2022-10-24
衆議院
川人貞史
政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会
川人貞史の発言 (政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会)
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○川人参考人 衆議院議員選挙区画定審議会会長の川人でございます。
本日は、発言の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
当審議会は、衆議院議員選挙区画定審議会設置法、いわゆる区割り審設置法の規定に基づき、去る六月十六日に内閣総理大臣に対し、衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定案についての勧告を行ったところであります。
今回の区割り改定は、衆議院に設置された衆議院選挙制度に関する調査会答申において、最高裁判決において求められている人口比例に基づく定数配分方式として望ましいものとされ、衆議院選挙制度改革関連法により平成二十八年に導入された、いわゆるアダムズ方式により行う初めての区割り改定でございました。
本日は、審議の経過と勧告の概要について御説明申し上げます。
まず、当審議会における審議の経過について御説明申し上げます。
当審議会としては、区割り審設置法の規定により、大規模国勢調査である令和二年国勢調査の結果に基づく区割り改定案の勧告については、国勢調査の速報値が官報公示された日から一年以内に行うものとされていたことを受け、昨年七月二日に審議を開始しました。
まず、全国二百八十九全ての選挙区について、現行の選挙区の人口や格差の状況、これまでの区割り改定の経緯などを確認するレビューを行いました。
この間、昨年十一月三十日に令和二年国勢調査人口の確定値が公表され、令和二年日本国民の人口が確定し、アダムズ方式による十増十減、格差二倍以上となる選挙区が確定しました。
次に、区割り審設置法第八条において、「審議会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、行政機関及び地方公共団体の長に対して、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができる。」とされていることを踏まえ、都道府県の行政、地勢、交通等全般に通じ、区割りについて都道府県全体を総合的に判断し得る視点を持っていると考えられる都道府県知事に対し、昨年十二月十四日に、現行の区割りなどについて意見照会を行い、回答をいただきました。
意見照会の際には、県内市町村の意見を聞くなど地域の実情を踏まえて意見を提出いただくようお願いしました。
いただいた知事意見では、特に、市町村合併等により分割された状態となっている市区町を有する都道府県のほぼ全てから、その解消を望む意見がございました。
その後、区割り基準や作業手順を定める区割り改定案の作成方針について、過去の区割り改定時のものを踏まえ、知事意見も参考としながら審議し、本年二月二十一日にこれを決定、公表いたしました。
この作成方針に基づいて、具体的な区割りの改定作業に入り、その後は、週一回程度のペースで審議会を開催し、審議を進めました。
当審議会としては、精力的に丁寧に審議を進め、三十五回にわたる審議を経て、六月十六日に区割り改定案を取りまとめ、同日、内閣総理大臣に対して勧告を行ったところです。
続きまして、当審議会が具体的な区割り改定案を作成するに当たり基本的な考え方を明らかにした区割り改定案の作成方針について御説明申し上げます。
区割り改定案の作成方針は、区割り基準と作業手順の二つから構成されております。
まず、区割り基準については、議員一人当たり人口の最も少ない県である鳥取県内の人口最少選挙区、すなわち鳥取二区を基準として、令和二年日本国民の人口において、選挙区間の人口格差を二倍未満とすること、選挙区は飛び地にしないこと、市区町村の区域は原則として分割しないこととし、市区の人口が人口基準の上限人口を超える場合等、やむを得ない一定の場合に限り分割すること、地勢、交通その他の自然的、社会的条件を総合的に考慮することなど、おおむね過去の区割り基準を踏襲しておりますが、今回については、特に、市区町村の分割基準について、分割解消により県内の最大格差が拡大する場合には分割を維持することとすること、選挙区の改定に当たっては、地勢、交通等を総合的に考慮することとし、第四十九回総選挙当日有権者数において格差二倍以上となっている状況も考慮することといたしました。
