岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 石井啓一議員にお答えいたします。
 物価高騰対策の迅速かつ効果的な執行についてお尋ねがありました。
 低所得世帯に対する給付金の周知、広報については、国民向けのリーフレットなどを活用しながら、支給対象に家計急変世帯も含まれていることなどを周知し、対象者が漏れなく支援を受けられるよう、しっかりと取り組んでまいります。
 また、地方創生臨時交付金については、より重点的、効果的に活用いただけるよう、今般、生活者、事業支援の推奨事業メニューをお示しいたしました。速やかに執行するため、自治体の事例について情報提供に努めるとともに、自治体からの相談に丁寧に対応することにより、地域の実情に応じたきめ細やかな支援を速やかにお届けしてまいります。
 電力、ガス需給逼迫への対策、電力料金対策についてお尋ねがありました。
 この冬の電力供給については、休止中の火力発電所の稼働や必要な燃料の調達、再稼働済みの原子力発電所の稼働確保など、最大限の供給力確保に向けて万全の取組を進めてまいります。また、都市ガスの需給については、事業者間での融通が円滑に行われるための枠組みの創設や、万が一需給の逼迫が生じた場合に都市ガス使用の節約の要請等の需給面の対策が実施できるよう、検討を進めてまいります。
 電力料金については、急激な値上がりリスクに対応し、家計、企業の電力料金負担の増加を直接的に緩和する、前例のない思い切った対策を講じます。内容については現在検討中ですが、与党とも意見交換をしながら、十月末の経済対策の取りまとめに具体策を盛り込んでまいります。
 中小企業支援策についてお尋ねがありました。
 新型コロナの影響の長期化に加え、資材、エネルギーの高騰や逼迫、最低賃金引上げ、さらにはコロナ融資の返済本格化を迎えつつあるなど、中小・小規模事業者は厳しい事業環境にあると考えています。
 こうした状況を踏まえ、資金繰り支援については、官民金融機関等に対し、事業者からの条件変更等の申出に迅速かつ柔軟に対応するよう要請するとともに、先月拡充した日本公庫による低利融資を最大限活用してまいります。さらに、コロナ融資の返済本格化に向けて、借換え保証の創設を検討してまいります。
 加えて、収益力改善、事業再生、再チャレンジをきめ細かく支援するため、相談窓口の機能強化など、中小企業活性化協議会による支援充実を進めます。
 原材料価格の高騰等に対しては、取引適正化を進める公正取引委員会等の執行体制を強化し、価格転嫁対策を徹底してまいります。
 また、新しい資本主義実現会議において総合経済対策に反映すべき重点事項としてお示ししたように、各種補助事業を拡充することで、事業再構築や生産性向上などの前向きな取組を支援してまいります。
 観光、飲食業等の需要喚起策についてお尋ねがありました。
 観光業、飲食業等については、新型コロナの大きな影響を受けており、コロナ禍からの需要回復、地域活性化を図ることが重要となっています。
 御指摘の観光地や観光産業の再生、高付加価値化については、総合経済対策の中で制度を拡充し、計画的、継続的に推進をしてまいります。
 また、今月十一日から再開する全国旅行支援については、旅行、宿泊商品の割引だけでなく、飲食店など、地域で利用できるクーポンの内容を充実させるとともに、実施に併せて、地域の食や文化芸術などを踏まえた魅力的な旅行商品の提供を促進してまいります。
 これらを通じて、観光立国の復活に向けて取り組むとともに、宿泊業、旅行業のみならず、飲食業なども含めて、幅広い需要喚起を図ってまいります。
 食料品の価格高騰対策と食料安全保障の確立についてお尋ねがありました。
 食料品の価格高騰に対しては、施設園芸や漁業の燃油高騰対策、肥料価格高騰に対する支援金の仕組みの創設や、輸入小麦価格、配合飼料の負担を十月以降も据え置く措置など、機動的に対応してきました。今後、総合経済対策を取りまとめ、農産物や肥料、飼料の国内生産を通じた食料安全保障の確保などに取り組んでまいります。
 その上で、農林水産業を取り巻く状況の変化に伴い、食料安定供給上のリスクが顕在化していることを踏まえ、スマート農林水産業、輸出促進、グリーン化、食料安全保障の強化を農林水産政策の四本柱として、食料安全保障の強化と農林水産業の持続的な成長を推進してまいります。
