オペレーションの際に直接軍の指揮下で行動でき、現実的に軍を支援するために国家の領域外に展開可能な部分についてのみ計上すると定義されています。
 一方、我が国の海上保安庁法二十五条は、この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認められるものと解釈してはならないと定めています。また、実態としても、有事を前提とした自衛隊と海保の連携訓練は一度も実施されていません。
 したがって、海上保安庁予算をNATO基準の国防費に含めたいのであれば、もう一つの憲法九条とも言える海上保安庁法二十五条の削除や見直しが不可欠だと思いますが、このことについては指摘をしておきたいと思います。
 重要なことは、都合によって軍隊かどうかということを使い分けるのではなく、ロシアによるウクライナ侵略が長期化し、北朝鮮が何十発ものミサイルを我が国周辺に着弾させ、台湾統一を悲願とする中国の習近平総書記が三期目に入った今こそ、我が国の主権と領土を守るために必要なアームドフォースとは一体何なのか、この本質的な議論こそ、この憲法審査会で行うべきだと思います。
 いずれにせよ、自衛隊が、対外的には軍隊だが国内的には実力組織であるといった、こういった日本でしか通用しないようなガラパゴス的議論に終止符を打つ必要があると思います。せっかく憲法を改正するのであれば、こうした中途半端で形式的な改正ではなく、本質的な問題に正面から応える改正になることを我々としては提案をし、質問と、我々国民民主党としての発言といたします。

発言情報

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発言者: 玉木雄一郎

speaker_id: 29596

日付: 2022-10-27

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会