志位和夫の発言 (本会議)

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○志位和夫君 私は、日本共産党を代表して、岸田総理に質問します。(拍手)
 冒頭、北朝鮮による弾道ミサイル発射を強く非難するとともに、軍事的挑発を抑えるために、国際社会が協調して外交的対応を強化することを求めるものです。
 まず、私は、総理が国民の約六割の反対を一顧だにせず、安倍元首相の国葬を強行したことに強く抗議します。
 総理、国民の多数が国葬に反対したのはなぜだと考えますか。強行したことへの反省はないのですか。
 強行されたからといって、国葬が憲法違反であることは絶対に曖昧にできません。総理は、八月十日の記者会見で、国葬を、故人に対する敬意と弔意を国全体として表す儀式と明確に定義しています。総理の言う国全体としてとは、どういうことですか。日本の国の主権者は国民であり、国全体としてとは、国民全体としてということになるではありませんか。これが、憲法十九条が保障する思想及び良心の自由を侵害する敬意と弔意の強制になることは明瞭ではありませんか。
 総理は、一人一人に弔意を強制するものではないと言いました。しかし、実際の国葬の場では、総理や菅前総理が安倍氏を天まで持ち上げる礼賛演説を行い、それをほとんどのテレビ局が生中継しました。中央官庁は職員に黙祷を指示し、ほとんどの都道府県が半旗や弔旗を掲げました。まさに、直接間接の敬意と弔意の強制が行われたではありませんか。答弁を求めます。
 政府・自民党と統一協会との癒着問題について聞きます。
 まず問いたいのは、総理が、統一協会という団体をどういう団体と認識しているのかという問題です。
 統一協会は、正体を隠した伝道活動、霊感商法や高額献金、当事者の意思を無視した集団結婚など数々の反社会的行為を行い、そのいずれに対しても違法との判決が確定している団体です。
 総理は統一協会について社会的に問題が指摘されている団体と言いますが、問われているのは総理自身の認識です。統一協会が反社会的団体であるという認識をお持ちですか。はっきりお答えいただきたい。
 その上で問いたいのは、自民党と統一協会との深刻な癒着が統一協会による被害を拡大してきたことへの反省があるのかという問題です。
 多くの元信者は、政治家から祝電や祝辞が寄せられるのを見て、こんなに高名な政治家の方まで支持してくださっているのだから、お父様の教えは間違いなく正しいんだとの確信を持ったなどと証言しています。総理、自民党の多くの政治家が統一協会の広告塔として利用され、被害を拡大してきたという反省はありますか。お答えください。
 総理は、八月三十一日の記者会見で、統一協会との関係を絶つと約束しました。しかし、この約束には行動が伴っていません。
 私は、五つの問題点を提起したいと思います。
 第一は、自民党の対応が、統一協会との接点を所属国会議員個々人に自己申告させるという議員任せの対応になっていることです。
 そのため、集計結果を発表した後も、新たな接点が次々に発覚し、追加報告を余儀なくされるという泥沼に陥っています。議員任せでなく、党として責任を持って国会議員、地方議員の癒着の全容を調査すべきではありませんか。
 第二は、政府としては何の対応も行っていないという問題です。
 第二次岸田政権の大臣、副大臣、政務官、補佐官などの国会議員八十人のうち、統一協会と接点や関係があった議員は三十六人にも上っています。政府として責任を持って統一協会と政務三役などとの関係を徹底的に調査するべきではありませんか。
 第三は、行政がゆがめられた疑惑を放置していることです。
 統一協会は、一九九七年、文化庁に対して名称変更を求めますが、文化庁は、実態が変わっていないのに名前だけ変えることはできないと名称変更を認めませんでした。それが、二〇一五年、突然、名称変更を認めることになりました。なぜ、名称変更を認めないという方針が覆されたのか。当時文部科学審議官だった前川喜平氏は、下村博文大臣の意思が働いたことは間違いないと証言していますが、政治家の関与と圧力がなかったのか、総理の責任で調査すべきではありませんか。
 第四は、総理が、安倍元首相の調査について、限界があると背を向けていることです。
 安倍氏は統一協会の最大の広告塔だった政治家です。参院比例選挙で統一協会の会員票を差配する役割を担っていたとの証言もあります。故人になったとしても、関係者や関係書類の調査など、意思さえあれば調査できるはずです。安倍元首相と統一協会の癒着の全貌について、責任を持って調査すべきではありませんか。
 第五に、自民党と統一協会とは、一九六八年、笹川良一ら日本の右翼と岸信介元首相らが発起人となって、統一協会と一体の勝共連合を日本で発足させて以来の歴史的癒着関係があります。
 半世紀以上にわたって、自民党は統一協会を反共と改憲の先兵として利用し、統一協会は自民党の庇護の下に反社会的活動を拡大してきました。この歴史的癒着関係の全体を過去に遡って徹底的に調査し、国民に報告すべきではありませんか。
 以上、五つの点について、関係を絶つというなら、明確な答弁をいただきたい。