 中小企業の持続的な賃上げやスタートアップの支援策についてお尋ねがありました。
 中小企業の持続的な賃上げに向け、これまで、賃上げ税制の拡充、公的価格の引上げ、各種補助金や公共調達における賃上げ企業の優遇等を行ってきました。
 さらに、事業再構築補助金などを通じて生産性向上を支援するとともに、価格転嫁対策を徹底してまいります。また、十月四日の新しい資本主義実現会議においては、公正取引委員会に対し、中小企業の賃上げが可能となる環境を整備するため、転嫁拒否行為については企業名を公表するなど、踏み込んだ対応を要請いたしました。
 加えて、賃上げが高いスキルの人材を引きつけ、企業の生産性向上、更なる賃上げを生むという構造的賃上げに向けて、労働移動円滑化に向けた指針の策定や、リスキリングを始めとした人への投資の支援の抜本強化等に取り組んでまいります。
 スタートアップについては、日本が優位性を誇る分野などにおいて社会的課題を成長のエンジンへと転換できるよう、年末のスタートアップ育成五か年計画の策定に向けて、スタートアップの創出と成長の加速に向けた支援策を検討してまいります。
 具体的には、ベンチャーキャピタルへの公的資本の投資拡大、優れたアイデアや技術を持つ若い人材への支援制度の拡大、経営者の個人保証を不要とする見直しなど、大胆かつ実効性のある支援策を一体的に講じていきます。
 ワクチン接種促進の取組についてお尋ねがありました。
 過去二年、年末年始に新型コロナの感染拡大の波が到来したことを踏まえ、若者を含め、年末までに希望する全ての対象者がオミクロン株に対応した新型ワクチンの接種を完了できるよう、自治体と連携して接種体制を整備することとしております。
 既に先月から接種を開始しておりますが、自治体の負担軽減を図り、接種を促進するため、職域接種についても、十月十七日の週以降、準備が整った接種会場から順次実施する予定です。こうした取組を通じて、山場となる今月から十一月にかけて、一日百万回を超えるペースの接種体制を整備し、ワクチン接種を加速してまいります。
 また、オミクロン株対応ワクチンは、従来型のワクチンを上回る重症化予防効果等があり、ウイルスが今後変異する可能性がある中で、今後の変異株に対してもより効果が高いと期待されています。こうしたワクチンの有効性や安全性に関する情報については、SNSやリーフレットなど様々な媒体を活用しながら、若者を始めとした国民の皆様に丁寧に周知し、できるだけ多くの方に接種を受けていただくよう取り組んでまいります。
 新型コロナの検査、医療提供体制の強化についてお尋ねがありました。
 保健医療体制については、引き続き、新型コロナ病床の確保や診療・検査医療機関の取組を継続するとともに、高齢者施設等における医療支援の強化等を行い、高齢者等重症化リスクの高い方を守るための強化、重点化を進めてまいります。
 また、検査体制については、国が承認した検査キットのインターネット販売を可能とし、自宅で速やかに検査できるようにいたしました。あわせて、研究用ではなく国が承認したものを使用していただくよう、適切に周知を図っております。
 国産経口薬については、第三相試験において良好な結果が得られたことが発表されており、今後、詳細なデータの提出を受け、速やかに審査を進めてまいります。
 また、インフルエンザと新型コロナが同時流行した場合の備えは重要であり、ワクチンによる予防のほか、治療薬の確保や外来等の保健医療体制の確保も進め、万全を期してまいります。
 子育て支援の充実についてお尋ねがありました。
 我が国の将来を支える人材を育む未来への投資として、子育て、若者世代への支援を強化し、少子化対策に大胆に取り組むことが求められており、特に、ゼロ歳から二歳児を含めた、妊娠、出産、育児を通じた包括的支援が提供される体制等の構築が重要な課題です。
 このため、親の働き方にかかわらない、子供の年齢に応じた切れ目のない支援強化の在り方について検討を指示したところであり、今後、全世代型社会保障構築会議において、年末に向けて議論を進めてまいります。
