岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 志位和夫議員の御質問にお答えいたします。
故安倍元総理の国葬儀の実施についての考え、国全体としての意味するところ、弔意表明についてお尋ねがありました。
先週執り行った安倍元総理の国葬儀は、国内外から多数の参列があり、多くの方々の弔意に応える厳粛かつ心のこもったものとなりました。国葬儀の参列者が約四千二百人、一般献花者も二万五千人を超え、また、海外からは二百十七の国、地域、国際機関等から七百三十四人の参列者がありました。海外からお越しになった多数の参列者の方々から寄せられた弔意に対し、礼節を持って丁寧にお応えすることができたと考えております。
他方で、国葬儀に関しては、国民の皆様や各党各会派から様々な御意見、御批判をいただいたことも事実であり、その多くに共通するのは、説明が不十分であるとの指摘であったと認識をしております。このことは真摯に受け止めなければならないと考えており、今後、今回の国葬儀について検証を行うこととしております。
今般の国葬儀は、国の儀式として国の名において行う葬儀であり、我が国として故人に対する敬意と弔意を表す儀式であることから、故人に対する敬意と弔意を国全体として表す儀式と述べたところであります。
また、今回の故安倍元総理の国葬儀の実施に際しては、国民一人一人に喪に服することを求めるものであるとの誤解を招くことがないように、国において弔意表明を行う閣議了解は行わず、国から地方公共団体や教育委員会等の関係機関に対する弔意表明の協力の要請も行っておらず、弔意表明の強制であるとの御指摘は当たらないと考えております。
なお、各府省においては、弔旗を掲揚するとともに、葬儀中の一定時刻に黙祷することといたしましたが、これは、各職員に対して黙祷する機会を設けることとするという趣旨であり、職員一人一人に対して黙祷することを求めたものではなく、弔意表明の強制であるとの御指摘は当たらないと考えております。
旧統一教会に対する認識と旧統一教会と政治の関係についてお尋ねがありました。
いわゆる旧統一教会については、悪質商法に関する問題、親族の入信に起因する家族の困窮等の問題等、様々な問題が指摘されていると承知をしており、このような状況を踏まえて、社会的に問題が指摘されている団体であると私も認識をしているところであります。
被害を受けられた方がいらっしゃる中で、多くの自民党の国会議員が旧統一教会と様々な接点を持っていたことにより、結果として当該団体の信頼を高めることがあったとの指摘については、重く受け止めております。
その上で、私の政権においては、各閣僚等それぞれが旧統一教会との過去の関係を調査、説明し、新たな接点が判明した場合には、その都度、追加的に報告、説明を行い、今後は関係を持たないことを徹底すること、これを方針としております。自民党においても、それぞれの議員がこの方針遵守を徹底し、これを担保するためのチェック体制を構築してまいります。
旧統一教会との関係についての調査の在り方についてお尋ねがありました。
各議員はそれぞれ政治家として独立して様々な活動を行っていることから、個々の議員と旧統一教会との関係については、それぞれの議員が政治家の責任において丁寧に説明を尽くす必要があると考えております。
自民党においては、今後、各議員が旧統一教会と関係を持たないという方針遵守を徹底し、これを担保するためのチェック体制を構築してまいります。地方議員についても、今後、国民の信頼を回復するため、旧統一教会との関係を持たないという方針を徹底してまいります。
また、私の政権における基本方針は、各閣僚等それぞれが旧統一教会との過去の関係を調査、説明し、新たな接点が判明した場合には、その都度、追加的に報告、説明を行い、今後は関係を持たないことを徹底するということです。引き続き、この方針を徹底してまいります。
平成二十七年の旧統一教会の名称変更の経緯についてお尋ねがありました。
宗教法人法上、名称の変更等のための規則変更については、所轄庁の認可ではなく、認証による制度とされております。このため、宗教法人から規則変更の認証申請を受理した場合、所轄庁は、変更しようとする事項が法令に適合しているかなど宗教法人法に定める要件を審査し、その要件を備えていると認めたときは認証する旨の決定を行う必要があります。
本件規則変更の認証申請についても、所轄庁として、当該申請の内容が法令に規定された要件を備えていることを確認し、認証の決定を行ったものであり、政治家や大臣の政治的な関与や圧力はなかったと報告を受けており、この点に関して、今後、新たな調査は予定していないと承知をしております。
安倍元総理及び自民党と旧統一教会の関係についての調査についてお尋ねがありました。
安倍元総理が旧統一教会とどのような関係を持っていたかの調査については、当時の様々な情勢における御本人の心の問題である以上、御本人が亡くなられた今、十分に把握することは限界があると考えております。関係者や関係書類を調査したとしても断片的にならざるを得ない上、本人が何も釈明、弁明できないなど、十分な調査はできないと考えております。
自民党においては、所属国会議員と旧統一教会との関係について点検を行い、その結果を発表いたしました。旧統一教会との関係については、各議員が政治家の責任において丁寧に説明を尽くす必要があると考えており、今後も、各議員が最大限説明責任を果たすとともに、当該団体との関係を持たないことを徹底してまいります。
また、自民党の政策決定に当たっては、幅広く国民の皆さんの声を聞くとともに、関係省庁からの説明、有識者、専門家等の議論など様々なプロセスを経て政策決定をしており、御指摘のように特定の団体と癒着し不当な影響を受けている、こうしたことはないと考えております。
