齋藤健の発言 (憲法審査会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○齋藤(健)委員 発言の機会をありがとうございます。自由民主党の齋藤健です。
私は、緊急事態における国会議員の任期の問題に絞って、急を要する問題として提起をしたいと思います。
その前に、先ほど、緊急事態条項について論点整理をすべしという御意見が北側幹事からございました。私は、この北側幹事の意見に全面的に賛同をしたいと思います。
私は、昨年十月、衆議院の任期満了が近づく中、本当に肝を冷やしました。任期満了時にコロナが感染深刻化して、全国津々浦々で選挙が行えなくなるという事態を誰もが否定できなかったからであります。
御承知のとおり、憲法第四十五条では衆議院の任期は四年とだけ規定されており、もし任期満了時にコロナ感染で選挙ができなくなれば、国民の生命財産を脅かされているこの大事なときに、衆議院議員がいなくなります。
では、どこまで総選挙をそういった場合延ばせるのかというと、現行の公職選挙法には、第三十一条に、衆議院議員の任期満了が国会開会中や国会閉会の日から二十三日以内にかかる場合は、総選挙は国会閉会の日から二十四日以後三十日以内に行うとの規定があります。この規定に従い、できるだけ総選挙を遅らせようとすれば、国会閉会の日に任期満了となるように段取ればいいわけであります。そうすれば、任期満了から二十四日以後三十日以内に総選挙となります。
昨年のケースで考えてみますと、解散がない場合の任期満了日は令和三年十月二十一日でした。任期満了日に国会が閉会したとしたら、十一月二十日以前に総選挙ということになります。
ところが、相手はウイルスです。この間に新規陽性者が急増し、全国津々浦々で選挙を行うことができない状態になった場合はどうするんでしょうか。仮にそのような状態になった場合は、恐らく、急ぎ公職選挙法改正など法的対応を行うことになるのでしょうが、既に衆議院議員は存在していません。
したがって、参議院の緊急集会で行うということになりますが、実は、衆議院が解散した場合については、憲法第五十四条の規定により参議院の緊急集会ができることになっていますが、任期満了の場合について参議院の緊急集会ができるという規定は、現行憲法にはありません。
任期満了の際にも解散した場合の規定を準用すればいいという意見もあろうかと思いますが、しかし、これほど重大な事項について、安易な解釈でやり過ごすことは許されないと思います。やはり、憲法上しっかりと規定しておくことは必要ではないでしょうか。
さらに、仮に準用したとしても、憲法第五十四条では、「緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。」とされています。衆参のねじれというものを現実に経験してきた今、国民の生命財産が脅かされている状態において行われた法的措置などが後にひっくり返される可能性があるというような、法的に不安定な状態を許して本当にいいのでしょうか。
さらに、本年四月七日の本審査会において、北側幹事が、衆議院を解散した後に事態が悪化して、当面選挙ができなくなるような場合の対応について指摘をされました。このケースも、衆議院議員不在での対応が迫られることになります。北側幹事は、この場合、解散そのものが効力を失い、衆議院議員の身分が回復すると考えられないかという貴重な指摘をされておられますが、いずれにしても、私は憲法上の対応は必至だと思います。
私が申し上げたいのは、こういった事態が現実に昨年の総選挙の際に起こり得たということであります。
本日、新藤幹事から、緊急事態条項の必要性と、その内容のエッセンスについて重要な御発言がありました。少なくとも緊急事態条項については、早急にこの審査会において、新藤幹事の提案をたたき台の一つとして議論をして、次の衆議院の任期満了までに結論を出し、いざというときに、国会、いや、この憲法審査会は何をやっていたんだとならないようにしておくことが、この審査会のメンバー全員の国民に対する責務ではないかということを私は皆さんに強く訴えたいと思います。
御清聴ありがとうございました。