岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 馬場伸幸議員の御質問にお答えいたします。
新たな国家安全保障戦略等の策定についてお尋ねがありました。
国家安全保障戦略等に関する御党の見解は、政府・与党内で検討を進めるに当たっても大変参考になるものだと感じています。
新たな国家安全保障戦略等について閣議決定前に御党と議論を行うという御提案については、公党党首間でのやり取りも含め、建設的なものとして受け止め、検討させていただきます。
セキュリティークリアランスとスパイ防止法についてお尋ねがありました。
いわゆるセキュリティークリアランスについては、経済安全保障推進法の衆参両院の附帯決議で示され、また、骨太の方針二〇二二に示したとおり、重要な課題の一つであると認識をしております。まずは、実際にクリアランスが求められる具体的事例の把握、検証などを行っていきたいと考えております。
いわゆるスパイ防止法の必要性については、様々な議論があると承知しておりますが、国の重要な情報等の保護を図ることは極めて重要であり、必要な取組の充実強化に努めてまいります。
そして、外国資本の土地取得についてお尋ねがありました。
重要土地等調査法は、重要施設等に対する機能阻害行為を防止することを目的として、まずは、その拠点となり得る土地等の利用実態について調査を行います。その上で、特別注視区域においては、土地等の所有権移転等に際しての事前届出が義務づけられます。
これに加え、必要に応じた利用規制を適時適切に行うことにより、実効性の確保に努めてまいります。
いずれにせよ、まずは、本法に基づき、指定区域内の土地等の所有、利用状況の実態把握に努め、本法の執行を着実に進めるとともに、執行状況を踏まえて、更に何が必要なのか、不断に検討してまいります。
憲法改正についてお尋ねがありました。
私自身、総裁選挙等を通じて、任期中に憲法改正を実現したいということを申し上げてまいりました。こうした考えは、いささかの変わりもありません。
さきの第二百八回国会において、衆議院、参議院合わせて二十回を超える憲法審査会が開催され、御党を含め、近年になく活発に御議論いただいたことを歓迎したいと思います。
内閣総理大臣の立場からは、御党の御提案の個別的内容も含め、憲法改正についての議論の進め方や内容について直接申し上げることは控えなければならないと思いますが、憲法改正は最終的には国民の皆様による御判断が必要であり、そのための発議に向け、本国会においても、与野党の枠を超えて、更に積極的な議論が行われることを心から期待いたします。
安倍元総理の国葬儀の実施、法的根拠及び御党提出の国葬儀法案についてお尋ねがありました。
安倍元総理の国葬儀については内閣府設置法及び閣議決定を根拠として執り行ったところであり、国の儀式を行うことは立法権にも司法権にも属さず行政権の範囲に含まれていると考えられ、このことは内閣府設置法第四条第三項で明らかになっているところであり、これまでも繰り返し御説明させていただいてきたところであります。
他方、国葬儀に関しては、国会や国民への説明の在り方も含め、様々な御意見、御批判をいただいたことは真摯に受け止めなければならないと考えております。
今後、国民のより幅広い理解を得て国葬儀を実施することができるよう、政府としては、今回の国葬儀について検証を行うこととしています。まずは、幅広い有識者の方々から御意見を伺い、国葬儀について論点と意見を整理することから始めます。できる限り早期にこの整理をお示しした上で、今後、内閣総理大臣経験者の国葬儀の実施については、国会との関係など、どのような手順を経るべきなのか、一定のルールを設けることを目指してまいります。
その際、政府のお示しする整理を素材として、与党はもちろん、国会においても党派を超えて御議論いただき、国民各層の幅広い理解を得ることができるように努めてまいります。
お尋ねの法案については、法案でありますので、まず国会において御議論いただくべきものであると考えております。
そして、旧統一教会問題に関する被害者の救済と消費者契約に関する法令等の改正についてお尋ねがありました。
「旧統一教会」問題関係省庁連絡会議においては、九月五日から三十日までの間を相談集中強化期間と位置づけ、合同電話相談窓口を設けるなどして相談対応を行いましたが、引き続き多くの相談が寄せられていることなどを踏まえ、その期間を延長し、合同電話相談窓口を継続することといたしました。
また、寄せられた相談内容は金銭的トラブルが多数を占め、これらは法的に複雑な問題であるため、法律の専門家による支援につなげる相談窓口を法テラスに新設するとともに、親族間の問題や心の悩みなど様々な相談に対応できるよう、法テラスと消費生活センターを中心に、各相談機関が連携してネットワークをつくり、総合的な体制を構築してまいります。
さらに、消費者庁の有識者検討会の議論や合同電話相談窓口に寄せられた相談内容を踏まえつつ、霊感商法等に関して、不当な勧誘があった場合の取消し事由の拡大や取消権の行使期間の延長など、消費者契約に関する法令等の見直しの検討を加速し、早急に結論を得るよう、河野担当大臣に指示をしたところであります。
