岩谷良平の発言 (本会議)

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○岩谷良平君 日本維新の会の岩谷良平です。
 ただいま議題に上がりました国際的な不正資金等の移動等に対処するための国際連合安全保障理事会決議第千二百六十七号等を踏まえ我が国が実施する国際テロリストの財産の凍結等に関する特別措置法等の一部を改正する法律案について、党を代表して、関係大臣に質問します。(拍手)
 今回の法改正は、マネーロンダリングやテロ資金供与、大量破壊兵器拡散に寄与する資金供与への対策に関する国際基準の策定、履行審査を担う多国間の枠組みであるFATFが昨年八月に公表した、日本のそれら対策に対する第四次審査報告書を受けたものです。
 我が国は、マネーロンダリング、テロ資金供与リスクの評価と国内連携、国際協力などの分野で一定の評価を受けたものの、金融機関等への監督などに改善の余地があるとして、三段階評価の中間に当たる重点フォローアップ国に認定され、資産凍結措置や暗号資産への対応、マネーロンダリング対策等の強化が求められました。
 重点フォローアップ国とされたことで、現段階で我が国に対して具体的にどのような悪影響が生じていますか。また、今後、仮にFATFの勧告への対応が遅れた場合、更に具体的にいかなる問題が生じると考えますか。財務大臣に答弁を求めます。
 日本は、二〇一八年以降、度々FATFから勧告が出され、近年では、暗号資産を取り扱う業者に対して銀行並みの厳しい規制を課すことや、制裁対象者への資金その他の資産の流れを遅滞なく止めること、制裁の潜脱リスクの評価やリスク低減措置を行うことなどを求められました。
 もちろん政府は対策の強化を急いできたと考えますが、第四次対日審査報告書では、あのロシアよりも低い重点フォローアップ国に認定され、三年間、毎年、改善状況を報告するよう義務づけられました。
 財務大臣に質問します。
 当然、政府は、今回の法整備によって残りのFATFの要求に十二分応え得る対策を講じるべきだと考えますが、今回の法案に現時点で万全の対策を盛り込むことができたと言い切れますか。
 加えて、改正法の施行により、我が国の取組への評価が重点フォローアップ国からその上の通常フォローアップ国に引き上げられるとお考えですか。なおも取り組むべき課題があるというなら、その内容も併せてお答えください。
 専門家からは、マネーロンダリング等が行われると、経済政策のコントロールの喪失や経済のゆがみ、経済成長の阻害等の悪影響が生じると指摘されています。仮に国際社会としてマネーロンダリングを完全に封じ込めることができないなら、我が国の経済社会に具体的にどのような影響を及ぼすとお考えですか。
 マネーロンダリングやテロ資金供与の根絶に向けては、金融機関の取組、すなわち金融システムが犯罪収益の隠匿やテロ資金供与に悪用されないための予防措置と、法執行、すなわち刑事罰によるマネロンやテロ行為の抑止と違法な資金の剥奪が車の両輪となります。国際基準に沿った強固な体制を構築するためには、目先のFATF対策で対症療法的に対応するのではなく、官民がより連携し、指摘された課題の本質を捉えた取組が求められます。
 国連薬物犯罪事務所によると、マネーロンダリングの規模は、世界全体のGDPの約二から五%、つまり約八千億ドルから二兆ドルと推計されています。他方、国家公安委員会による年次報告書によれば、我が国では、犯罪収益及び薬物犯罪収益として没収、追徴された金額は、令和二年で四百二十八件、約十七億円でした。
 政府としては、近年、我が国においてマネーロンダリングが疑われる事案は具体的にどれほどあり、どれほどの被害額が生じていると把握されていますか。谷国務大臣、答弁を願います。
 第四次対日審査報告書においては、日本におけるテロ資金供与リスクは相対的に低いと評価されているほか、テロ資金供与の事案での起訴事例がないと指摘されています。我が国において、起訴に至らなかったものの、テロ資金供与の疑いが持たれた事例や未然に防いだ事例は過去にありましたか。谷国務大臣に答弁を求めます。
 また、同報告書において、テロ資金供与のリスクに対する評価と理解は、テロ対策の専門家からは示されていますが、その対策を担う他の行政当局の職員には及んでいないとの指摘がありました。認識が甘いと言わざるを得ませんが、この原因は何だと考えますか。この指摘を踏まえ、テロ資金供与のリスクについての行政当局内の周知をいかに徹底していくお考えなのか、谷国務大臣に伺います。
 第四次対日審査報告書において、過去にテロリストの活動に関係があった、あるいは活動の疑いがある国内グループのテロ資金供与活動については、現行のテロ資金提供処罰法の不備によってカバーされていないと指摘されました。
 本法案においては、一定の犯罪行為を特定犯罪行為と定義し、テロ資金提供処罰法の処罰の対象を拡大していますが、これによって、先ほど述べた国内グループも処罰の対象に含まれ得るのでしょうか。また、現在は適法な活動のみを行っている国内グループについても、過去の違法な活動を基に、新たに同法による処罰の対象となり得るのでしょうか。谷国務大臣にお尋ねします。
 本法案により、リスク評価や実質的支配者情報の把握等を行うことが不可欠となるため、金融機関始め民間事業者の事務負担がかさむことが予想されます。特に、経営状況が芳しくない小規模事業者は取り残される可能性が捨て切れません。何より重要なのは、法の実効性が担保されることです。
 現段階で、今回の法改正後の事務負担増について事業者から懸念の声が届いていますか。また、実効性を担保するために、全ての対象事業者が法令を遵守するよう徹底する必要がありますが、いかなる対策を講じていくお考えですか。谷国務大臣に答弁を求めます。
