柴山昌彦の発言 (憲法審査会)

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○柴山委員 自由民主党の柴山昌彦でございます。
 発言の機会をありがとうございます。
 本審査会が定例的に開催されていることを生かして、大半の会派がほぼ合意できた事項をまとめていくべきだと考えております。その中でも優先順位が高いのは、国民の関心が高く、かつ、諸外国から圧倒的に遅れている想定外の事態への備えであります。
 まず、議会の機能確保ということで、憲法で定められた国会議員の任期の特例については、大半の会派が、今の発表にもあるとおり、方向性としてはほぼ合意ができていると感じます。早急にまとめに入るべきです。その内容については新藤幹事あるいは玉木幹事、三木委員、北神委員などの発言に譲りたいと思いますが、私が一言ここで申し上げたいのは、司法の関与についてであります。
 国の存立事態である究極の限界事例において、民主的基盤がない裁判所がどこまで関わることが正当とされるのかということは、よくよく慎重に考えなければいけないと考えておりますし、また、憲法裁判所を設けることにつきましては、国権の最高機関は国会であると定めた憲法四十一条との関係でも慎重に議論をする必要があると私は考えております。
 なお、解散後の緊急事態の発生の場合についてどのようにするかということも、一つの論点になっていたかと思います。これにつきましては、解散そのものを失効させることによって議員任期が復活させられるという考えが妥当だと考えますが、北神委員もおっしゃっていたように、解散直後の、他国の例に倣って、次の議会期が来るまでは議員任期は継続するというようにしている事例に倣うということも想定されるのかなというように考えております。
 いずれにいたしましても、緊急事態条項については、世界で設けている憲法が実に九三・二%に上っております。第二次世界大戦への反省から、終戦直後はそのような国は六割弱でありましたけれども、濫用への歯止めについての知見も広がっていて、近年大きく伸びております。
 今年十月二十一日に、来日中のフィンランド憲法委員会一行が当憲法審査会幹事たちと意見交換をいたしました。その際、同国がこれまで四回憲法改正を行っており、三回目の二〇一一年には、緊急事態時における基本権の保障に関する規定の見直しを行って、立法権の政令への委任、対象事態の拡大などについて規定したということを学びました。ちなみに、意見交換の際、なぜ日本では憲法改正が行われないのかという素朴な質問がなされたことについても付言をさせていただきたいと思います。
 そして、やはり、必要性が高い項目といたしましては、一票の格差の問題であります。
 今年の参議院選挙についての高裁判決なんですけれども、憲法判断が割れています。昨日出された広島高裁を含め合憲判決が六件、違憲状態とするものが五件、違憲とするものが一件であります。最高裁の判断が近々に出ると予想されますけれども、その結論いかんにかかわらず、公職選挙法を改正して人口偏在の後追いをこれからも続けるのか、それとも、憲法において新しい考え方を示すのか。この件について参議院での検討が進んでおりますけれども、憲法改正は両院での発議が必要でありますから、本院でもいずれ俎上にのせることが極めて重要かつ喫緊の課題だというように考えております。
 最後に、国民投票法の改正について申し上げたいと思います。
 先ほど国民投票法の議論の重要性についてお話がありましたけれども、今国会でも新藤筆頭幹事から、今後の国民投票法の議論の方向性については、投票環境整備についてのいわゆる三項目案の速やかな審査を求めるとともに、放送CMについては、広告の出し手である政党側の自主的取組と、広報協議会による賛否平等の広報活動について具体的に詰めていく、また、ネットCMその他のネット情報と国民投票の問題についても、ネット事業者などの意見を聞きながら議論するとの具体的な発言があったところでございます。
 そもそも、憲法審査会は、国会法百二条の六によりまして、日本国憲法に関する調査、改正原案の審査と国民投票に関する法律案の審査の二つが大きな所掌と明記をされております。もちろん、いずれも重要なテーマでありまして、その議論の方法については幹事懇談会で整理するべきだと考えます。ただし、これまで述べてきた憲法本体の議論の成熟度や緊急性に鑑みれば、憲法本体の議論と国民投票法の議論の双方を同時並行的に進めていく必要があると表明して、私の意見とさせていただきます。

発言情報

speech_id: 121004183X00320221110_016

発言者: 柴山昌彦

speaker_id: 2168

日付: 2022-11-10

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会