 今後の子供政策に関する予算については、こども家庭庁の下で、子供の視点に立って、必要な子供政策が何かをしっかり議論した上で、体系的に取りまとめ、社会全体での費用負担の在り方の検討と併せて、子供政策の充実に取り組んでまいります。
 給付型奨学金の拡充及び奨学金の減額返還制度の見直し等についてお尋ねがありました。
 教育未来創造会議の提言においては、授業料減免及び給付型奨学金の対象について、中間所得層の多子世帯や理工農系の学生に拡大するとともに、減額返還の見直しなどにより、卒業後の所得に応じて奨学金を柔軟に返還できる仕組みを創設することが提言され、先般、工程表を作成いたしました。
 この中で、これらの制度は、令和六年度に導入することといたしました。いただいた御指摘を受け止め、年収基準も含め早急に明らかにできるよう、制度設計を進めてまいります。
 さらに、自治体や企業による奨学金の代理返還の推進などにも現在取り組んでいるところであり、引き続き、学生等への経済的支援の充実を進めてまいります。
 二〇四〇年に向けた社会保障制度改革についてお尋ねがありました。
 高齢者人口が二〇四〇年頃をピークに増加を続ける一方、現役世代の減少が顕著となる中で、持続可能な社会保障制度を構築していくことは、成長と分配の好循環を実現するためにも極めて重要です。
 特に、未来への投資として、子育て、若者世代への支援を強化し、少子化対策に大胆に取り組むことが求められています。また、増加する医療費について、能力に応じて、全ての世代で公平に支え合う仕組みを強化するとともに、国民目線での医療・介護制度の改革を前に進めることも待ったなしの課題です。
 こうした中で、御党において、財源や負担の在り方を含め、二〇四〇年までの社会保障改革の大きな流れを示すビジョンを議論されることは極めて重要な取組であり、敬意を表し申し上げます。
 政府としても、これらの課題について、現在、全世代型社会保障構築会議において検討が進められており、今後、二〇四〇年頃を視野に入れつつ、全世代型社会保障の構築に向けた取組を進めてまいります。
 防災・減災対策についてお尋ねがありました。
 線状降水帯による豪雨など、災害が激甚化、頻発化する中で、国民の生命財産を守り、災害の被害に遭う方を一人でも減らすことは我々の使命です。
 このため、国土強靱化の五か年加速化対策を引き続き推進してまいります。先月三十日に指示した新たな総合経済対策についても、国民の安全、安心の確保を柱として掲げて具体的な施策の検討を進めることとしており、御指摘を踏まえながら、防災・減災、国土強靱化についてもしっかりと盛り込んでまいります。
 また、五か年加速化対策後も、中長期的かつ明確な見通しの下、継続的、安定的に国土強靱化の取組を進めていくことが重要です。更なる取組のための新たな基本計画を策定し、中長期的かつ継続的に防災・減災、国土強靱化に取り組んでまいります。
 福島の帰還等の促進に向けた取組についてお尋ねがありました。
 将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興再生に責任を持って取り組むとの決意に揺らぎはありません。
 政府としては、各自治体の個別の課題や要望を丁寧に伺いながら、特定復興再生拠点区域の整備を進めてまいります。また、同区域外について、与党提言も踏まえて、二〇二〇年代をかけて帰還意向のある住民の方々が帰還できるよう、帰還意向の確認を丁寧に行い、避難指示解除に向けた取組をスピード感を持って進めてまいります。
 北朝鮮についてお尋ねがありました。
 我が国としては、日朝平壌宣言に基づき、核、ミサイル、そして最重要課題である拉致問題といった諸懸案を包括的かつ早急に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化を目指す考えです。
 北朝鮮は、今年に入ってからも、今朝の発射を含め、弾道ミサイルを計二十一回にわたって発射しています。これらの極めて高い頻度で続く一連の挑発行動の中で、四日、我が国上空を通過する形で弾道ミサイルを発射したことは、我が国の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威であるとともに、地域及び国際社会全体の平和と安全を脅かす暴挙であります。