 マネーロンダリング対策のためには、金融機関での口座開設の際に本人確認を厳格に行うことが鉄則です。本人確認を迅速かつ確実に実施できるようにするためには、デジタル技術を積極的に利活用してしかるべきだと存じますが、谷国務大臣の見解を伺います。
 第四次対日審査報告書において、FATFによる四十の勧告のうち唯一不履行とされたのは、NPOのテロ資金供与への悪用防止を求める勧告八に関してです。我が国はNPOに対して十分な措置を行っていないと指摘されました。
 今年五月のマネロン・テロ資金供与・拡散金融対策の推進に関する基本方針では、NPOのテロ資金供与リスクについて適切に評価を行い、リスクベースでモニタリングを実施すること、並びにリスク及び対策に関する好事例に関する周知を行うとされています。
 政府は、これらの取組がNPOのテロ資金供与への悪用防止にどの程度寄与するとお考えですか。これによって勧告八の評価が改善される見通しだと言い切れますか。また、NPOの悪用防止を徹底するために、リスク評価やモニタリング等の取組を法で義務づけるなど、特定非営利活動促進法を改正することも一案と考えますが、いかがですか。いずれも谷国務大臣にお答え願います。
 近年、FATFにおいては、環境犯罪について高い関心が持たれています。第四次対日審査報告書においても、前提犯罪となる環境犯罪の範囲が不十分であると指摘され、あらゆる重大犯罪への資金洗浄罪の適用を求める勧告三について、おおむね遵守とされました。
 環境保護団体からは、これまで環境犯罪を理由にマネーロンダリング等として検挙された事例がないことを踏まえ、環境犯罪を重大なリスク分野として捉えた上で、環境犯罪への対策を速やかに導入すべきだという意見も出ています。
 こうした状況の下、政府として、環境犯罪への対応を強化する必要があるとお考えですか。必要だとすれば、具体的にどのような対策を講じていく方針なのか、谷国務大臣にお伺いをいたします。
 本法案は四省庁六法案の一括法案として提出されていますが、マネーロンダリング対策等は政府全体で取り組む課題であります。各省庁の施策の統一性を図り、縦割り行政を排除する観点から、マネーロンダリング対策等に係る法律を一本化して対処するのがあるべき姿ではないですか。官房長官に答弁を求めます。
 インターネットの飛躍的普及などに伴い国際犯罪は日々巧妙化しており、国際社会が一致結束して矢継ぎ早に対策を打っても、イタチごっこの状況が続くことも十分想定されます。ゆえに、マネーロンダリング対策については、日本としても、FATFの第四次審査報告書に対応するだけでは十分とは言えません。
 来年、我が国はG7の議長国でもあります。FATFに指摘されてから動くのではなく、今後も、国際的な要請に鑑み、一切の抜け道を遮断するために、我が国が主体的かつ不断に対策を検討し、国際社会をリードしていくべきではないですか。政府の見解と具体的な対応方針を併せて官房長官に伺います。
 マネーロンダリング対策等をめぐっては、政府の組織体制も強化してしかるべきです。
 この点、改正法の施行に伴い、疑わしい取引の届出件数が増加すると見込まれるため、警察庁の組織体制を強化する必要があると考えます。
 また、第四次対日審査報告書への対応は内閣官房のFATF勧告関係法整備準備室で行っていますが、本法案成立後、どのように組織体制を構築していく方針ですか。
 そもそも、FATF勧告で度々不合格と判定される根本の原因に我が国の縦割り行政があり、今回も縦割りでばらばらに法整備が行われていますが、縦割り行政を根本から変革する必要があるのではないですか。併せて官房長官に答弁を求めます。
 東京、福岡と並んで、大阪では、経済の血液たる金融機能の強化を図り、ポストコロナに向けた大阪、関西経済の再生、成長の柱とするため、独自の個性、機能を持つ国際金融都市の形成を目指す国際金融都市OSAKA戦略に取り組んでいます。
 マネーロンダリング、テロ資金供与対策等で我が国が国際社会から後れを取れば、日本の金融システムの安定性や信頼性を損ない、東京、福岡、そして国際金融都市OSAKA戦略の行方にも暗い影を落としかねません。一方で、過度な規制が金融、経済に締めつけとならないようにするべきです。
 この点、今後有望な革新的技術、産業を育てる観点からも、政府として主体的にFATFに働きかけるなど、適切なルール作りを行うと同時に、FATFと確認しながらも、国際競争力を損なわないようにする運用を行っていくべきだと考えますが、財務大臣のお考えをお伺いいたします。
 また、そもそも、FATF勧告に対処する理由の一つが国際金融センターとしての地位の確保であれば、一方で、国際金融センターとしての地位向上のための施策を打っていくべきです。そのためには、特区制度を用いるなど特定地域に限定して、大胆な減税措置、在留資格の緩和、私設取引所の総量規制、競争売買規制の緩和など、人材や投資を呼び込むための施策を戦略的に打ち出すべきだと考えますが、金融担当大臣の御見解を伺います。
 政府に対しては、日本経済の成長を軌道に乗せるためにも、我が国が世界を牽引する決意と覚悟を持ってマネーロンダリング対策等に取り組んでいただくと同時に、金融、経済に過度な制限とならぬよう、適切な制定、運用が行われることを強く求め、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣谷公一君登壇〕

発言情報

speech_id: 121005254X00720221108_015

発言者: 岩谷良平

speaker_id: 33412

日付: 2022-11-08

院: 衆議院

会議名: 本会議