玉木雄一郎の発言 (憲法審査会)

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○玉木委員 国民民主党の玉木雄一郎です。
 今年の通常国会以降の議論の中で、緊急事態条項、とりわけ議員任期の特例延長の必要性については、スピード感を持って合意を得るべきテーマとして認識されたと思います。
 そこで、会長に改めてお願いです。法制局に論点整理を早急にやってもらって、論点ごとに合意点をピン留めしていきたいというふうに思います。
 そこで、今日は論点についてまず申し上げたいと思います。こういった点について事務局にまとめてほしい具体的な論点をまず幾つか述べたいと思います。
 まず、第一の、大前提の論点として、議員任期の延長規定の必要性の有無。そして、それに密接に関係するものとして、参議院の緊急集会の位置づけをどうするのか。この論点です。
 第二の論点が、要件について。
 そのうち、実体的要件については、今も議論になりましたが、対象とする緊急事態の範囲について、これまでに提示した四要件以外に、その他の事態を付加するかどうか。そして、議員任期の延長を行う場合には、さらに、選挙の実施が困難といった加重要件をどのように定めるのかという論点。
 次に、手続的要件として、緊急事態の認定主体は内閣でいいのかどうか。そして、国会の関与は、原則事前承認、例外として事後承認という形でいいのかどうか。また、国会の議決要件は、各議院の出席議員の三分の二以上の多数による特別決議ということでいいのか。さらに、司法による事後統制をどのように導入するのか、しないのか。この論点です。
 第三の論点が、効果についてであります。
 特に、議員任期の延長関係に絞って言えば、任期延長の上限期間をどのように考えるのか。また、解散によって身分を失った前議員の身分の復活についてどう考えるのか。
 そして、それ以外の国会機能の維持策として、国会開会時の閉会禁止、閉会時の即時召集の在り方。また、衆議院の解散禁止や、それに対するものとして、内閣不信任決議案の議決の禁止。さらには、今、浜地委員からもありました、オンライン出席というものを憲法上明記するかどうかの論点。加えて、我が党が提案しているミニ国会としての両院合同委員会の位置づけをどうするのかという論点。
 そのほかにも、憲法改正の禁止や、制約できない人権、いわゆる人権制約の限界の明記をどうするのか。そして、緊急政令及び緊急財政処分についての論点。
 こういった論点について、法制局に是非整理をお願いしたいし、それを会長にお取り計らいをいただきたいと思います。
 その上で、今申し上げた論点の幾つかについて、特に御質問いただいた件を中心にお答えをしていきたいと思います。
 まず、今、岩谷委員の質問にお答えしたいんですが、国民民主党としては、緊急事態の要件は、基本的には明示的に四つの要件、外国からの武力攻撃、内乱・テロ、大規模自然災害、感染症の大規模蔓延に限定列挙すべきだと思います。これは基本的には、権力の濫用を抑える意味では、基本、限定だと思います。ただ、書き切れないところがあるので、その他これに準じる事態として、これは劣後するということではなくて、同様の事態で、法律に定める緊急事態ということを加えることは一案だと思います。
 ただし、この四つプラス一の類型いずれであっても、内閣による濫用を防止する観点から、国会による法律の制定その他正常な統治機構の運用による事態収拾が著しく困難ということを、いずれにせよ加重要件として設けていきたいと考えます。
 次に、前回、自民党の柴山先生からいただいた、司法による統制については慎重に考えるべきだということについて、改めて我が党の考え方を申し述べておきたいと思います。
 国民民主党は、緊急事態宣言の要件が満たされているかどうかの要件充足性について、最高裁が勧告できるという仕組みを入れてはどうかと提案しています。ただ、この最高裁の判断は、宣言の解除という直接的な法的効果は有しないということにした一方で、国会及び内閣に対し解除すべき旨の勧告をすることで、権限を持つ内閣の宣言解除や国会の解除決議を促し、恣意的な宣言発令を抑制することを企図しています。
 次に、議員任期の延長の上限について述べたいと思います。
 国民民主党は、各議院の三分の二以上の多数で延長期間を定めるということを考えていますが、この延長できる期間については、具体的にまだ半年とか一年とか決めていませんが、一年や半年といった具体的な上限期間を定めた上で、全国一斉に適正な選挙が可能となるまでは再延長を可能とするといったことが、一つ、一案として考えられるのではないかと思っています。
 また、国会機能を維持するために任期を延長した以上、その延長期間を含め、その間はやはり内閣による解散は禁止するというのが整合的だと思いますし、また、三権分立の対抗手段としてある内閣不信任案の決議についても、緊急事態発令中はこれは制限する、禁止するべきだと考えます。
 次に、またこれも岩谷委員から質問いただきました、解散によって身分を失った衆議院議員の身分の回復についてでありますが、これは、内閣によって緊急事態宣言が発令されて選挙ができないという場合ですから、前議員の身分を復活させるということはあり得ると思います。というのは、できないと判断した、つまり、解散を決めた内閣と選挙がそれでもできないと判断する主体は同じ内閣ですから、自らが行った解散を取り消して前議員の身分を回復させるというのは論理的にはあり得ると思いますので、回復するということが一つの考えだと思います。
 そして、議員任期の延長についての最大の争点は、委員の先生からもありました、やはり参議院の緊急集会の位置づけをどうするかだと思います。
 憲法五十四条二項の参議院の緊急集会は、解散時だけでなく任期満了にも開催をできるのかという論点なんですが、国民民主党としては、何度も申し上げているように、条文を素直に読めば、また、緊急集会はあくまで解散時に開催するということになっているということ、そして、やはり両院制ということが我が国憲法の原則にあるということですから、緊急集会での対応はあくまで暫定的、一時的な対応であるのが憲法の要請だと思います。
 具体的には、憲法が解散から四十日以内の選挙、そして選挙から三十日以内の特別会の開催を要求していることを考えると、七十日を超えた長期間において緊急集会で対応することは憲法が予定しないと考える方が素直だと思います。
 したがって、仮に、一部の憲法学者の皆さんが主張するように、任期満了時においても選挙が実施できず、やむを得ず緊急集会で対応する場合であっても、その期間が七十日を超えることは憲法の趣旨からいって適切ではないと思いますので、例えば、七十日を超えた長期にわたって全国一斉の選挙を適正に実施することが困難だと認められる場合には、議員の任期の延長を認める憲法改正がやはり必要だというふうに思います。
 この論点については、是非参考人の意見を聞いていただきたいと思いますし、前回も申し上げましたけれども、平成二十三年の質問主意書に対する政府答弁でも、立法措置で国会議員の任期延長はできないとしていますので、内閣法制局からも是非ヒアリングをしていただくことを提案したいと思います。
 国民民主党としては、今述べたような緊急事態における統制の具体的内容について、党内で詰めの議論をしておりますし、いずれ条文の形でもお示しをしたいと考えております。
 いずれにせよ、せっかくここまで議論が積み重なってきておりますので、引き続き緊急事態条項に絞った集中的な審議を求めていきたいと思います。
 以上です。

発言情報

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発言者: 玉木雄一郎

speaker_id: 29596

日付: 2022-11-17

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会