三木圭恵の発言 (憲法審査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○三木委員 会長、ありがとうございます。
 日本維新の会の三木圭恵でございます。
 今回の意見表明は、我が党の緊急事態条項の原案について御説明を差し上げたいと思います。
 まず、緊急事態の宣言の主体でございますが、これは内閣が行い、事後に国会の承認を受ける形にしております。
 事後の承認で国会が不承認とし、緊急事態の宣言を解除すべき旨を議決したときは、速やかにこれを解除するものとしております。また、緊急事態がやんだときその他当該宣言を継続する必要がないと認めるときも、速やかにこれを解除するものとしております。
 対象となる事態は、先ほど新藤委員の方からもございましたけれども、同じでございまして、他国による武力攻撃、内乱等、大規模自然災害、感染症の大規模蔓延その他これらに匹敵する事態の四類型で、特に必要があるときとしました。手続に関しては、先ほど述べましたとおり、内閣による宣言と国会の事後承認でございます。
 その効果として、一、国政選挙の実施が困難であることを国会が認定した場合、国会議員の任期が延長され、選挙の期日が特例により延長されることを始め、二、法律制定、予算議決を待ついとまがないと内閣が認定した場合、あらかじめ定められた法律により緊急政令と緊急財政処分が行えるとしました。
 また、緊急事態宣言が発布されますと、効果の三として、自動集会と会期継続、衆議院の解散禁止、不信任案等議決禁止を定めています。
 人権の制限について、効果の四として、事態に応じ合理的に必要と認められる範囲内で可能としております。
 そして、効果の五として、憲法改正の禁止を入れました。何人も、緊急事態が宣言されているような混乱した状況で憲法を改正することは許されないからです。
 さて、緊急事態が宣言された場合の五つの効果の加重要件や手続要件について、もう少し詳しく述べさせていただきたいと思います。
 まず、国会議員の任期の延長、選挙期日の特例についてです。
 緊急時においてこそ、国会機能を維持し、立法機能、行政統制機能等を果たすことが重要であり、国会議員が不在となる事態は避けなければいけませんが、さりとて、議員のお手盛りにならないように、要件は厳しくする必要があると考えました。
 そこで、選挙の適正な実施が困難であると認める特別の事情があるときという加重要件を設けるとともに、任期延長、選挙日特例を設けるためには各議院の出席議員の三分の二以上の多数を必要とすることとしました。また、衆議院解散や議員任期満了により議員が身分を失った時点から選挙までの間に緊急事態の宣言が行われた場合には、失効した議員身分の復活も規定しました。
 さらに、国会議員の身分について国会議員自らが判断するだけでは、緊急事態を脱しても議員任期が延々と延長され続けるおそれがあるため、その特例を客観的に判断する観点から、任期延長期間が六か月を経過した場合は憲法裁判所が職権によりその憲法適合性を審査できることとしました。
 次に、緊急政令、緊急財政処分についてです。
 こちらも、加重要件として、法律制定、予算議決を待ついとまがないと内閣が認定した場合を設けています。そして、「あらかじめ法律の定めるところにより、」と規定をしていますが、単に法律の定めるところによりとしてしまうと、緊急政令は法律と同一の効力を有するため、緊急政令がその根拠となる法律をも改定してしまうおそれがあります。そこで、「あらかじめ法律の定めるところにより、」と明記し、緊急政令は事前に定められた法律の範囲内に制定されることを担保します。
 我が党では、緊急財政処分を含め、具体的には、緊急事態基本法を制定し、そこで詳細を定めることを想定しています。
 また、緊急政令、緊急財政処分について、あくまでも臨時のものであることを明記した上で、事後に国会承認が得られない場合は失効し、民主的統制が及ぶようにすると同時に、国会議員の四分の一をもって憲法裁判所に提訴できることとなっています。
 ちなみに、事後に国会の承認が得られない場合は、将来に向かって効力を失うことを想定しているのであって、過去に遡って無効とすることは、安定性を著しく害するため、想定していません。
 次に、人権制限についてであります。
 事態に応じ合理的に必要と認められる範囲内で可能とした上で、絶対に制限してはならない人権として、判例、学説の多数見解等を踏まえ、個別の人権条項において、一、内心の自由への制限、二、内心における信仰の自由の制限、三、検閲、四、奴隷的拘束の絶対的禁止を挙げ、その各条において、個別の条文に、平時も含めた一般的な規定として、例えば、「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」という条文を、「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。内心の自由の侵害は、絶対にこれを禁ずる。」というように、各条文に個別に、絶対にや、いかなる場合においてもという文をつけ加えることによって、絶対に制限してはならない人権を保障する工夫をしました。
 また、人権の本質的内容の制限絶対的禁止については、第十三条二項に、人権の総則的規定において、人権の本質的内容は絶対に制限してはならない旨を規定しました。
 また、我が党の案では、緊急事態においても国会は機能を果たせるように作られているので、人権侵害について国会の行政監視も行えます。また、憲法裁判所も、提訴があった場合は審査されるので、制限措置を統制できると考えます。
 以上が説明となりますが、日本維新の会の緊急事態条項の大きな特徴の一つは、憲法裁判所を加えているところです。我が党では憲法裁判所原案を平成二十八年に発表しておりますが、その内容と整合性が保たれる内容となっています。憲法裁判所により憲法に適合しないとされた法律、命令、条例、規則、措置又は処分は、当該判決により定められた日にその効力を失うこととなっております。国会議員の任期延長、選挙期日特例や緊急政令、緊急財政処分といった強力な措置が立法府、行政府によって濫用され、国民の権利が過度に制約されることのないよう、憲法裁判所の審査の対象とすることは、三権分立の基本であり、長年にわたり人類が築き上げてきた民主主義の知恵であります。
 いついかなる不測の事態にあっても国民を守るために国会の正常な機能を維持させること、それに当たり一極に権力が集中することを防ぐこと、歴史に学び、多くの工夫と努力を積み重ねることによって、様々な想定を行い、法律を作ること、そういった不断の研さんが、いざという国の危機を少しでも回避していくことになると信じて、この緊急事態条項を我が党では作り上げました。
 我が党では、緊急事態条項の条文をまとめるに当たり、何度も憲法改正調査会を開催し、議論を重ね、様々な意見を聴取し、衆議院法制局のお力もおかりしながら、多くの時間を費やしました。是非各党からの御意見もお伺いしたいところでございますので、今国会での憲法審査会での審議をお願いいたしまして、意見表明といたします。

発言情報

speech_id: 121004183X00320221110_006

発言者: 三木圭恵

speaker_id: 927

日付: 2022-11-10

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会