浜地雅一の発言 (憲法審査会)
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○浜地委員 公明党の浜地雅一でございます。
私は、まず、国会におけるオンライン出席の実現、この更なる推進についてお願いを申し上げたいと思っております。
東日本大震災を始め、コロナ感染の蔓延、北朝鮮の連日にわたるミサイル発射などを目の当たりにしました我々は、今後あり得るかもしれない不測の事態に備え、国会の任期延長や緊急政令の根拠となる緊急事態条項について、各会派から活発な意見が出されております。このような感染症蔓延、有事、大規模災害が発生した場合、国会議員が実際に議場に参集し、物理的に出席することが困難となることは容易に予想されます。
したがって、国会のオンライン出席は、仮に任期延長や緊急政令を認めるとしても、まず実現しておくべき環境整備であることは言うまでもございません。
本年三月三日に、当憲法審査会の大勢の意見として、憲法五十六条の「出席」にはオンライン出席も含まれるとの解釈を衆議院議長に報告をされ、議長からは、議院運営委員会で具体的に検討するよう指示がありました。
私は前国会まで議運の理事でございましたが、実際、議運の場ではオンライン出席に向けた具体的な制度設計は進んでいないというのが現状です。五十七条の公開の規定とも相まって、オンライン出席を認めるための論点整理やシステム改修にかかる予算など、幾つかの案が出されました。しかし、制度設計には時間、費用がかかるため、まずは各委員会における参考人質疑をオンラインで試験的に開始すべきとの結論を得たのみで、その後の議論は停滞しております。
そこで、改めて会長にお願いをしたいと思います。オンライン出席の実現に向けて、当審査会として更なる推進を図っていただきたいと思います。
確かに、三月三日の報告書は全会派の一致した意見でないことは承知をしておりますが、ならば、賛成会派の幹事の皆様方でも、もう一度議長にこの実現の推進を促すような働きを行っていただきたいとお願いを申し上げたいと、まず冒頭申し上げたいと思います。
次に、緊急事態条項について申し上げます。
国会議員の任期延長については、国会の機能維持を図るという観点から、当審査会で論点整理を早急に開始し、検討すべき課題であるということは我が党も申し上げてまいりました。
戦渦にあるウクライナでは厳然と国会機能は維持されており、議会中心主義を貫徹しようとする姿も紹介をしてまいりました。我が国においても、国会の機能維持という喫緊の課題に対応できるよう、検討を急ぐべきであります。
他方、任期延長問題については、一部に、衆議院議員が長期不在となっても緊急集会で対応可能との意見もあります。しかし、緊急集会が規定をされております憲法五十四条の条文は衆議院の解散時の規定であり、その五十四条三項では衆議院の事後承認を求めていることから、これを素直に読めば、近いうちに衆議院総選挙が行われ、選挙で選ばれた新たな衆議院が誕生することを前提としている規定です。総選挙が長期間行われない場合は想定されていないと考えるべきです。緊急集会の在り方を始め、論点整理を行っていただきたいと思います。
続いて、緊急政令を認める緊急事態条項について述べます。
我が党の基本的立場は、現行憲法にも営業の自由、財産の内容などに対する公共の福祉による制約が規定をされており、国家の緊急事態といっても様々な事態があります。そこで、それぞれの危機管理法制の中で、私権に対する一定の制約とその手続、必要な補償規定を具体的に整備していくべきであるという立場です。
また、不測の事態にも対応できるよう、あらかじめ法律の中に政令委任できる範囲を規定すべきというのが、我が党の基本的立場です。すなわち、四十一条の、国会は国権の最高機関であり、唯一の立法機関であるとの議会中心主義の大原則を追求すべきとの立場です。これは、日本国憲法の制定過程において、当初緊急政令を検討したにもかかわらず、結果これを認める条項を削除した経緯からも、我が国が議会中心主義を取ることを宣言したものと言えるからです。ただし、緊急集会が万能でないことは、先ほど申し上げましたとおりでございます。
現在の危機管理法制は、災害対策基本法、国民生活安定緊急措置法、国民保護法、新型インフルエンザ特措法を始め、六本ございます。そして、その措置の内容は、一つに物資の配給、譲渡制限、二つ目に物価統制、三つ目に金銭債権等のモラトリアム、そして四つ目が海外からの支援受入れという四つの内容、メニューが用意をされておるわけでございます。これら危機管理法制は、大災害や新型インフルエンザの蔓延という過去の経験を基に想定され得る危機対応を網羅しており、ほぼ完成した形とも言われております。
では、これら以外にも想定され得る危機はないのか。新設すべき類型としての危機管理法制の追加はないのか。既にある、既存の危機管理法制の内容、メニューについては、加えるべきものはないのか。不断の検証が必要と考えます。
まず、大規模災害や有事、感染症蔓延以外に新たに新設すべき危機類型があるのか、私も考えてみましたが、なかなか思いつかないのが今私の現状でございます。
一方、既存の危機管理法制の内容、メニューについては、検討すべき課題が豊富にあると思います。例えば、今般のコロナ感染対策では、外出制限とか又は営業時間の短縮は、要請にとどまりました。しかし、今後起こり得る感染症においては、これら制限を法律で規定する必要が想定をされます。既存の危機管理法制において、加えるべき内容、メニューを充実させることが急務と考えます。それでも既存の内容では対応できない規制の必要が生じる可能性は、私は否定をしません。各危機管理法制の中に政令に委任すべき範囲を明確にした条項を加えておくことは必要と考えます。
ここからは私の私見となりますけれども、仮に憲法に緊急事態条項を加えるとすれば、各危機管理法制に政令委任できる旨の根拠規定を明記し、これを確認する意味で、その危機管理法制の法律に基づいて緊急政令を制定できるという旨を憲法上に明記するのであれば、議会主義に反することなく、私は許容されると考えます。
以上でございます。