岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 泉健太議員の御質問にお答えいたします。
まず、北朝鮮への経済制裁についてお尋ねがありました。
我が国としては、国連安保理決議に基づく特定品目の輸出入禁止措置や資金移転防止措置等に加え、我が国自身の措置として、北朝鮮との間で全ての品目の輸出入禁止等の措置を取っており、北朝鮮への人、物、金の流れを厳しく規制する措置を実施してきています。
こうした対北朝鮮措置の効果を一概に申し上げることは困難ですが、北朝鮮の厳しい経済状況と併せて考えた場合、一定の効果を上げていると考えております。
引き続き、関連安保理決議の実効性を確保するとともに、我が国として取っている措置の実施を徹底していきます。
また、今般の北朝鮮のミサイル発射を踏まえ、米国を始めとする国際社会と協力しながら、北朝鮮に対し、安保理決議の下での全ての義務に従うことを求めていくとともに、更なる対応の在り方についても、状況を把握し、検証した上で議論を進めてまいります。
臨時国会召集に関する議員立法についてお尋ねがありました。
御指摘の法案の内容については、これまでも様々な議論があったことを承知しております。ただ、議員立法でありますので、これはまず国会において御議論いただくべきであると考えております。
そして、国葬儀のルール決定の場についてお尋ねがありました。
政府としては、今回の安倍元総理の国葬儀について検証を行うこととしています。まずは、幅広い有識者の方々から御意見を伺い、国葬儀について論点と意見を整理することから始めます。できる限り早期にこの整理をお示ししたいと思っています。
その上で、お尋ねは、超党派で今後のルールを決定する場を国会に設置すべきというものでありますが、国会に設置すべきかは国会でお決めいただかなければなりません。
そして、旧統一教会との関係等についてお尋ねがありました。
まず、私の政権においては、各閣僚等それぞれが旧統一教会との過去の関係を調査、説明し、新たな接点が判明した場合には、その都度、追加的に報告、説明を行い、今後は関係を持たないことを徹底すること、これを方針としております。
各議員は、それぞれ政治家として、多くの方々と接し、意見に耳を傾け、また自分自身の考えを説明し、御理解いただく活動をしております。各議員と旧統一教会との関係は個々の議員によって異なり、自民党内の特定のグループが旧統一教会とどのような関係を有したかについて、一概にお答えすることは困難であると考えております。
山際大臣については、過去、旧統一教会関係の接点があったこと、また、接点を点検した後も新たな過去の接点が報じられていることについて、できる限りの調査を行い、その結果を説明するとともに、これまでの反省に立って、今後は一切関係を持たないと述べていると承知をしています。理解を得られていないというのであれば、引き続き、政治家として自らの責任において丁寧に説明を尽くす必要があると考えております。
自民党の点検や公表の方法については、今、自民党において検討を続けておりますが、今後、国民の信頼を回復するため、また、旧統一教会との関係を持たないことを徹底するため、地方議員も含めて対応を徹底してまいります。
生活が厳しい世帯への給付金、金融緩和、そして円安についてお尋ねがありました。
まず、給付金の対象範囲についての御質問でありましたが、約一千六百万世帯と、全世帯数の約四分の一程度をカバーできるようにしており、家計への影響が大きい低所得世帯向けにプッシュ型で迅速に支援をお届けする、このようにした次第であります。
金融政策については、金融緩和の出口の考え方を含め、具体的な手法は日銀に委ねられるべきであり、日銀は、需給ギャップがプラスに転化をし、そして賃金が上がっていく中で物価が上がっていく形になれば、持続的、安定的に二%を達成できることになる、このように説明をしていると承知をしております。
また、為替レートの見通しについてコメントすることは控えなければなりませんが、足下の円安に対しては、インバウンドの回復や企業の国内回帰などにより、経済の活性化につなげることが重要だと考えております。
インボイス制度、無利子無担保融資の減免、農林漁業の支援の強化についてお尋ねがありました。
インボイス制度は、複数税率の下で適正な課税を確保するために必要なものであり、その円滑な移行を図る観点から、十分な経過措置を設けるとともに、円滑な実施に向けて、事業者の負担を軽減する支援や取引環境の整備を引き続き政府一体で連携して取り組んでいきます。
