岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 西村智奈美議員の御質問にお答えいたします。
 旧統一教会の問題についてお尋ねがありました。
 「旧統一教会」問題関係省庁連絡会議が設けた合同電話相談窓口には、金銭トラブルについて約九百件の相談が寄せられました。その金額についてはあくまで自己申告によるものであること、被害金額を認識していない方や重複して相談されている方もいると考えられることから、その総額について確定はしておりませんが、相談件数の多さなどを考慮し、まずは、相談集中強化期間を延長し、合同電話相談窓口を継続いたします。
 また、相談内容は金銭的トラブルが多数を占め、これらは法的に複雑な問題であるため、法律の専門家による支援につなげる相談窓口を法テラスに新設するとともに、家庭崩壊などの被害者の様々な相談に対応できるよう、法テラスと消費生活センターを中心に、各相談機関が連携してネットワークをつくり、総合的な相談体制を構築いたします。
 その上で、今後、同様の被害の発生を防ぐため、消費者庁の有識者検討会議の議論や合同電話相談窓口に寄せられた相談内容も踏まえつつ、霊感商法等に関して、不当な勧誘があった場合の取消し事由の拡大、取消権の行使期間の延長など、消費者契約に関する法令等の見直しの検討を加速し、早急に結論を得るよう、河野担当大臣に指示をしたところであります。
 旧統一教会に対する政府の認識と解散命令の請求についてお尋ねがありました。
 いわゆる旧統一教会については、悪質商法に関する問題、親族の入信に起因する家族の困窮の問題等、様々な問題が指摘されていると承知をしており、このような状況を踏まえて、社会的に問題が指摘されている団体であると認識をしております。
 このため、政府としては、「旧統一教会」問題関係省庁連絡会議を設置し、悪徳商法などの不法行為の相談や被害者の救済を目的として、合同電話相談窓口を設けるなどして、悩みを抱えている方々から幅広く相談を受け付けているところです。
 また、社会的に問題が指摘されている団体に関して、政府としては、関係法令との関係を改めて確認しながら、厳正に対応していくこととしております。
 その際、信教の自由を保障する観点から、宗教法人の法人格を剥奪するという極めて重い対応である解散命令の請求については、判例も踏まえて慎重に判断する必要があると考えております。
 旧統一教会との関係や政策決定への影響等についてお尋ねがありました。
 まず、私個人は、知り得る限り、旧統一教会との関係はありません。その上で、御指摘の後援会長についても、旧統一教会と少しでも関係がある団体に関連しているとの認識はなかったと聞いております。
 また、御指摘の安倍元総理及び菅元官房長官による官邸への招待については、当時の入邸に関する記録は残っておりません。
 政府の政策決定に当たっては、幅広く国民の皆様の意見や要望を聞くとともに、関係省庁、有識者、専門家、議員等の議論など様々なプロセスを経て政策を決定しており、御指摘は当たらないと考えております。
 旧統一教会との関係について果たすべき説明責任や信頼回復のための各般の取組、平成二十七年の旧統一教会の名称変更の経緯についてお尋ねがありました。
 まず、私の政権においては、各閣僚等それぞれが旧統一教会との過去の関係を調査、説明し、新たな接点が判明した場合には、その都度、追加的に報告、説明を行い、今後は関係を持たないことを徹底すること、これを方針としています。自民党においても、それぞれの議員がこの方針遵守を徹底し、これを担保するためのチェック体制を構築してまいります。
 宗教法人法上、名称の変更のための規則変更については、所轄庁の認可ではなく、認証による制度とされています。このため、宗教法人から規則変更の認証申請を受理した場合、所轄庁は、変更しようとする事項が法令に適合しているかなど宗教法人法に定める要件を審査し、その要件を備えていると認めたときは認証する旨の決定を行う必要があります。
 本件規則変更の認証申請についても、所轄庁として、当該申請の内容が法令に規定した要件を備えていることを確認し、認証の決定を行ったものであり、政治家や大臣の政治的な関与はなかったと認識をしております。
 政治家と旧統一教会との関係についての調査や旧統一教会に関する被害についてお尋ねがありました。
 当該団体との関係については、それぞれの議員が政治家の責任において丁寧に説明を尽くす必要があります。その際、当該団体は長年にわたり多様な組織形態や名称の下で様々な活動を展開しており、個々の議員が全ての接点を一義的、網羅的に把握し切れない場合があることも事実です。だからこそ、新たな接点が判明した場合には、速やかに報告、説明するとともに、未来に向かって当該団体と関係を持たないことを徹底することが大切であると考えております。
 旧統一教会に関する被害については、関係省庁連絡会議が設けた合同電話相談窓口等に寄せられた相談内容を踏まえ、相談体制の充実強化を図るなど、行政による支援をしっかりと行ってまいります。
 なお、国会による調査という御質問でありますが、これは国会における取組でありますので、国会で御議論いただくべきものであると考えております。
 新しい資本主義、そして格差の是正についてお尋ねがありました。
