玉木雄一郎の発言 (憲法審査会)
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○玉木委員 国民民主党の玉木雄一郎です。
冒頭、今後の審査会の運営について一言申し上げます。
これまでの議論の中である程度コンセンサスが得られたと思われる項目の一つである緊急事態条項、そして、とりわけ議員任期の特例延長については、テーマを絞って議論することを提案したいと思います。やはり、言いっ放しではなくて、具体的な議論の成果を出せる審査会の運営が必要だと思います。
その上で、三月三十一日に既にこの場で述べておりますけれども、改めて、国民民主党の考える緊急事態条項についての基本的な考え方を述べたいと思います。
私たち国民民主党の考える緊急事態条項は、行政の簡易迅速な権力行使を可能とする権力行使の容易化条項としての緊急事態条項ではなく、むしろ、公共の福祉など漠たる規定を根拠として行政府による権力の濫用や人権侵害の危険性が高まること、また、緊急事態においては国全体が正気を失いがちになるという歴史の教訓に鑑み、これに対する司法や立法による統制を明示する、権力行使の統制条項としての緊急事態条項が必要だと考えます。
まず、国民民主党は、緊急事態の要件は明示的に限定列挙すべきと考えます。具体的には、外国からの武力攻撃、内乱・テロ、大規模自然災害、感染症の大規模蔓延、この四つのカテゴリーを原則とすべきと考えます。
そして、国民民主党は、手続的統制の方策として、国会の機能を最大限維持することが重要だと考えます。かかる観点から、宣言を発令するのは内閣の権限とする一方で、緊急事態宣言について、原則国会の事前承認を求め、例外的に事後承認を得ることを考えています。この点については、自民党の二〇一二年の憲法改正草案にも明記されており、建設的な合意がつくれるはずだと考えます。
その上で、手続的統制の第二の方策として、司法による統制を機能させてはどうかと考えます。具体的には、緊急事態宣言の要件が満たされているかどうかの要件充足性について最高裁が勧告できるようにし、恣意的な宣言発令を抑制することを検討しています。例えば、緊急事態宣言が発令された場合又は延長された場合において、いずれかの議院の総議員の四分の一以上による申立てがあったときは、最高裁判所は、その宣言が要件を満たしているかどうかを審査し、申立てから三十日以内に判決を行わなければならないとし、満たしていないとの判決を行ったときは国会及び内閣に対して解除の勧告を行うとする旨の規定を設けるのも一案だと考えます。
そして、私たちは、国会議員の任期満了時に緊急事態が宣言された場合、議員任期の延長と選挙期日の特例に関する規定を憲法を改正して設けるべきとの立場に立ちますが、その際、いつまで任期を延長できるかについては、多数派の恣意的な決定を排除するため、各議院の三分の二以上の多数で延長期間を定めることを考えています。
その際、東日本大震災のときに地方議会あるいは首長の選挙期日の臨時特例に関する法律に定めたように、一定の最長の上限を定めるということも有力な方法だと思います。そして、この延長できる期間の決定においても最高裁判所の関与を求める案も考えられますけれども、我が党としては、緊急事態宣言を発令するかどうかの最初の入口の判断に限定して、最高裁判所の関与を求める仕組みを検討しております。
また、緊急事態にこそ国会を機能させることが必要だという観点から、国会が開会時の閉会制限と閉会時の召集義務を課し、また、緊急事態宣言下での衆議院の解散制限の規定も盛り込んでいます。さらに、解釈で認められたオンライン出席について明文で規定することも検討しています。
加えて、オンラインを活用してもなお定足数を満たさず、どうしても衆議院、参議院の本会議が開けない場合には、ドイツにおけるミニ国会のような、両院合同委員会による国会機能の代替についても検討しています。
いずれにしても、国民民主党としては、緊急事態の定義と議員任期の特例延長については、急ぎ議論を具体化させるべきだと思います。
なお、任期の特例を創設するに当たっては、憲法五十四条二項の参議院の緊急集会を、解散時だけでなく任期満了時にも内閣は開催を求めることができるのか、有識者に出席を求め、その解釈を本審査会で確定することを提案したいと思います。
国民民主党としては、条文上、解散時に加えて任期満了時を読み込むことは困難であること、また、二院制を正しく機能させる必要があることから、憲法改正が必要であるとの立場です。
ちなみに、平成二十三年の質問主意書に対する政府答弁書においても、大規模災害が国政選挙の直前に発生した場合に、選挙期日を延期するとともに、併せて国会議員の任期を延長できるようにするには憲法改正が必要とされており、政府答弁でも立法措置では国会議員の任期の延長はできないとされているので、政府あるいは内閣法制局からもヒアリングを行うことを提案したいと思いますので、森会長、よろしくお願いしたいと思います。
国民民主党としては、今述べたような緊急事態における統制の具体的内容について党内で議論しており、いずれ条文の形でお示ししたいと思います。
いずれにせよ、引き続き緊急事態条項に絞った集中的な審議を求めて、私の発言を終わります。