永岡桂子の発言 (文部科学委員会)

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○永岡国務大臣 皆様、おはようございます。文部科学大臣及び教育未来創造担当大臣の永岡桂子でございます。
 今後とも、宮内委員長を始め理事の皆様、そして委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 第二百十回国会において各般の課題を御審議いただくに当たり、一言御挨拶を申し上げます。
 まず、先般、倫理規程等に違反する供応接待等を受けた幹部職員の懲戒処分事案が発生したことは誠に遺憾です。再発防止策を講じ、服務規律の遵守の一層の徹底を図るとともに、引き続き省改革を推進し、文部科学行政に対する国民の信頼回復に向けて全力を挙げてまいる所存です。
 新型コロナ感染症は、いまだ収束に至っておりません。困難な状況の下で活動の継続に尽力されている全ての方々に、改めて敬意を表します。文部科学省が担う分野の歩みを止めないという強い決意で、引き続き、感染拡大の防止と、学びの継続を始めとした社会経済活動との両立に取り組んでまいります。
 旧統一教会に関しては、宗教法人法に基づく報告徴収、質問権の行使に向けた手続を進めるため、その基本的な考え方や基準の検討に速やかに着手するほか、関係省庁と連携して対応を進めてまいります。
 明治五年の学制発布から百五十年を迎えた本年九月、天皇皇后両陛下の御臨席の下、記念式典等を執り行いました。いつの時代も、教育は国家、社会の礎であり、発展の原動力です。新しい資本主義の柱の一つである人への投資を強化し、子供たち一人一人が自ら個性を磨き、創造性を伸ばし、国際社会で活躍できる心豊かな国民に成長するよう、教育振興、そして教育投資の充実に努めてまいります。
 全ての子供たちの可能性を最大限に引き出す令和の日本型学校教育の実現のためには、同一年齢、同一内容の学習を前提とした教育の在り方に過度にとらわれず、本年度から高等学校においても開始された新学習指導要領の下での、個別最適な学びと協働的な学びとの一体的な充実が不可欠です。
 質の高い教育を実現するため、教職員が安心して本務に集中できる環境づくりや、中央教育審議会の議論も踏まえた質の高い教師の確保に全力で取り組んでまいります。小学校三十五人学級の計画的整備や、高学年における教科担任制の推進、多様な支援スタッフの充実により、指導体制の一層の整備を図り、校務DXの加速を含め、学校における働き方改革を更に推進します。また、本年度実施の勤務実態調査の結果等を踏まえ、給特法等の法制的な枠組みを含めた教師の処遇の在り方を検討します。特別免許状の積極的な活用等を促進し、多様な専門性を持つ社会人が教職に就きやすい環境整備も進めてまいります。
 加えて、教育公務員特例法の改正を踏まえた、新たな教師の学びを実現する研修の高度化を進めます。また、GIGAスクール構想を力強く前に進めるため、運営支援センターの機能強化や教育委員会への積極的な支援により、一人一台端末活用の日常化を具体的に進めていきます。その際、デジタル教科書については、英語を始めとして全ての小中学校等を対象に提供し、児童生徒の学びの充実に向けて、活用を進めてまいります。
 普通科改革等による文理横断・探究的教育、産業教育の充実、通信制の質保証等の高校改革を推進します。
 初等中等教育から高等教育までを通じて理数系教育を一層充実するとともに、女子高校生の理系選択者の増加に向けた取組を推進します。
 幼児教育の質の向上も重要です。全ての子供に学びや生活の基盤を育むため、幼保小接続期のカリキュラム開発、実施等を進めてまいります。
 痛ましい通園バスの事故が二度と起こらないように、送迎バスの安全装置の義務化と支援措置を含む緊急対応策を関係省庁と連携し実行するとともに、通学路を含む学校安全の取組も推進してまいります。また、児童生徒等に対する性犯罪、性暴力の根絶に向け、生命(いのち)の安全教育の取組を進めるとともに、教育職員の性暴力等防止法を踏まえた取組を徹底してまいります。
 子供たちに豊かな学びを保障するため、社会が一体となって教育活動を支えることが必要です。まず、全ての学校での学校運営協議会制度の導入に向けた取組を加速してまいります。休日の部活動について、様々な課題に対応しつつ、地域の実情に合わせ、令和五年度から三年間をめどに地域移行に取り組みます。
 学校施設については、学びの場であるとともに、災害時には避難所ともなることから、教育環境の向上と老朽化対策とを一体的に進めます。
 ソサエティー五・〇に向けた人材育成やイノベーション創出の基盤として、大学や高等専門学校等への期待はますます高まっています。教育、研究、ガバナンスの一体的改革を推進し、教育研究基盤の強化を図ってまいります。
