北神圭朗の発言 (憲法審査会)

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○北神委員 本日は、議員の任期延長について、これまでの審査会の議論を踏まえて、一つは合意できそうなもの、二つ目は調整すれば合意できそうなもの、三つ目にまだ議論の足りないものに分けて検討をしてみたいというふうに思います。既に岩谷委員さんからされましたけれども、最後に発言する者の悲しい宿命ということで、お許しをいただきたいと思います。
 最初に、合意できそうな論点はかなり多いというふうに思います。
 まず、対象とする緊急事態の範囲については、若干文言の違いはあるものの、実質ほぼ一致していると思います。玉木委員の限定列挙に加えて、相当するとか、維新の案だったら、匹敵するとか、そんな感じでいいと思います。まあ、私が決めたらあれですけれども、いいと思われます。
 また、任期延長を総選挙の適正な実施が長期間困難と明らかに見込まれる場合に限定することについても、恐らく一致しているのではないかと思います。
 有志の会の案は、選挙の一体性が害されるほど総選挙の適正な実施が長期にわたり困難であることが明らかな場合としています。ここの選挙の一体性という言葉は、公明党案の広範な地域、そして恐らく、日本維新の会案の特別の事情に含まれるのではないかと推察します。この一体性と長期間という条件は、公職選挙法上の繰延べ投票や参議院の緊急集会で対応できない場合に限って任期延長を活用するという意味で、非常に意義のある部分だと思います。
 これらの要件の認定機関を内閣とすることについては、完全に一致しています。国会の関与についても、議決要件を国会の三分の二以上の多数とすることも含めて、事前承認としていることも、皆様一緒です。国民民主党さんの例外的に事後承認というのは、また御説明いただければと思います。
 任期満了後あるいは解散後に緊急事態が発生した場合、いわゆる前議員の取扱いについては、公明党、日本維新の会は身分の復活、我々はみなし規定としていますけれども、法的効果に違いはないと思いますので、十分歩み寄れるというふうに思います。自民党さんはこれから検討されるということだと思います。
 いずれにせよ、前回申し上げたように、憲法第五十四条第一項にある、選挙期日は解散の日から四十日以内にするという規定は適用しないという手当ても併せてすべきだということを、再度指摘しておきます。
 最後に、議員任期延長以外の国会機能維持策、すなわち、国会の閉会禁止、あるいは即時召集、衆議院の解散禁止、内閣不信任決議案の議決禁止については、これも各党、基本的に一致しているのではないかというふうに思います。
 有志の会の考え方としては、内閣が発令をし、国会が任期延長を決議するわけですから、解散禁止とかいうのは言わずもがなということなので、あえて明文化する必要はないと考えていましたが、逆に、必ずしも反対するものではありません。憲法改正禁止の話も同じように考えています。
 次に、方向性は一致していながら細かいところを調整しないといけない論点は、任期延長の期間をどうするのかの一点ではないかというふうに思います。
 任期延長の期間に何らかの制限を設けることは、みんな一致しています。ただ、その制限の在り方が異なります。有志の会としては、一年間を上限にしつつ、国会の議決により再延長も可能としています。自民党は、一年以下あたりにするか、あるいはそもそも次の議会期開始までとするか、検討されるという意向を示していますが、一方で日本維新の会は、六か月経過したときに、憲法裁判所により憲法適合性を審査できるとしています。公明党さんは、七十日間で、再延長を可能としています。国民民主党さんは、これから具体案を出されるということです。
 ここのところは少し隔たりがありますので、詰める必要があるというふうに思います。
 なお、いずれにせよ、緊急事態の収束にめどがついて総選挙が実施できると判断された場合には、国会議決により延長されたその任期の期日、終了日を定めることを併せて規定することも御提言申し上げます。
 三つ目に、もう少し時間をかけて議論しなければならない論点も残っています。
 まず、司法の関与です。日本維新の会は憲法裁判所を、国民民主党と有志の会は最高裁判所を想定しています。これについて、前回、柴山幹事から、民主的基盤がない裁判所がどこまで関わることが正当とされるのか、よくよく慎重に考えなければいけないという、ごもっともな御指摘があります。
 そもそも、司法の関与が必要という議論は、たしか奥野委員が最初に提起されたというふうに思うんですけれども、議員が国民の判断を仰がずに任期延長を自ら決めるということは、権力の濫用につながるおそれがあるという懸念から生じています。内閣も基本的に国会議員で形成されている以上、司法に役割を担ってもらうのが一つの案だという考えであります。
 その上で、三権分立を重視すべきということはそのとおりでありますので、我々の案は、いずれかの議院における総議員の四分の一以上の申立てがあったときに限定をして、仮に最高裁判所が任期延長の決議が憲法に適合しないと判断された場合にも、国会に対して任期延長を終了するように勧告するという抑制の利いた権限にとどめています。
 他方、勧告といえども、最高裁判所にとっては、これまで予定していない権限、責任、そしてそれに伴う実務を課すことになります。現実の体制面でこうした対応が可能かどうか、最高裁判所の方や専門家にも意見を聴取する必要があるというふうに考えます。
 緊急政令等については、前回申し上げたとおり、緊急事態における国会機能の維持とは別次元の論点であり、また、不要あるいは消極的な考えもありますので、更に議論を重ねていかなければいけないというふうに考えます。先ほど浜地委員のおっしゃったことに我々有志の会も近い考え方で、前回もそういうことを提言させていただきました。
 以上、僭越ながら私なりに議論を整理させていただきましたが、各党に対する誤解があったらおわびを申し上げたいと思います。
 是非とも、だからこそ、本日の議論も踏まえて、より権威のある法制局さんに論点整理をしていただいて、本審査会の具体案作成に入るよう会長にお願い申し上げまして、私の意見とします。
 以上です。
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発言情報

speech_id: 121004183X00420221117_016

発言者: 北神圭朗

speaker_id: 4662

日付: 2022-11-17

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会