 新しい資本主義は、社会課題を成長のエンジンへと転換し、成長を実現するとともに、持続可能性を実現いたします。その成長の果実を分配し、更なる成長へつなげることにより、成長と分配の好循環を推進し、分厚い中間層の形成を目指します。
 このためには賃上げが不可欠であり、所信表明演説においても、新しい資本主義の旗印の下で、構造的な賃上げを重点分野の一つとして掲げ、正面から果断にこの実現を目指すこととしております。
 また、将来を担う子育て、若者世代に焦点を当て、賃上げに加え、男女が希望どおり働ける社会づくり、勤労者皆保険制度などにより、その世帯所得の大幅増を目指しております。
 さらに、中間層の将来の生活の備え等のために、長期投資による資産形成を実現し、分厚い中間層の形成に貢献すべく、本年末までに資産所得倍増プランを策定いたします。
 こうした所得向上の取組に加え、物価高対策においても、低所得者層向けの給付金を措置するなど、格差や貧困について積極的な対応を講じており、逆走しているとの御指摘は当たりません。今後も格差や貧困の課題に取り組んでまいります。
 なお、金融所得に対する課税の在り方については、令和四年度の与党税制改正大綱において、様々な観点を踏まえ、総合的に検討していくこととされております。優先順位を定め、成長と分配の好循環をつくり上げるために、具体的な政策をどう進めていくのか、引き続き議論してまいります。まずは、人への投資や賃上げなどを最優先に政策に取り組むことが重要であると考えております。
 介護職員、保育士等の処遇改善、労働移動の円滑化についてお尋ねがありました。
 介護職員、保育士等の処遇改善に取り組むため、介護や保育の現場で働く方々の給与を本年二月から恒久的に三%程度引き上げるための措置を講じました。今後も、公的価格評価検討委員会の中間整理を踏まえ、見える化を行いながら、現場で働く方々の処遇改善や業務の効率化、負担軽減を進めてまいります。
 また、私が述べた労働移動の円滑化とは、労働者が主体的に成長分野の企業、産業への転職を可能とする取組であり、労働者に不利な雇用の不安定化を意図するものでは全くありません。労働者が主体的に安心して労働移動できるよう、リスキリング、すなわち成長分野に移動するための学び直しへの支援策の充実などに取り組んでまいります。
 高度プロフェッショナル制度についてお尋ねがありました。
 高度プロフェッショナル制度は、働き方改革の一環として、高度の専門的知識を有し、職務の範囲が明確で、一定の収入要件を満たす労働者を対象としており、過半数が年収が上がった、八割以上が希望したと回答するなど、意義があったと承知をしております。
 他方、制度が適正に運用されることは重要であり、高度プロフェッショナル制度を導入した全ての事業場に対し、労働基準監督署が監督指導を実施し、健康確保措置の実施状況や労働者の同意が適正に行われたかを含めて確認し、不適正な運用となる場合にはこれを是正させるなど、引き続き、制度の適正な運用を図ってまいります。
 労働基準監督官の定員についてお尋ねがありました。
 労働基準監督官については、厳しい定員事情の中にあっても一定の人員を確保するとともに、効果的かつ効率的な監督指導を通じて長時間労働等の防止に努めてきたところです。
 さらに、同一労働同一賃金の徹底など緊要性の高い行政需要に迅速かつ適切に対応するため、労働基準監督官の役割はますます重要であり、その増員を含め、必要な体制整備を図ってまいります。
 通園バス内の置き去り事故についてお尋ねがありました。
 今回の大変痛ましい事故を踏まえ、政府として、二度とこうした悲劇を繰り返すことがないよう、送迎バスの安全装置の義務化と支援措置を含む緊急対応策を講じてまいります。
 なお、昨年の事故後について、各施設において安全管理を徹底するよう周知が行われ、指針を策定した都道府県もあると承知をしております。数については今現在把握しておりませんが、引き続き、こうした取組を促してまいりたいと思っています。
 また、御指摘の法案については、提出された後、国会で協議いただくものと思われますが、政府としては、できるだけ早く、義務化と支援措置など実効的な対策を実施していくことが重要であると考えております。
 幼児教育、保育人材の確保も重要な課題と考えており、こども政策担当大臣を中心に、関係府省が引き続き連携しつつ取り組んでまいります。
 北海道でのモータースポーツ体験イベントで発生した事故についてお尋ねがありました。
 今回の事故でお亡くなりになられたお子様に対し、心より哀悼の意を表しますとともに、御家族の皆様に心よりお悔やみを申し上げます。
 人が死傷する事案については、それが過失により発生したものであったとしても、従前より、刑法の業務上過失致死傷罪等による処罰の対象とすることによりその予防を図ってきたところであり、必要な法制度が設けられているものと考えております。
 いずれにしても、今回の事故については、北海道警察において厳正に捜査を行っているものと承知しており、まずはその捜査を見守ってまいりたいと考えております。
 そして、点検についても御質問がありました。
 私が以前、消費者行政推進担当大臣であった時期に、当時、公園の遊具等、子供の施設の安全について全国で点検を実施した経験があります。今回についても、何ができるか検討していきたいと考えております。
 そして、多様性のある社会についてお尋ねがありました。