 デジタル、グリーンなどの成長分野を牽引する人材の育成は喫緊の課題であり、意欲ある大学等が成長分野への学部転換等の改革にちゅうちょなく踏み切れるよう、基金を念頭に継続的な支援策の創設を目指します。また、産業界や諸外国から高い評価を受け、創設六十周年を迎えた高等専門学校については、更なる機能の高度化、海外展開と国際化、地域の人材ニーズを踏まえた取組を進めます。
 社会人の学び直しを充実させ、新たなチャレンジができる社会を構築します。
 我が国の公教育を支える私立学校が今後も持続的な発展を遂げるため、社会の要請に応えつつ、学校法人自らが主体性を持って実効性ある改革を進められるよう、必要な制度改正に取り組みます。
 これらの政策の実現に向け、国立大学法人等の運営費交付金や施設整備費補助金、私学助成など基盤的経費を安定的に確保してまいります。
 総理を議長とする教育未来創造会議において取りまとめられた第一次提言の着実な実行に取り組むとともに、コロナ後のグローバル社会を見据えた人への投資の具体化に向け、新たな外国人留学生受入れと日本人学生等の海外派遣の在り方など、来春の第二次提言取りまとめを目指し、議論を進めます。
 不登校を始め、様々な課題を抱える子供たちを誰一人取り残さず、可能性を最大限に引き出すことが極めて重要です。また、子供をめぐる、複雑化し、多岐にわたる課題に対応する司令塔としてのこども家庭庁との連携も重要です。
 障害や日本語指導、貧困、不登校、虐待等の困難を抱える児童生徒、特異な才能のある児童生徒、僻地の児童生徒等については、不登校特例校及び夜間中学の全都道府県等での設置やその他特例制度の活用、オンライン指導、取り出し指導促進や実証研究の実施といった支援の充実を図ります。また、子供たちが安心して学校で過ごせるよう、医療的ケア児への支援の充実や養護教諭等の支援体制の強化を進めてまいります。また、本年六月に成立した法律に基づき、在外教育施設における教育を更に振興します。
 いじめ問題については、昨今も痛ましい事案が続いており、学校や教育委員会の対応が不十分であったと指摘される事例も見られます。これらの事態を大変重く受け止め、いじめにより子供たちが深く傷つくことがないよう、現場の状況も踏まえ、法律や基本方針等の理解の徹底を図るとともに、早期の組織的対応の徹底、関係機関との連携推進等を教育委員会に強力に指導し、必要な施策を講じてまいります。
 経済事情によらず、誰もが質の高い教育を受けられることは大変重要です。幼児期から高等教育まで切れ目のない形で、教育の無償化や負担軽減を着実に実施します。特に、学部段階の給付型奨学金と授業料減免の中間層への拡大や、ライフイベントに応じた柔軟な返還、納付、出世払いの仕組みの創設に向け、更に検討を進めます。また、現下の物価高騰の状況を踏まえ、各自治体における学校給食費等の保護者負担軽減に向けた取組を推進してまいります。
 本年二月、次期教育振興基本計画の策定について中央教育審議会に諮問を行いました。国内状況や国際環境の変化を踏まえた教育政策の方針をしっかりと検討してまいります。
 来年に富山県、石川県で共催されるG7教育大臣会合の準備を着実に進めてまいります。
 科学技術立国は、岸田内閣の成長戦略の重要な柱です。成長の原動力である科学技術イノベーションへの投資を力強く実行してまいります。
 近年、我が国の研究力は相対的に低下しており、研究力の強化が喫緊の課題です。
 このため、大学の研究基盤への長期的、安定的な支援が不可欠です。十兆円規模の大学ファンドの運用益による令和六年度以降の支援開始に向け、国際卓越研究大学法に基づき、基本方針を定め、年内に公募を開始するなど、世界に伍する研究大学の実現に向けた取組を着実に実施します。あわせて、地域の中核大学や、特定分野に強みを持つ大学の抜本的な強化等を図ります。
 科学技術イノベーションの担い手である若手研究者への支援を一層強化してまいります。博士後期課程学生への経済的支援の充実を図るとともに、博士号取得者が幅広く活躍できるキャリアパスの整備に取り組みます。
 また、持続的なイノベーションの創出には、学術研究、基礎研究の充実が極めて重要です。科学研究費助成事業、戦略的創造研究推進事業、創発的研究支援事業や世界トップレベル研究拠点プログラム等の充実、国際共同研究の抜本的強化等により、研究者の挑戦を支援してまいります。
 そうした研究の成果を社会に実装するため、産学官による共創の場の形成等を進めます。加えて、大学・高専発スタートアップを次々と創出する環境の整備や、社会に新たな価値を生み出す人材を育てる起業家教育の産学官による充実を図ります。
 研究施設・設備やデータの活用も重要です。次世代放射光施設ナノテラスなど、世界最高水準の大型研究施設の整備及び共用、次世代計算基盤の調査研究を進めるとともに、分野を超えた全国的な研究データ基盤の構築など研究DXを推進してまいります。
 社会課題の解決と重要技術の研究開発にも積極的に取り組んでまいります。
 二〇五〇年カーボンニュートラルの達成に向け、半導体や蓄電池、バイオものづくり等の革新的な環境・エネルギーに関する研究開発、ITER計画等の核融合研究のほか、高温ガス炉に係る研究開発、高速実験炉「常陽」の早期運転再開を含めた高速炉開発等の次世代革新炉に係る研究開発についても着実に取り組みます。
