塩川鉄也の発言 (政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会)

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○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 日本共産党を代表して、意見表明を行います。
 日本の公職選挙法は、立候補や選挙運動に様々な規制を設けています。民主主義や国民の参政権の保障という点で重大な問題です。選挙権、参政権は、国民主権、議会制民主主義の根幹を成すものです。民主主義の土台を決める選挙制度は、国民の参政権に関わる問題であり、十分な議論と国民の合意を得ていくことが必要です。
 この間の選挙制度改革において、一部の政党で談合し、多数の力による押しつけが行われてきており、我が党は、全党全会派参加の下での協議とともに、主権者国民に開かれた議論を行うことを求めてきました。今回の自由討議がその一歩となることを願い、今後、当委員会に委員がいない少数会派も含め議論ができるように要望をいたします。
 国民の参政権は、候補者を応援し投票する権利だけでなく、自ら候補者となり政治に参加する権利も当然含まれています。
 二〇一六年の参議院選挙から、十八歳以上の若者も投票と選挙運動を行えるようになりました。しかし、十八歳からの投票と選挙運動だけにとどまり、被選挙権の引下げは盛り込まれませんでした。選挙権と被選挙権は一体として考えるべきであり、若者の政治参加を保障する上でも、被選挙権の引下げが必要です。
 巨額の供託金制度が、金を持っている人でなければ選挙に出られない立候補阻害要因として、主権者国民の被選挙権の行使を妨げていることは明らかです。
 二〇二〇年には、自民党などが町村議会議員選挙に供託金を導入しました。現在、町村議員のなり手不足が深刻となっているにもかかわらず、立候補に新たなハードルを設けるというのは筋が通りません。
 そもそも、供託金制度は、成り立ちそのものが民主主義に逆行する時代遅れの制度です。また、国際的に見て、こんなに高い供託金を取っている国はありません。制度そのものがない国が多く、廃止した国や、制度があっても数万円程度です。巨額の供託金は引き下げ、廃止へ進まなければなりません。
 日本は、選挙運動を行える期間が定められ、この期間以外は選挙運動が禁止されています。これは国際的に見てもまれな制限です。本来、選挙運動は政治活動の一部であり、日常的に行うものです。選挙運動期間の見直しが必要です。
 そもそも、選挙運動規制があっては、有権者が十分に政策比較できるとは言えません。誰が立候補し、どのような公約を出しているのか、有権者に候補者情報がきちんと伝わることが必要です。そして、有権者が、自分がいいと思った候補者の支持を周囲に広げていく活動が保障されなければなりません。
 日本のように戸別訪問を禁止している国はほとんどありません。日本では、立候補者だけでなく、支持者による戸別訪問も禁止されており、有権者と戸口で質疑や討論をすることもできません。戸別訪問の禁止は廃止しなければなりません。
 二〇一三年の参議院選挙からは、インターネットを利用した選挙運動が可能となり、ウェブやSNSを利用して投票を訴える選挙運動ができるようになりました。一方、実社会では、選挙期間になると候補者氏名が入ったビラ、ポスターが極端に減るといった配布規制を始め、立会演説会の禁止など、従来と変わらない規制や禁止規定が依然として残っています。ビラ、ポスターの規制を見直し、候補者討論会などが行えるようにする必要があります。
 国民、有権者の自由な選挙活動を妨げている規制をなくし、国民が主権者として自らの代表を選び、政治に積極的に参加していくため、選挙に気軽に多面的に参加できるよう、公職選挙法を抜本的に見直す必要があります。
 国民の参政権行使を保障するには投票機会の保障が不可欠であり、これなしに選挙権の保障はありません。また、投票や開票に不正があっては選挙無効になりかねず、ひいては選挙権を行使できなくなることになります。選挙権行使の保障と選挙の公正性の確保を同時に追求し、投票機会を最大限保障することが必要です。
 この二十五年間で投票所は六千七百七十か所も減り、三分の一の投票所が閉鎖時間を繰り上げ、二十時前に投票を締め切っています。期日前投票が増えているからといって、選挙当日の投票環境を後退させたままでよいとはなりません。有権者の投票機会を奪わないように、投票所そのものを増やし、閉鎖時間の繰上げを行わないようにする必要があります。
 国政選挙は、選挙権年齢以上の日本国民が、選挙権を有しているにもかかわらず投票できない事態が生じています。この間、一部改正を図りましたが、今後も、不在者投票、在外投票、洋上投票など、投票機会の保障を図る必要があります。
 住民票を異動せずに遠方に進学している大学生らの投票が認められないことが問題となっています。住民票異動の周知徹底は当然であり、当時の総務大臣も周知したいと表明しました。選挙権を保障する立場から、選挙権を有していても権利行使できない事態を解消するための協議を各党に呼びかけます。
 また、障害を持つ方、高齢の方が、投票所が遠い、バリアフリー化されていないなどの理由で投票所へ行きにくいという問題もあります。外出が困難な有権者の投票行動を制約させることがないよう、投票環境の改善を進める必要があります。
 コロナ下のような感染症拡大時においても、感染者を含め、全ての有権者の投票権を保障することが大原則です。自民党などは二〇二一年にコロナの特例郵便投票法を主導しましたが、知っている者だけが使える制度と言わざるを得ない状況であり、問題の多い制度です。感染症拡大のリスクを減らし、投票権を保障する方法を考えなければなりません。
 我が党は、選挙管理委員会が立会人と一緒に投票箱を持って車に乗り、施設や自宅など要望がある場所に行くことで投票ができる巡回投票を提案します。この方法であれば点字投票や代理記載も可能とすることができます。
 この間、選挙管理委員会の開票不正、選挙執行上のミスの増加、現憲法下でなかったことが立て続けに起こっています。選挙の正当性、公正性を担保するためにも、管理、執行、啓発に係る経費と選挙事務に従事する人員は十分に確保すべきです。
 選挙運動の課題を考える際、選挙制度そのものを切り離すわけにはいきません。民意を正確に反映した国会での徹底した議論を通じて国の進路を決めることこそが国民主権の議会制民主主義です。
 現行小選挙区制の最大の問題は、第一党が四割の得票で六割から八割の議席を獲得し、半数に上る、いわゆる死票を生み出すことです。民意と議席に著しい乖離を生み出す小選挙区制は廃止すべきです。私たちの声が届く国会ごとの国民の声に応え、参政権の点からも選挙制度は抜本的に見直し、多様な民意が正確に反映される比例代表を中心とした選挙制度にすべきです。
 国会議員定数の在り方は、国民の代表をどう選ぶかという選挙制度の根幹を成す問題です。定数削減によって、国民の代表で構成される国会の政府監視機能が低下することは明らかであり、切り捨てられるのは主権者国民の声です。理由も根拠も見出せず、これ以上の削減は難しいという二〇一六年の結論を無視し、定数を削減するなど、断じて許されません。
 以上、意見表明を終わります。

発言情報

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発言者: 塩川鉄也

speaker_id: 2437

日付: 2022-12-07

院: 衆議院

会議名: 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会