いずれにせよ、国民の信頼を回復するため、未来に向かって当該団体と関係を持たないことを徹底すること、これが大切であると考えております。
旧統一教会に対する解散命令の請求についてお尋ねがありました。
宗教法人の法人格を剥奪するという極めて重い対応である解散命令の請求については、信教の自由を保障する観点から、判例も踏まえ、慎重に判断する必要があると考えておりますが、社会的に問題が指摘されている団体に関して、政府としては、関係法令との関係を改めて確認しながら、厳正に対応してまいります。
金融政策と賃上げについてお尋ねがありました。
金融政策については、出口の考え方を含め、具体的な手法は日銀に委ねられるべきですが、日銀は、現在は、経済を支えて、賃金の上昇を伴う形で物価安定の目標を持続的、安定的に実現することが必要であって、金融緩和を継続することが適当である、このように説明していると承知をしております。
賃上げに関しては、政府において、構造的な賃上げを総合経済対策の重点分野の一つとして掲げ、正面から果断にその実現を目指してまいります。
日銀には、引き続き、政府との連携の下、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、物価安定目標の持続的、安定的な実現に向けて努力されることを期待しております。
中小企業の賃上げについてお尋ねがありました。
岸田政権では、賃上げを最重要政策として取り組んできました。具体的には、賃上げ税制の拡充、公的に決まる看護、介護、保育などの現場で働く方々の給料引上げ、各種補助金や公共調達における賃上げ企業の優遇、転嫁対策等による賃上げしやすい環境づくり等を行ってきました。今年の春闘においては、それまで低下傾向であった賃金引上げの水準が反転し、コロナの影響を受けていない企業では三%以上、全業種を通じても二・〇七%の賃上げが行われ、最低賃金についても、過去最高となる、全国の加重平均で三十一円の引上げを行っています。
さらに、継続的な賃上げに向け、賃上げ、労働移動の円滑化、人への投資という三つの課題の一体的改革を実現するため、労働移動円滑化に向けた指針を来年六月までに取りまとめるとともに、リスキリングを始めとした人への投資の支援の抜本強化を断行してまいります。
また、中小企業が賃上げできる環境の整備に向けては、事業再構築補助金やものづくり補助金などを通じて生産性向上を支援するとともに、価格転嫁対策を更に強力に進めてまいります。
なお、御指摘の社会保険料の減免については、被保険者と事業者の支え合いの精神に基づき保険料負担が労使折半とされていることから、また、内部留保への課税については、二重課税に当たるとの指摘があることから、慎重な検討が必要であると考えております。
消費税減税、後期高齢者の窓口負担等についてお尋ねがありました。
足下の物価高に対しては、家計への影響が大きい低所得世帯向けの給付金を含め緊急の支援策等を講じ、さらに、今月中に総合経済対策を取りまとめることとしており、御指摘の消費税減税は考えてはおりません。
また、インボイス制度は、複数税率の下で適正な課税を確保するために必要なものであり、その円滑な移行を図る観点から、十分な経過措置を設けるとともに、円滑な実施に向けて、事業者の負担を軽減する支援や取引環境の整備等について、引き続き、政府一体で連携して取り組んでまいります。
御指摘の後期高齢者の窓口負担割合の見直しは、現役世代の負担上昇を抑える観点から、負担能力や家計への影響を考慮した上で、一定の収入以上の方々についてのみ、その窓口負担を二割とするものであり、配慮措置も講ずることで、必要な受診の抑制を招かないようにしております。
新型コロナ対応についてお尋ねがありました。
今年の夏は、国民お一人お一人が基本的な感染対策を徹底してくださったおかげで、三年ぶりに緊急事態宣言等の行動制限を行わずに過ごすことができました。社会経済活動との両立を進め、多くの国民の生活となりわいを支えることができたと考えております。
一方で、オミクロン株が主流となった本年七月から九月までの感染拡大に際しては、約一千百万人が感染し、一万人以上の方が亡くなられました。御家族の皆様に心よりお悔やみを申し上げます。引き続き、国民の安心、安全のために努力を続け、責任を果たしてまいります。
先月、ウィズコロナに向けた新たな段階への移行の全体像をお示しいたしました。療養の考え方の転換に当たっては、若い軽症者等が安心して自宅療養をできるようにするため、検査キットのインターネットでの販売を解禁するとともに、体調悪化時等に連絡、相談できる健康フォローアップセンターの全都道府県での整備、体制強化を行いました。また、発生届の対象外の方々にも必要に応じて宿泊療養や配食等の支援が可能になるようにする等、必要な環境整備を整えています。
インフルエンザとの同時流行を想定した外来等の保健医療体制の確保も進めることとしております。
普天間飛行場の辺野古移設についてお尋ねがありました。
世界で最も危険と言われる普天間飛行場が固定化され、危険なまま置き去りにされることは、絶対に避けなければなりません。これは、地元の皆様との共通認識であると思います。
辺野古移設が唯一の解決策であるという方針に基づき着実に工事を進めていくことが、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、その危険性を除去することにつながると考えております。
引き続き、地元の皆様の御理解を得る努力を続けながら、全力で取り組んでまいりたいと考えております。(拍手)