玉木雄一郎の発言 (憲法審査会)

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○玉木委員 国民民主党の玉木です。
 まず、論点整理していただいたことを、本当に感謝を申し上げたいと思います。
 一点だけ、これは新藤幹事の個人的なまとめではなくて、私も求めて、先週は開かずに幹事会をやって、意見の整理も、チェックもしたので、これはむしろ、個人的なメモではなくて、この審査会における意見の集約だということが正確な私は理解だと思いますので、そこは申し上げたいと思います。私も先週コメントして、それが反映されたものが今日出されていますので、これは我が党の考えということで結構でございます。
 その上で、今まで、議論しても、常に論点が拡散して同じことをいつも繰り返しているという批判がこの審査会にはつきまとってきましたけれども、コロナを経て、緊急事態にどう対応するのか、また、我が国を取り巻く安全保障環境が非常に厳しくなっているという中で、この緊急事態について一定程度、議論が非常に積み重なってきたことはよかったと思います。ですから、こうした論点整理ができたことは画期的だというふうに思っています。
 あとは、この中でも分かるように、一致点が非常に多い部分とまだ議論が分かれている部分が明確になりましたので、意見が分かれている部分について議論を更に深めて、できるだけ多くの論点で合意を得て、私は憲法改正の条文案作りに入っていくべきだと思いますし、国民民主党としても貢献をしたいと思います。
 その中でも、意見の分かれている幾つかの論点について、各会派の皆さんに質問をしたいと思います。今日は時間がないと思いますので、また今後の討論の中でお答えをいただきたいと思いますけれども、やはり一番意見が分かれているのは任期の延長期間の上限についてだと思います。
 まず、我々国民民主党の考えを改めて申し上げたいと思うんですが、結論から言うと、具体的な上限については党内でまだ決め切れていません。
 一つの考えは、東日本大震災のときに地方選挙の任期の特例を決めたときには原則六月、六か月というのが原則でしたから、これが一つ考え得る候補としてはあると思いますが、ただ、あの東日本大震災のときは、結果として延長しました。ですから、これは新藤幹事も言ったように、一年ということを置いておくことも合理的な理由があるかなと思います。
 加えて、我が党は、全国一斉の選挙の適正実施ができるまでは再延長が可能としており、同時に、可能となれば逆に延長任期を終了できるともしています。
 ただ、問題は、その判断を誰がするのかということについては現実的に考えておく必要があるなと思います。
 我が党の案では、議員任期の延長期間の決定は各議院の出席議員の三分の二以上の多数ということにしておりますけれども、ただ、特例延長中を含む緊急事態宣言中は内閣による衆議院の解散権を封じることとしていますので、延長や解除の決定に関して今度は内閣や司法がどう関与するのかは、全体のバランスを取って検討する必要があると思います。
 地方議員の任期特例延長法のように、例えば、何らかの形で中央選挙管理委員会の意見を聞く、こういった第三者の意見を踏まえるようなプロセスの導入も検討してはどうかと思います。
 なお、お手盛りを許さないという観点から、維新の案のように司法の判断に委ねることも一案だと思いますが、我が党の案は、任期の延長のときではなくて、そもそも緊急事態宣言を発令するという一番入口の段階で司法の関与を一定程度するようにして、ただ、それは、法的な効果を直接には認めず、勧告にとどめるということにしております。
 なお、裁判所が判断できないというような意見がありますけれども、我が党による最高裁による統制の関与の在り方は、緊急事態宣言が発せられた場合又は延長された場合に、いずれかの議院の総議員の四分の一以上による申立てがあったときに、最高裁がその要件が満たされているかどうかを審査するということになっているので、必ず最高裁が関与するということにもしていません。
 これはいいのかと議会側から、まさに今の臨時国会を開けというときの四分の一と同じように、それはちょっと違うんじゃないの、内閣はやり過ぎなんじゃないのということを、議会の側、四分の一が求めたときには最高裁が関与をする、そういうたてつけにしておりますので、いずれにしても、司法を、三権分立の中でどうこれを定めていくのかということは慎重な議論が必要だと思います。
 ちなみに、先ほど前川先生から、国会の事前承認ということに何でしているんだ、間に合わないじゃないかということを言われたんですが、これは自衛隊法七十六条の防衛出動の要件を参考にして書きました。つまり、防衛出動も、基本的には解散されていない限り国会の承認を得るということが原則になっているんですが、ただし、特に緊急の必要があるときには国会の承認を得ないで出動を命じることができるとなっているので、開かれていて取れるときは原則取った方がいい、民主的統制の観点から。ということで、原則事前承認、どうしてもいとまがないときは事後承認ということにしておりますので、お答えさせていただきたいと思います。