また、無利子無担保融資を含む債務の減免については、債務者間の公平性やモラルハザード等に配慮する必要があり、個別の事案に応じて、事業者の返済負担を軽減できる取組を活用しながら、適切に支援していきます。
穀物などの価格高騰に対しては、国産小麦の生産拡大や国産材への転換支援、高騰する燃料、肥料、飼料の対策などを実施してきており、今後、化学肥料への依存度引下げ、農産物や肥料、飼料の国内生産を通じた食料安全保障の確保などに取り組みます。
また、旧戸別所得補償制度については、米への助成を基本にするならば、需要ある作物への転換が進まないなどの問題があると考えており、今後も日本型直接支払い等を適切に実施してまいります。
後期高齢者の窓口負担についてお尋ねがありました。
二〇二五年にかけて団塊世代が後期高齢者となる中、負担能力に応じて、全世代で、増加する医療費を公平に支え合う仕組みの構築は待ったなしの課題です。
今回の見直しは、現役世代の負担上昇を抑える観点から、負担能力や家計への影響を考慮した上で、一定の収入以上の方々についてのみ、必要な配慮措置を設けつつ、その窓口負担を二割とするものです。
御党の対案にあった保険料の賦課限度額の引上げについては、国会の附帯決議でも、これを含めた総合的な議論を行うこととされており、全世代型社会保障構築会議を受け、厚生労働省の関係審議会において、高齢者の保険料賦課限度額や高齢者医療制度への支援金の在り方について総合的に議論してまいります。
そして、新型コロナ対策についてお尋ねがありました。
今年の夏は、国民お一人お一人が基本的な感染対策を徹底してくださったおかげで、三年ぶりに緊急事態宣言等の行動制限を行わずに過ごすことができました。
一方で、オミクロン株が主流となった本年七月から九月までの感染拡大に際しては、約一千百万人が感染し、一万人以上の方がお亡くなりになられました。御家族の皆様方に心よりお悔やみを申し上げます。引き続き、国民の安心、安全のために努力を続け、責任を果たしてまいりたいと思います。
医療提供体制については、最大確保病床約五万床のフル稼働に向けた対応など、病床や救急医療の逼迫の回避に向けて累次にわたる対策を行った結果、第七波における確保病床使用率は、療養状況調査によれば、全国平均で重症病床において最大三五%、コロナ病床全体でも最大六二%と、必要な入院医療を提供することができたと考えております。
いわゆる後遺症についても、まずは、かかりつけ医につなぐことが重要であり、リーフレットなどにより周知を行ってまいりました。また、診療の手引により職場復帰の支援についてお示ししているほか、患者の状態に応じて必要な就労、福祉施策につなげてまいります。
御党の感染症法等の改正案については、国会での御審議の結果、否決されたものであると承知をしております。政府としては、次の感染症危機に備え、法律に基づき機動的かつ効果的な緊急時対応が可能となるよう、感染症法等の改正案を今国会に提出することとしており、国会で御議論をいただきたいと考えております。
エネルギー政策についてお尋ねがありました。
資源が乏しく、周囲を海で囲まれた我が国において、単一の完璧なエネルギー源がない現状では、多様なエネルギー源をバランスよく活用することが重要です。二〇五〇年カーボンニュートラルに向けては、再エネ、省エネ、原子力、水素、アンモニア、CCUSなど、あらゆる選択肢を追求していきます。
まずは、再エネについて、国民負担の抑制と地域との共生を図りながら最大限の導入に取り組むとともに、省エネについては、規制・支援一体型で、高効率機器の導入や住宅の断熱改修等を進めていきます。
原子力については、いかなる事情よりも安全性が最優先であり、自然災害への対応も含め、今後とも、独立性の高い原子力規制委員会が厳格に規制を行っていく方針に変わりはありません。
我が国に対する武力攻撃が発生するという事態は、原発の規制の問題ではなく、我が国自身の防衛の問題です。原発へのミサイルによる武力攻撃に対して、イージス艦やPAC3など我が国の防衛力により対応するほか、日米で共同して対処してまいります。
また、原子力発電所の再稼働により、電力需給逼迫が緩和されるとともに、電力価格上昇が抑制されると考えており、設置変更許可済みの七基の再稼働については、来年以降、できるだけ早期に目指してまいります。また、革新軽水炉、小型軽水炉等の次世代革新炉の開発、建設を含むあらゆる選択肢については、年末に向け、専門家による議論の加速を指示したところであります。
少子化対策についてお尋ねがありました。