 私は、四日の夜、バイデン大統領と電話会談を行って、北朝鮮の完全な非核化に向け、安保理における更なる対応等について、引き続き、日米、日米韓で緊密に連携していくことを確認いたしました。今後とも、米国、韓国を始め国際社会とも協力しながら、関連する国連安保理決議の完全な履行を進め、北朝鮮の非核化を目指してまいります。
 最重要課題である拉致問題については、様々な働きかけを行っているところであり、そうした中で、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で取り組んでまいります。私自身、条件をつけずに金正恩委員長と直接向き合う決意であります。
 日韓関係についてお尋ねがありました。
 韓国は、国際社会における様々な課題への対応に協力していくべき重要な隣国です。
 先月の国連総会の機会に懇談した韓国の尹大統領との間では、懸案を解決し、日韓関係を健全な関係に戻す必要性を共有するとともに、一九六五年の国交正常化以来築いてきた日韓の友好協力関係の基盤に基づき、日韓関係を未来志向で発展させていくことで一致をいたしました。また、労働者問題に関して、現在、両国間で行われている外交当局間の協議を加速するよう指示をしたところです。
 日韓関係を健全な形に戻し、更に発展させていくため、首脳間を含め、韓国政府と緊密に意思疎通をしてまいります。
 中国との関係についてお尋ねがありました。
 日中両国間には、様々な可能性とともに、数多くの課題や懸案が存在します。同時に、日中両国は、地域と世界の平和と繁栄に対して大きな責任を有しています。
 中国とは、主張すべきは主張し、責任ある行動を求めつつ、諸懸案を含め、対話をしっかりと重ね、共通の課題については協力するという建設的かつ安定的な日中関係を日中双方の努力で構築してまいります。
 防衛力の整備、強化についてお尋ねがありました。
 安全保障環境が急速に厳しさを増す中、抑止力、対処力の強化は最優先の使命です。先般開始した、国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議においても議論を進めていただくとともに、新しい国家安全保障戦略等の策定に向けた議論を加速し、与党とも十分連携しながら、予算編成過程で結論を出します。
 その際、議員御指摘のとおり、政府全体の資源と能力を総合的かつ効率的に活用した、我が国として必要とされる総合的な防衛体制の強化を図るとともに、経済力の強化を促す研究開発、技術力の向上が不可欠です。
 議員の問題認識に正面から取り組みながら、必要となる防衛力の内容の検討、予算規模の把握、財源の確保、これらを一体的かつ強力に進め、その過程で、国民の皆さんに丁寧に説明し、理解を得ていきます。
 そして、最後に、霊感商法による被害者救済や被害防止策についてお尋ねがありました。
 国民に対する適切な情報発信等については、「旧統一教会」問題関係省庁連絡会議が設けた合同電話相談窓口に寄せられた相談状況等を踏まえ、現行法を活用した国民向けの分かりやすい法的整理をQアンドA形式で法務省のホームページに掲載するとともに、消費者教育の取組を強化するほか、相談のノウハウ等に関して各種研修を充実させるなど、全般的な体制を取ることといたしました。
 寄せられた相談内容は金銭トラブルが多数を占め、これらは法的に複雑な問題であるため、法律の専門家による支援につなげる相談窓口を法テラスに新設するとともに、様々な相談に対応できるよう、法テラスと消費生活センターを中心に、各相談機関が連携してネットワークをつくり、総合的な相談体制を構築し、相談者に寄り添った体制強化を図っていきます。
 さらに、消費者庁の有識者検討会の議論や合同電話相談窓口に寄せられた相談内容を踏まえつつ、霊感商法等に関し、不当な勧誘があった場合の取消し事由の拡大や取消権の使用期間の延長など、消費者契約に関する法令等の見直しの検討を加速し、早急に結論を得るよう、河野担当大臣に指示をしたところであります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇〕

発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2022-10-06

院: 衆議院

会議名: 本会議