玉木雄一郎の発言 (本会議)

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○玉木雄一郎君 国民民主党代表の玉木雄一郎です。(拍手)
 まず、台風十四号、十五号で亡くなられた方にお悔やみを申し上げ、被災された皆様にはお見舞いを申し上げます。
 現地に行って被災者の声を伺ってきたので、まず、岸田総理に二点お願いです。
 先週訪問した静岡市清水区では、大量の災害ごみが住宅のそばの広場に積まれたままになっていました。今後、浸水被害が発生する可能性がある地域では、都道府県と市町村が調整して、あらかじめ災害ごみ置場を決めておくよう、国からも要請できませんか。
 次に、被災した飲食店からは、やっとコロナ禍から立ち直れると思っていたのに心が折れそうだ、そういう声がありました。過去の台風被害でも設定された小規模事業者持続化補助金の台風枠を追加公募してください。
 二点お願いです。
 さて、国民民主党は、選挙で約束した公約を実現するため、引き続き、対決より解決の姿勢で、給料が上がる経済の実現に全力を注いでまいります。
 また、物価高に苦しむ国民の声を聞くため、参議院選挙直後から私自身が全国を回って、既に三十四都道府県を訪問しました。また、ユーチューブやツイッターでも、多くの切実な声が日々届いています。今日はその声を総理に直接ぶつけますので、官僚の原稿ではない、政治家としての言葉で、熱のある答弁をお願いしたいと思います。
 全国を訪問して一番多く聞いたのは、給料が上がらない、あるいは年金が下がる中で、物価高に苦しむ声です。
 国の統計によれば、七月の実質賃金は四か月連続のマイナスで、物価の上昇に賃金の伸びが追いついていません。最近だけではなく、二十五年間実質賃金が下がり続けているのは日本だけです。
 総理、なぜ日本では賃金が上がらないのか、どうやって上げるつもりなのか、岸田内閣の基本認識と方針を改めて伺います。
 国民民主党の経済政策は、まず、積極財政で、需要不足を解消します。同時に、教育国債の発行で、子育て、教育、科学技術投資を倍増して経済全体の生産性を上げます。そして、求職者ベーシックインカムなどセーフティーネットの充実で、円滑な労働移動を促します。この三つの柱で、給料が上がる経済を実現してまいります。
 総理に、日本経済の基本認識を伺います。
 総需要である国内総生産、GDPと潜在GDPの差である、いわゆる需給ギャップの最新の数字は幾らですか。お答えください。
 私たち国民民主党は、どの党よりも早く、先月十三日に、二十三兆円の緊急経済対策を取りまとめました。少なくとも十五兆円程度の需要不足があるとの前提に立ち、積極財政による経済対策を訴えています。
 政府は、先月、住民税非課税世帯への五万円給付を決定しましたが、住民税非課税世帯の約八割は高齢者です。物価高に苦しんでいるのは高齢者だけではありません。民間調査会社の試算によれば、物価高による家計負担は昨年に比べて九万八千円増加しています。
 総理、需要不足という認識があるなら、私たち国民民主党が緊急経済対策に盛り込んだ、国民一人当たり現金十万円を一律給付するインフレ手当こそ、今必要な経済対策ではありませんか。
 緊急経済対策の財源についても提案があります。
 政府は、為替相場への介入原資として、外国為替資金特別会計、いわゆる外為特会に約一・三兆ドル、日本円にして約百八十兆円の資産を保有しており、そのほとんどがドル建ての米国債です。今、記録的な円安なので、円建ての含み益が相当出ているはずです。機械的に計算しても、約三十七兆円あります。
 総理、外為特会の円建て含み益は本年一月に比べて幾ら出ていますか。円安で苦しんでいる個人や事業者がいる一方で、国の特別会計は円安でうはうはです。総理、円安メリットを生かすなら、緊急経済対策の財源として、外為特会の円建ての含み益を充ててはどうですか。
 電気代の上昇が止まりません。家庭用の電気代は、昨年に比べて二割以上アップ、震災前に比べると五割近くアップしています。実は、この値上げ分の三分の一が、電気代に上乗せされている再生可能エネルギー発電促進賦課金、いわゆる再エネ賦課金によるものです。
 国民民主党は、さきの参議院選挙の公約として、公党の中で唯一、再エネ賦課金の徴収停止による電気代値下げを打ち出しました。これで、一般的な家庭で約一二%、産業用で一七%、電気代を下げることができます。
 総理が指示された前例のない思い切った対策として、国民民主党の提案する再エネ賦課金の一時徴収停止による電気代値下げを採用してはどうでしょうか。我々は実現に必要な再エネ特措法改正案も提出するので、あわせて、与党としても御協力をいただきたいと思います。
 電力自由化によって参入した新電力の撤退などによって、電力会社との契約ができない電力難民が続出しました。円安メリットを生かした産業の国内回帰にも大きな障害となっています。
 総理、これまで進めてきた電力自由化で本当に電気代が安くなったのかなど十分に検証した上で、電力の安定供給の観点から必要な見直しを行うときではないでしょうか。お答えください。
 原子力発電の活用について伺います。
 総理は、所信表明演説で、次世代革新炉の開発、建設について、専門家による議論の加速を指示したと述べましたが、幾ら検討を指示しても、そもそも、造るかどうかを決めなければ、電力事業者が投資に踏み切ることはありません。
 総理、岸田内閣として、原発の建て替え、リプレースを行うのかどうか、今ここで明言をしてください。
 総理の所信でも、グリーントランスフォーメーション、GXを重点投資分野と位置づけていましたが、電気自動車など新車購入を補助するクリーンエネルギー自動車導入促進補助金、いわゆるCEV補助金が、軽のEVなどが人気で、今月末には予算がなくなる見込みです。