 性的指向、性自認を理由とする不当な差別や偏見はあってはならないと考えており、政府としては、多様性が尊重され、全ての人々がお互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受できる共生社会の実現に向け、引き続き、様々な国民の声を受け止め、しっかりと取り組んでまいります。
 演説において多様性の内容を全てお示しすることが困難であることは御理解いただけるものと思いますが、所信表明演説で述べた多様性の中には、性的指向、性自認の多様性も含まれています。
 また、政府の政策決定に当たっては、幅広く国民の意見や要望を聞くとともに、関係省庁、有識者、専門家、議員等の議論など様々なプロセスを経て政策を決定しており、御指摘は当たらないと考えております。
 選択的夫婦別氏制度の導入については、現在でも国民の間に様々な意見があることから、しっかりと議論をし、より幅広い国民の理解を得る必要があると感じております。
 また、同性婚制度の導入については、我が国の家族の在り方の根幹に関わる問題であり、極めて慎重な検討を要するものであると考えております。
 知床遊覧船事故についてお尋ねがありました。
 今般の事故を起こした事業者に対しては、昨年の運輸局の監査で、運航記録簿等を確認したにもかかわらず、事業者の安全意識の欠如等を十分把握できていなかった、また、日本小型船舶検査機構の検査で、事業者からの申出に基づいて連絡手段の変更を認めたとの報告を受けています。
 これらの対応は手続上は当時の内規に沿って行われたことから、担当職員等に対する処分などは行われていませんが、当時の内規自体に問題があったとして、当時の内規等については見直しを行っていく必要があると考えております。
 今回のような痛ましい事故を二度と起こさないよう、国土交通省において、有識者から成る検討委員会での検証、検討を踏まえ、内規等の見直しを行うとともに、監査の強化や船舶検査の実効性向上対策等を既に行ったところです。今後、年末に向けて更に検証、検討を進め、総合的な安全対策に取り組んでまいります。
 また、海難救助に関する海上保安庁の体制強化について、より迅速な人命救助を可能とするため、機動救難士が配置されていない航空基地への機動救難士の配置等、今後、適切に体制強化に取り組んでまいります。
 普天間飛行場の辺野古移設についてお尋ねがありました。
 世界で最も危険と言われる普天間飛行場が固定化され、危険なまま置き去りにされることは、絶対に避けなければなりません。これは、地元の皆様との共通認識であると思います。
 米国とは、閣僚間を含め様々なレベルにおいて、日米同盟の抑止力の維持と普天間飛行場の危険性の除去を考え合わせたとき、辺野古移設が唯一の解決策であるという方針について、累次にわたり確認をしてきているところです。
 引き続き、地元の皆様の御理解を得る努力を続けながら、普天間飛行場の一日も早い全面返還の実現に全力で取り組んでいきます。
 なお、具体的な沖縄振興予算の額は、必要な予算を積み上げて決定されるものであり、基地問題とは直接関係してはおりません。いずれにせよ、強い沖縄経済をつくるための取組を着実に進めてまいります。
 安倍元総理の国葬儀の決定や家族葬での自衛隊の儀仗についてお尋ねがありました。
 先週執り行った安倍元総理の国葬儀は、国内外から多数の参列があり、数多くの方々の弔意に応える厳粛かつ心のこもったものとなりました。国葬儀の参列者が約四千二百人、一般献花者も二万五千人を超え、また、海外からは二百十七の国、地域、国際機関から七百三十四人の参列者がありました。海外からお越しになった多くの参列者の方々から寄せられた弔意に対し、礼節を持って丁寧にお応えすることができたと考えております。
 その上で、国葬儀に関しては、国民の皆様や各党各派から様々な御意見、御批判をいただいたことは真摯に受け止めなければならないと考えており、今後、今回の国葬儀について検証を行うこととしております。
 また、安倍元総理の家族葬での儀仗は、法令に基づき、御家族の意向を踏まえ、防衛大臣の定めにより実施されたと承知をしています。なお、例えば鈴木善幸元総理の逝去に際しても、合同葬に加えて、地元でのお別れ会において儀仗が実施されたと承知をしております。
 拉致問題についてお尋ねがありました。
 政府としては、田中さんや金田さんを含む北朝鮮による拉致被害者や拉致の可能性を排除できない方についての情報収集等の具体的な内容については、今後の対応に支障を来すおそれがあることからお答えすることは差し控えてきており、この立場は引き続き維持すべきものであると考えております。
 その上で、最重要課題である拉致問題について、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で取り組みます。私自身、条件をつけずに金正恩委員長と直接向き合う決意であります。
 そして、内閣総理大臣秘書官の人事についてお尋ねがありました。
 個別の人事について詳細はお答えを差し控えますが、政権発足から一年という節目を捉え、適材適所の観点から総合的に判断をしたものであります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣山際大志郎君登壇〕

発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2022-10-05

院: 衆議院

会議名: 本会議