 その上で、以上申し上げた上で、まず自民党の新藤幹事に伺いたいのは、自民党では一年ということ、これも一つの考えだということを私は申し上げました。ただ、議員任期を次の議会の会期が始まるまでとすることも提案されているんですが、これは緊急事態に限った話なのか、平時においても同様に考えるのかというのは結構ポイントだと思うので、そこを教えてほしいなと。
 仮に、平時においても議員任期は次の議会の会期が始まるまでということにするのであれば、先ほど北側幹事からもありましたけれども、解散ということの意味が変わってくるんじゃないかなと思うんですね。つまり、解散ということによって議員の身分を失わしめるという効果がなくて、とにかく次の議会が開くまでは身分があるということであれば、解散ということに、内閣から議会に対して身分を失わせるということがなくなってしまうということであれば、三権分立の観点から問題が出てこないのかという論点です。
 ただ、これを取れば、新藤幹事がおっしゃったように、身分が復活するのではなくてそのまま続くとウクライナのような説明がしやすくなるのは、そうだと思います。ただ、解散ということが議会の身分を失わせるという、チェック・アンド・バランスの三権分立の観点からの機能を奪ったときに全体のバランスが崩れないのかというところの議論は必要だというふうに思います。
 次に、維新の前川さんや皆さんからおっしゃっていただいたことで、維新の案だと六か月となっている、この根拠を改めてもしよければ教えていただきたいのと、あと、六か月を経過したときに憲法裁判所による職権審査が可能となっているんですけれども、そもそも職権審査というのはどういう内容なのかということを教えていただきたい。あと、先ほどもあったように、やはりなかなか厳密に現状把握を憲法裁判所がするのは難しいのではないかという懸念はあるので、憲法裁判所の人員とか人材の在り方をどう考えているのかという、体制の具体的問題もこれは併せて考えなきゃいけないので、この点をどう考えているのか。
 あと、任期を延長したときに、ああ、もう大丈夫だといって解除するときも、やはり憲法裁判所の関与を求めることにするのかどうか。あるいは、国会が自ら判断をする、短くするときは特に濫用しないので、早く正常に戻るときには無理に憲法裁判所をかまさなくてもいいのか。ここをちょっと教えていただきたいなと思います。
 あと、公明党、有志の会の両者にお伺いしたいのは、公明党さんは七十日、先ほど北側先生からあったように、四十日、三十日ということなので、それを超えてやるときにはやはり必要である、これは我が党とも同じ考えです。有志の会の北神さんは、一年ということにしています。いずれにしても、この再延長や、あるいは、延ばしたんだけれどもそれほど必要ないよねと今度解除するときに、誰がどのような手続でそれを判断していくのかというところの手続、ここは具体的にどう考えればいいのかということは、両者にお伺いしたいというふうに思います。
 最後に、立憲民主党さんにお伺いしたいのは、先ほど中川先生からもありましたけれども、大体、立憲民主党以外の各会派は、緊急集会での対応というのは、解散時のみならず任期満了で選挙できないときも解釈によってはいけるんじゃないかという議論があっても、やはり七十日を超えるような長期にわたるところはさすがに憲法の要請を超えるんじゃないか、つまり、一時的、暫定的だと。ここは大体一致しているのかなと思うんですね。
 奥野さんが幾つか発言をされていますけれども、七十日を超えた長期に仮に緊急集会の対応が及んでも、それは、二院制を採用する憲法の趣旨や、まさに文言で書いてある、基本的には解散時だけですよという文言からの考え方という意味での立憲主義に反しないのか。もし、七十日を超えて延ばすということであれば、憲法上の根拠は一体どこにあるのか。こういったことを、もし今の時点で何か整理できているところがあれば教えていただきたいなと。
 あわせて、先ほど中川先生がおっしゃったことの中で私も非常に賛同するところがあって、なので、私は三月の二十四日の時点に、やはり緊急時においても侵してはならない権利は何なのかということは憲法に明示すべきだということを、多分この憲法審査会で初めてベニス委員会のことを紹介させていただいたのは私だったと思うんですが、これをやはりちゃんと憲法に書いた方が権利侵害を防げるんじゃないのかという考えなので、その点についての考え方も教えていただきたいなというふうに思っております。
 以上です。

発言情報

speech_id: 121004183X00520221201_015

発言者: 玉木雄一郎

speaker_id: 29596

日付: 2022-12-01

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会