 また、AI等の情報科学技術、量子、マテリアル、再生・細胞医療、遺伝子治療といったライフサイエンスなど、重要技術の研究開発を戦略的に進めてまいります。
 将来の感染症危機に備え、国産ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成等を進めます。
 宇宙分野は、フロンティアとしてのみならず、新たな産業創出や安全保障の観点からも重要です。イプシロンロケット六号機の打ち上げ結果を重く受け止め、原因究明と対策を早急に講じるとともに、技術課題に果敢にチャレンジしてまいります。日本人初の月面着陸を目指したアルテミス計画を含む宇宙科学・探査や、H3ロケットなど我が国の基幹ロケットの開発、革新的将来宇宙輸送システムの研究開発等を進めてまいります。
 さらに、南海トラフの地震津波観測網の構築を含む防災分野の研究開発や、北極域研究船の建造を含む海洋・極域に関する研究開発、「もんじゅ」や「ふげん」の安全、着実かつ計画的な廃止措置等の原子力に関する取組を推進してまいります。
 こうした科学技術イノベーション分野においても、経済安全保障の推進が重要です。関係府省と連携し、先端的な重要技術の育成と、それらの技術を適切に守る取組とを車の両輪として進めてまいります。
 スポーツには、国民一人一人の人生を豊かにするのみならず、社会を変え、未来をつくり上げる力があります。
 東京オリンピック・パラリンピック競技大会のスポーツレガシーの継承、発展に向け、第三期スポーツ基本計画に基づく施策を着実に推進し、スポーツそのものの価値や社会活性化等への寄与といった価値を更に高め、スポーツ立国の実現を目指します。
 デジタル技術も活用し、アスリートの国際競技力向上やセカンドキャリア形成支援、学校体育の充実や地域における持続可能で多様な子供たちのスポーツ環境整備、国民のスポーツ実施率向上、スポーツ団体のガバナンスや経営力の強化、ドーピング防止活動等を通じたスポーツの誠実性、健全性、高潔性の確保等を進めてまいります。
 また、スポーツを通じた健康増進や経済活性化、地域振興や共生社会の実現に取り組みます。
 文化芸術は、人々の創造性を育み、生活を豊かにするとともに、地方創生の実現など無限の可能性を秘めています。困難な状況にある今こそ、人々の心を癒やし、勇気づける文化芸術の力が必要です。このため、ウィズコロナの下、文化芸術活動の再開、継続、発展を支援するとともに、子供たちの文化芸術体験の機会を充実します。さらに、日本各地で文化の振興を通じた経済、社会の活性化に取り組みます。
 本年四月に成立した改正博物館法を踏まえ、博物館機能強化を推進します。また、日本語教育機関の水準の維持向上等を図るための法案の提出に向けて検討を進めてまいります。
 日本博二・〇を推進するとともに、文化芸術のグローバル展開、国立劇場の再整備などの文化施設の機能強化、日本遺産を始めとした地域の文化資源の磨き上げ、地域一体となった文化観光の推進への支援や食文化の振興を進めてまいります。また、文化財の匠プロジェクトの推進、DXの進展に対応した著作権政策の充実等にも取り組みます。本年六月から、第二期文化芸術推進基本計画の策定に向けた議論を開始しており、幅広い文化芸術による国づくりを推進し、日本文化の魅力を国内外へ発信してまいります。
 佐渡島の金山については、ユネスコ世界文化遺産登録に向けた審査を確実に進めるため、推薦書の暫定版を改めて提出しました。高い文化的価値が評価され、登録が実現するよう、引き続き新潟県、佐渡市及び関係省庁と連携して取り組んでまいります。
 また、文化庁の京都移転については、来年三月の京都での業務開始に向け、着実に準備を進めます。
 東日本大震災から十一年半が経過しました。引き続き、就学支援や心のケア、学校再開支援を始め、復興を支える人材育成、文化財の復旧など、被災者の皆様に寄り添った復興に取り組みます。また、復興庁を中心とした福島国際研究教育機構の設立に協力するとともに、廃炉に関する研究開発や人材育成、原子力損害賠償にも着実に取り組みます。
 子供は国の宝、国の礎です。文部科学行政は、人を育み、人の英知や想像力を最大限に引き出すことにより、国民の皆様の人生を幸福で豊かなものにし、我が国の成長の源泉となるものであり、いずれも極めて重要です。私は、女性の視点、母親の視点を大切にしながら、できる限り現場に足を運び、その声にしっかりと耳を傾け、様々な課題に対して果敢に取り組んでまいります。引き続き、関係各位の御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。(拍手)

発言情報

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発言者: 永岡桂子

speaker_id: 33693

日付: 2022-10-21

院: 衆議院

会議名: 文部科学委員会