このように、政府としては、被害者の救済に万全を尽くすとともに、消費者契約に関する法令等について見直しを進めます。
旧統一教会に対する解散命令の請求と宗教法人法の改正についてお尋ねがありました。
宗教法人の法人格を剥奪するという極めて重い対応である解散命令の請求については、信教の自由を保障する観点から、判例も踏まえ、慎重に判断する必要があると考えてはおりますが、社会的に問題が指摘されている団体に関して、政府としては、関係法令との関係を改めて確認しながら、厳正に対応していくこととしております。
また、宗教法人法の改正案を提出する用意があるということでありますが、これも法案の議論でありますので、国会においてまず御議論をいただくべきものであると考えております。
物価高騰への対策についてお尋ねがありました。
物価高騰への対策については、本年四月に原油価格・物価高騰等総合緊急対策を取りまとめ、五・五兆円の予備費を措置し、その後、七月そして九月に予備費を機動的に活用して、累次にわたり、切れ目のない対策を講じてきました。
足下の物価高は消費者の暮らしや事業者の経営に大きな影響を与えており、国民の皆様からの厳しい声もいただいておりますが、そうした声をしっかりと受け止め、今後の対策に生かしてまいります。
我が国経済の見通しについては、コロナ禍から社会経済活動の正常化が進みつつある中で、持ち直していくことが期待されていますが、足下では、ロシアによるウクライナ侵略と円安によるエネルギー、食料価格の高騰、世界の景気後退懸念が日本経済の大きなリスク要因となっています。
こうした状況に対し、今月中に総合経済対策を取りまとめ、この物価高から国民生活と事業活動を守り抜いてまいります。まずは、物価高騰や世界経済の減速に伴う下押し圧力を乗り越え、日本経済を一段高い成長経路に乗せるとともに、成長と分配の好循環を実現し、日本経済を必ず再生してまいります。
臨時国会召集要求への対応及び議員立法についてお尋ねがありました。
憲法五十三条の解釈については、これまで法制局長官が答弁してきたとおり、同条後段の定めは憲法に規定されている義務であると考えております。八月十八日に行われた臨時国会の召集要求については、国会のことであるので、与党とも相談しながら対応を検討し、臨時国会で審議すべき事項等も勘案して、十月三日に臨時国会を召集することを決定したものであります。
御指摘の法案の内容については、これまでも様々な議論があったことを承知しておりますが、議員立法でありますので、まずは国会において御議論いただくべきものであると考えております。
衆議院選挙区のいわゆる十増十減についてお尋ねがありました。
所信表明演説で申し上げたとおり、衆議院の選挙区については、本年六月の衆議院選挙区画定審議会の勧告に基づいた改定を行うため、公職選挙法の改正案を今国会に速やかに提出いたします。
また、内閣が衆議院の解散を決定することについて憲法上これを制約する規定はなく、いかなる場合に衆議院を解散するかは内閣がその政治的責任を決すべきものであると考えております。
なお、議員定数の削減については、議会政治の根幹に関わる重要な問題であり、各党各派において御議論いただくべき事柄であると考えております。
調査研究広報滞在費、旧文書通信交通滞在費の扱いや議員歳費についてお尋ねがありました。
調査研究広報滞在費の扱いについては、議員活動の在り方に関わる重要な課題であるからこそ、引き続き、使途公開等について与野党間で議論が続いているものと認識をしております。そのため、引き続き、各党各派において真摯な議論を通じて合意を得て、国民の皆様の理解を得られるような全議員共通のルールを作ることが大事であると考えております。その上で、私自身も、国会議員の一人として、合意に従って対応してまいります。
同様に、議員の歳費についても、政治活動の根幹に関わるものであることから、各党各会派の間で御議論いただくべき事柄であると考えております。
拉致問題についてお尋ねがありました。
拉致被害者の御家族からは、私自身、累次お会いする機会に、長年にわたる苦しみや悲しみ、何としても結果を出してほしいという切実な思いを直接伺っております。御家族がお年を重ねる中で、解決に向けて一刻の猶予もないという切迫感を私としても共有しております。
二〇〇二年に五名の拉致被害者の方々が帰国されて以来、一人の拉致被害者の帰国も実現していないことは痛恨の極みであると感じております。
そして、最重要課題である拉致問題については、政府として様々な働きかけを行っているところであり、そうした中で、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で取り組んでまいります。私自身、条件をつけずに金正恩委員長と直接向き合う決意です。(拍手)
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