次に、作業手順については、具体的な区割り改定案の作成に当たっての作業手順を示したものであります。
具体的には、鳥取県については、各選挙区の人口格差二倍未満の基準となるため、他の都道府県よりも先行して審議を行い、区割り改定原案を作成すること、選挙区の数が増加することとなる五都県については、都県内の選挙区のうち、人口が最も多いもの、又は、人口が最も多いものから順に定数が増加する数までの順番にあるもの、すなわち一票の価値が軽い選挙区を順次手がかりとして改定案を作成すること、選挙区の数が減少することとなる十県については、県内の選挙区のうち、人口が最も少ないもの、すなわち一票の価値が最も重い選挙区を手がかりとして改定案を作成すること、選挙区の数に増減はないが、人口格差二倍以上の選挙区を有する二府県については、人口基準に適合するように改定案を作成すること、選挙区の数の増減がなく人口基準に適合していない選挙区のない二十九道府県については、区割り基準に照らし、必要な場合には所要の改定案を作成すること、作業の結果得られた区割り改定案が、合理的かつ整合性の取れたものになっているかどうかの総合的な検討を行うこととしました。
以上が、区割り改定案の作成方針の概要であります。
次に、勧告した区割り改定案の概要について御説明申し上げます。
最初に、都道府県別定数の異動についてですが、これは、区割り審設置法第三条第二項に規定されるいわゆるアダムズ方式により定まるものです。
令和二年日本国民の人口に基づき計算すると、東京都で五人、神奈川県で二人、埼玉県、千葉県及び愛知県でそれぞれ一人定数が増加、宮城県、福島県、新潟県、滋賀県、和歌山県、岡山県、広島県、山口県、愛媛県、長崎県の十県でそれぞれ一人定数が減少することとなり、当審議会は、この都道府県別定数を基に審議を行いました。
今回の改定案で変更される選挙区の数については、二十五都道府県で百四十選挙区となります。
その内訳は、選挙区の数が増加することとなる都県の区域内の選挙区として、五都県六十一選挙区、選挙区の数が減少することとなる県の区域内の選挙区として、十県四十五選挙区、格差二倍未満の人口基準に適合しない選挙区の改定に伴うものとして、大阪府、福岡県の二府県四選挙区、第四十九回総選挙当日有権者数で格差二倍以上となっている選挙区の改定に伴うものとして、北海道、兵庫県の二道県五選挙区、合併等による市区の分割を解消する改定に伴うものとして、茨城県、栃木県、群馬県、岐阜県、静岡県、島根県の六県二十五選挙区を改定することとしております。
人口最少選挙区との格差が二倍以上となる選挙区の数については、令和二年日本国民の人口で、現行では二十三選挙区ありますが、今回の改定案において全て解消しております。
最大人口格差については、令和二年日本国民の人口で、現行の選挙区では二・〇九六倍ですが、今回の改定案においては一・九九九倍となります。
改定案における分割市区については、現行では分割されている市区町は百五ありますが、その解消を求める意見が多くの都道府県から寄せられたことを踏まえ、大幅に解消し、三十二市区となります。現行では三つの選挙区に分割されている市区は五ありますが、これらの分割は全て解消します。
最後に、今回の区割り改定について総括的に申し上げれば、今回の区割り改定は、十年に一度の大規模国勢調査に基づく全都道府県の二百八十九全ての選挙区を対象としたものであり、いわゆるアダムズ方式による都道府県別定数の十増十減、格差二倍以上の選挙区の見直し、多くの都道府県から望まれていた分割市区町の解消などにより、改定される選挙区の数が現行選挙区二百八十九の半数近くに及ぶ過去最大のものとなりました。
また、改定案の作成に当たっては、地域のまとまりや選挙区の安定性、被災地の状況等にも配慮しながら、詳しく見直しを検討する必要がありました。
例えば、東京都などの都市部においては、前回の区割り改定では、定数を変えずに格差を二倍未満に収めるため、格差二倍以上若しくは二倍近くである選挙区が林立している中、多くの市区が分割されるなど複雑な区割りとなっておりましたが、今回は定数増もあったため、分割解消を求める知事意見も踏まえ、できる限り市区の分割を解消できるよう、地域のまとまりにも配慮しながら検討を行うことができました。
以上のように、鋭意、調査審議に努め、当審議会として最善と考える改定案を取りまとめたところであります。
何とぞ御理解のほどよろしくお願い申し上げます。
以上で、私からの審議の経過と勧告の概要説明を終わらせていただきます。