 最後に、これだけ重大な反社会的行為を続けている統一協会に、宗教法人としての税制上の優遇などを続けることは全く道理がありません。宗教法人法に基づく解散命令を請求すべきです。総理の見解を問うものです。
 物価高騰が深刻です。暮らしと経営を守るために政治は何をなすべきか。
 まず総理に伺いたいのは、物価高騰の最大の原因となっている異常円安の問題です。
 日銀は、九月二十二日、異次元の金融緩和政策の維持を決定しました。異常円安と物価高騰が更に進むことは分かり切っているのに、やめるにやめられないのです。総理、アベノミクスによる金融政策が完全な手詰まりに陥っているという事実をお認めになりますか。
 そして、なぜ手詰まりに陥ったかといえば、日本が賃金が上がらない国から抜け出せないところにその最大の原因があると考えますが、いかがですか。
 私は、二つの点に絞って緊急提案を行います。
 第一は、中小企業の賃上げへの直接支援を抜本的に強化することです。
 この十年間、政府が賃上げ政策の柱としてきたのは賃上げ減税でした。しかし、元々黒字の企業しか対象にならないこの制度は、実効ある賃上げ政策にはなりませんでした。そのことは、この十年間、賃上げどころか、実質賃金が年間平均二十七万円も減少した事実が証明しています。
 総理、この政策の失敗を直視し、実効ある賃上げ政策への抜本的見直しを図るべきではありませんか。
 とりわけ、最低賃金千五百円の実現に向け、中小企業の賃上げへの直接支援を抜本的に強めることを求めます。多くの都道府県の最低賃金審議会は、政府に対し、中小企業の賃上げに対する社会保険料の減免、新たな助成金の創設など、直接支援の改善強化を要望しています。
 総理、この声に全面的に応えるべきではありませんか。
 日本共産党は、大企業の内部留保の増加分に時限的課税を行い、大企業で働く労働者の賃金を上げることを促進するとともに、十兆円の税収を中小企業の賃上げ支援に使う賃上げ政策を具体的に提案していますが、この提案を真剣に検討すべきではありませんか。答弁を求めます。
 第二は、消費税を緊急に五%に減税し、医療費の負担増を撤回することです。
 物価高騰は、ほとんど全ての商品とサービスに及んでいます。そして、所得の少ない人ほど物価高騰の影響は深刻です。そうした下、消費税五%への減税こそ、暮らしを守る上で最も効果的な対策であることは明らかではありませんか。
 コロナ危機の下でも空前の利益を上げている富裕層と大企業に応分の負担を求め、消費税減税を決断すべきです。インボイス導入は中止すべきです。
 物価高騰のさなか、年金が減らされ、さらに、十月から七十五歳以上の医療費窓口負担を二倍にするという血も涙もない政策が強行されたことに、強い怒りの声が広がっています。厚生労働省は、負担増による受診控えで給付費を年一千五十億円も削減できると推計しています。
 総理、受診控えが健康悪化を招き、逆に医療費の増大につながる悪循環を引き起こす危険をどう考えますか。医療費負担増政策を中止し、軽減へとかじを切るべきではありませんか。答弁を求めます。
 総理が、所信表明で、新型コロナ対応について、行動制限を行わずに今年の夏を乗り切れたと語ったのには驚きました。あなたの目には、第七波による死者が一万三千人を超え、最悪になっているという現実が見えないのですか。無為無策、成り行き任せの対応への厳しい反省を強く求めます。
 今、特に重大なのは、政府が、ウィズコロナへの対応として、療養の考え方の転換なるものを進めようとしていることです。今後、発熱外来を受診できる対象を高齢者、基礎疾患のある人、子供、妊婦に絞り、それ以外の患者は、自己検査を行い、自宅療養を求めるというのです。これでは、今年の冬にかけてコロナとインフルエンザの同時流行が危惧される下で、高熱に苦しむ患者が医療を受けられない事態が更に深刻化しかねません。
 総理、医療へのアクセスを制限する制度改変ではなくて、医療提供体制を抜本的に強化拡充することこそ政治の責任ではありませんか。答弁を求めます。
 九月十一日投開票された沖縄県知事選挙で、オール沖縄の玉城デニー知事が自公推薦候補に圧勝しました。総理は、この選挙で示された民意をどう受け止めていますか。
 知事選でのオール沖縄候補の勝利は三回連続ですが、今回は、自公推薦候補が辺野古新基地建設の加速を初めて公然と公約に掲げ、辺野古問題が明確に争点になった上での審判となりました。辺野古移設は主要な争点ではなかったなどの言い逃れをする余地は、もはや全くありません。
 総理、知事選で示された民意は、辺野古新基地建設中止、普天間基地閉鎖、撤去にあることをはっきり認め、辺野古が唯一の解決策などという破綻した理屈は撤回すべきではありませんか。
 総理の答弁を求めて、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕

発言情報

speech_id: 121005254X00320221006_013

発言者: 志位和夫

speaker_id: 1300

日付: 2022-10-06

院: 衆議院

会議名: 本会議