児童手当の年収一千二百万円以上の方に対する特例給付の見直しについては、様々な意見があることは承知しておりますが、長年の課題である待機児童問題の解決を図ることと併せて、子育て支援全体のバランスとニーズを踏まえた中での対応であると承知をしております。
妊娠、出産支援、子育て支援については、これまでも、保育の受皿整備や幼児教育、保育の無償化、また不妊治療の保険適用など様々な施策を進めてきたところであり、今後、全世代型社会保障構築会議において、年末に向けて議論を進めてまいります。
若年妊娠については、自治体がSNSやアウトリーチによる若年妊婦への相談支援などを民間団体に委託する場合に、その費用を補助しております。
性教育については、自民党において、国民や専門家などの様々な意見を聞き、丁寧な議論が積み重ねられてきたと承知をしております。学校における性に関する指導については、個々の生徒間で発達段階の差異も大きいこと等から、全ての子供に共通に指導するべき事項ではないという趣旨の規定が学習指導要領に設けられておりますが、一人一人の児童生徒の発達段階を踏まえつつ、教育活動全体を通じて指導の充実に努めてまいります。
家族の在り方が多様化している中で、子供政策を実施していくには、子供を中心に考えることが重要であり、子供の健やかな育ちを支える観点を踏まえながら政策に取り組んでまいります。
日中外交、日米外交についてお尋ねがありました。
日中両国間には、様々な可能性とともに、数多くの課題や懸案が存在します。同時に、日中両国は、地域と世界の平和と繁栄に対して大きな責任を有しています。
日中首脳会談については現時点で決まっていることはありませんが、中国とは、主張すべきは主張し、責任ある行動を求めつつ、諸懸案も含め、対話をしっかりと積み重ね、共通の課題について協力するという建設的かつ安定的な日中関係を日中双方の努力で構築してまいります。
日米地位協定については、これまで、手当てすべき事項の性格に応じて、効果的かつ機敏に対応するにはいかなる方法が最も適切かという観点から対応してきましたし、これからもそうしてまいります。
例えば、御指摘の感染症分野については、既存の日米合同委員会合意に加え、本年一月には日米合同委員会の下に検疫・保健分科委員会を新たに設置し、日米間で緊密にやり取りを行っています。
また、環境分野については、日米地位協定の環境補足協定を二〇一五年に締結し、環境基準や立入りについて、法的拘束力のある国際約束という形で規定を設けました。
政府としては、引き続き、感染症や環境分野の問題を含め、日米で緊密に連携し、一つ一つの具体的な問題に適切に対応してまいります。
防衛費に対し、対GDP比、財源、規模、内容についてお尋ねがありました。
安全保障環境を維持するためには、NATOを含めた各国が経済力に応じた相応の防衛費を支出しており、我が国としても、国際社会の中で安全保障環境の変化を踏まえた防衛力の強化を図る上で、GDP比で見ることは指標として一定の意味があると考えています。
我が国防衛力の五年以内の抜本的強化に必要となる防衛力の内容の検討、そのための予算規模の把握及び財源の確保、これらを一体的かつ強力に進め、予算編成過程で結論を出します。国会でこうした数字を示すということについては、こうした議論を踏まえた上で、来年度予算としてお示しをしていきたいと思っております。
台湾有事についてお尋ねがありました。
我が国の対応は個別具体的な事態の状況によって決まるものであり、現時点で断定的にお答えすることは控えなければならないと思いますが、いずれにせよ、憲法、国際法、平和安全法制を始めとする国内法令に従い、具体的な対応を考えていきます。
その上で、台湾海峡の平和と安定は、我が国の安全保障はもとより、国際社会の安定にとっても重要です。台湾をめぐる問題が対話により平和的に解決されることを期待するというのが我が国の従来からの一貫した立場であります。
いわゆる反撃能力についてお尋ねがありました。
国民の命や暮らしを守るために十分な備えができているのか、あらゆる選択肢を排除せず、現実的な検討を加速しています。この検討は、これまでるる申し上げてきたとおり、憲法、国際法の範囲内で、日米の基本的な役割分担を維持しつつ進めることには変わりはありません。
また、国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議については、会議の議事要旨を公表すると座長の決定がなされており、できるだけ速やかに議事要旨を公表したいと考えております。(拍手)
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