 総理、せっかくCEV補助金が人気なのですから、補助金の空白期間をつくるべきではありません。追加予算を補正予算で積み増して、自動車分野のGX化を加速化すべきではありませんか。
 次に、安全保障について伺います。
 政府は、外交・安全保障政策の根幹である国家安全保障戦略など三つの文書を年末までに改定するとのことですが、我々国民民主党も、台湾海峡問題や中国、北朝鮮のミサイル開発に対応できる骨太の安全保障政策を年内にもまとめ、総理にも提言する予定です。
 そこで、総理に伺います。
 我が国の継戦能力、有事の際に組織的な戦いを継続できる能力はどの程度我が国にありますか。また、防衛省による調査で、全装備品のうち足下で可動するのは五割余りしかなく、可動していない五割弱の半分が整備中、残りは修理に必要な部品や予算がない整備待ちという報道もあります。これは事実でしょうか。秘密に関わることですが、可能な範囲で現状を明らかにし、必要な防衛費の増額について国民の理解を得るべきではないでしょうか。
 また、我が国の防衛を考える上で避けて通れないのは中距離弾道ミサイルです。
 ミサイル防衛システムが無力化される可能性のある極超音速の中距離弾道ミサイルの開発と配備が周辺国で進んでいます。中距離弾道ミサイルに対する自衛隊施設の抗堪性、すなわち敵の攻撃に耐えて機能を維持する能力を高めるために、自衛隊の重要施設の地下化や航空機のシェルター整備などを進める必要があると考えますが、総理の認識を伺います。また、個人宅など民間にもシェルター設置を促す考えがあるのかも併せて伺います。
 先月、他を圧倒する子育て政策で人口の増加、税収増加を実現している兵庫県明石市の泉房穂市長を訪ね、お話を伺ってきました。泉市長は、国の所得制限が少子化対策ではなくて少子化加速策になっていると批判をされていました。政府は、今月から、一定の所得以上の家庭の児童手当の特例給付を廃止しました。国民民主党は、泉市長と同じく、子育て支援策には所得制限を設けず一律に支援すべきとの考えから、この臨時国会の初日に所得制限撤廃法案を提出しました。
 総理に伺います。
 子育て支援策の所得制限によって、中間層の子育て世帯が取り残され、かえって少子化を加速しているとの泉市長の指摘に対する総理の見解を伺います。
 全国を回っていますと、驚くほど多くの学生や大学院生が我々国民民主党の集会や街頭演説会に来てくれます。そのときによく出る質問が、岸田総理は外国人留学生の受入れ支援を拡大するようですが、それなら日本人の学生をもっと助けてほしいという切実な声です。この問いに総理はどう答えますか。
 また、給付型奨学金の要件緩和を検討しているようですが、三人以上の子供がいる多子世帯や理系だけに限定しようとしています。ここはけちけちせずに、保護者の年収など、給付型奨学金の要件を幅広く緩和すべきです。財源は、国民民主党の提案する教育国債を発行すれば解決します。併せて総理に伺います。
 もう一つ、全国を回ってパート、アルバイトの皆さんからよく聞く声は、いわゆる年収の壁です。働く時間を調整しないと、社会保険料や所得税を徴収される年収百三万円、百六万円、百三十万円などの壁に達して、世帯全体の所得が減少する逆転現象が起きてしまう問題です。
 去年、今年と最低賃金が上がっていることはいいことなんですが、そのことで年収の壁に早く達してしまいます。店長さんや経営者の方も、年末にかけて忙しい時期に人手の確保ができなくなると困っています。
 当面は、最低賃金のアップに連動して年収の壁の上限を引き上げるような見直しをした上で、やはり抜本的な制度改正が必要だと考えますが、総理の考えを伺います。
 最後に、旧統一教会について伺います。
 まず、国会に調査特別委員会を設置し、物価高騰対策など本来の政策議論と同時並行でできる枠組みをつくることを、議場内の与野党の同僚議員に提案したいと思います。
 また、昨日の総理答弁では、現行法である宗教法人法八十一条に基づく解散命令について、判例を踏まえて慎重に判断するとのことでした。しかし、その判断材料をそもそも政府、行政庁は持っているんでしょうか。
 総理、少なくとも、宗教法人法七十八条の二に基づく報告を旧統一教会に対して求めたり、質問することはしないんでしょうか。現行法適用に関する総理の見解を明確にお示しください。
 法に基づく報告徴求に慎重だとすれば、現行法はざる法だということになります。仮に今後法改正をしたとしても、運用がざるでは意味がありません。
 先日、大分県別府市の「太陽の家」を視察しました。故中村裕医師が、ノー・チャリティー・バット・ア・チャンス、保護より機会をを理念に設立した社会福祉法人で、オムロンを始めとした民間企業と共同出資会社を次々と設立し、障害者の就労機会を飛躍的に拡大してきました。是非、岸田総理にも視察していただきたいと思います。私は、そこに、理想の障害者雇用の姿を見るとともに、人を中心に置いた資本主義の姿を見ることができました。
 総理の言う新しい資本主義は若干迷走しているように思います。私は、一人一人を尊重し大切にする経済こそ新しい資本主義だと確信しました。金融資本、つまりお金も大切ですが、資本主義を構成するもう一つの要素、人的資本、すなわち人を大切にする政策を徹底することこそが日本再生の鍵だと考えます。だからこそ、私たち国民民主党は、人づくりこそ国づくり、これを理念に掲げています。
 改めて、人への投資の倍増による日本再生に本気で取り組むことを総理に強く求めて、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕

発言情報

speech_id: 121005254X00320221006_010

発言者: 玉木雄一郎

speaker_id: 29596

日付: 2022-10-06

院: 衆議院

会議名: 本会議