谷公一の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(谷公一君) 岩谷良平議員の御質問にお答えします。
 まず、我が国においてマネーロンダリングが疑われる事案の数と被害額について御質問いただきました。
 令和三年までの三年間において、組織的犯罪処罰法及び麻薬特例法上のマネーロンダリング罪の行為で検挙された件数は一千七百六十九件でした。
 また、マネーロンダリング事案の被害額について網羅的に把握しているものではありませんが、この三年間に組織的犯罪処罰法及び麻薬特例法の規定により没収、追徴が言い渡された犯罪収益等の合計額は約六十七億円と承知しております。
 次に、テロ資金供与のリスクについて御質問いただきました。
 御指摘のとおり、我が国ではテロ資金供与に係る検挙事例はないものの、例えば、テロ資金供与との関連が疑われる取引について、特定事業者から疑わしい取引の届出がなされている事例はあるものと承知しております。
 このほか、過去には、ライフルスコープを不正にインドネシアに輸出したとして外国為替及び外国貿易法違反で逮捕された在日インドネシア人二人のパソコン等に、イスラム過激派の思想に共鳴していたと見られる画像等が保存されていた事例などもあったと承知しております。
 次に、テロ資金供与についての行政当局における理解と今後の周知について御質問いただきました。
 行政当局の一部においてテロ資金供与のリスクの理解が不足しているとの指摘に関しては、当該部局におけるテロ資金供与のリスクに関する啓発等が必ずしも十分でなかったことも一因であると考えております。
 今回の指摘も踏まえつつ、国家公安委員会が公表する犯罪収益移転危険度調査書においては、テロ資金供与のリスクに関する理解を促進するため、最新の国際テロ情報等を記載したほか、令和三年八月に設置した警察庁と財務省を共同議長とするマネロン・テロ資金供与・拡散金融対策政策会議を活用して必要な情報交換を行うなどしているところであり、引き続き、関係省庁間でのテロ資金供与のリスクに関する共通認識を醸成してまいります。
 次に、テロ資金提供処罰法に特定犯罪行為を新設した場合の処罰対象について御質問いただきました。
 今回の改正は、FATFの勧告に対応し、国際協調によるテロ資金対策をより十全にするため、テロ資金供与防止条約及び各関連条約の文言に則して新たに定義した特定犯罪行為を資金提供等の罪の対象に追加するものです。新たな処罰規定は改正の施行後の行為にのみ適用されますので、処罰規定が施行前の過去の行為に遡って適用されることはなく、そのような過去の行為が新たに処罰の対象となるということはありません。
 次に、事業者の事務負担について御質問いただきました。
 FATF勧告対応法案には、例えば、暗号資産交換業者が暗号資産の移転時に送付人、受取人の情報を通知する義務や、法律、会計等専門家が特定の行為を受任、代理する場合の確認義務等が盛り込まれておりますが、現段階で、事務負担増について事業者から強い懸念の声があるとは承知しておりません。
 関係省庁における事業者の監督等を通じて法令遵守の徹底を促し、また、この法案の改正事項についての御理解と御協力を得られるよう、引き続き、関係省庁と連携して、丁寧な説明等に取り組んでまいります。
 次に、金融機関が行う本人確認におけるデジタル技術の利活用について御質問いただきました。
 政府としては、本人確認においてデジタル技術の利活用は有効であると考えており、これまでも、犯罪収益移転防止法の施行規則を改正するなど、環境整備に努めてまいりました。
 こうした中、金融機関においては、公的個人認証サービスの署名用電子証明書を用いた方法や、オンラインで顧客から顔写真つきの本人確認書類と容貌の画像の送信を受ける方法の導入が進みつつあると認識しており、引き続き、デジタル化の進展を踏まえつつ、実効的なマネーロンダリング対策を実施してまいります。
 次に、NPOのテロ資金供与について御質問いただきました。
 現在、FATF対日審査での指摘を踏まえ、NPOを所管する関係府省を中心に、NPOのリスク評価やテロ資金供与対策に関する周知など、マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策に関する行動計画で掲げている取組等を行っており、これらの取組を着実に進めることにより、第四次審査のフォローアップにおいて相応の評価が得られるものと期待しています。
 NPO法人に関しては、昨年八月のFATFによる対日審査報告書において、リスク評価を実施し、リスクベースアプローチによりモニタリングを実施すること等が政府に対して求められたところです。
 これを受けて、内閣府において、NPO法人のテロ資金供与リスクに関する文書を取りまとめ、本年六月に全国の所轄庁等へ通知することでモニタリング等の実施を依頼するとともに、テロ資金供与への悪用を防止するためのガイダンスを作成し、全国のNPO法人に周知したところです。
 引き続き、所轄庁等を通じてモニタリングを行うとともに、必要に応じて、特定非営利活動促進法等に定める権限を適切に行使し、NPO法人に係る対応を進めてまいります。
 最後に、環境犯罪への対応について御質問いただきました。
 捜査当局においては、従来から、環境を汚染する不法投棄等の悪質な廃棄物事犯や、生物多様性に影響を及ぼす野生動植物の不法取引事犯など、いわゆる環境犯罪の取締りを強化しているものと承知しています。
 また、このような犯罪が組織的犯罪処罰法における犯罪収益の前提犯罪である場合には、その犯罪収益は没収、追徴の対象となり、犯罪収益の隠匿などの行為はマネーロンダリング罪の処罰対象となります。
 今回の法案によりマネーロンダリング罪の法定刑が引き上げられ、没収可能な犯罪収益の範囲が拡大されることとなった場合には、捜査当局や裁判所において、法改正の趣旨を踏まえて関係規定が適用されることとなるものと考えています。(拍手)
    〔国務大臣鈴木俊一君登壇〕

発言情報

speech_id: 121005254X00720221108_016

発言者: 谷公一

speaker_id: 2433

日付: 2022-11-08

院: 衆議院

会議名: 本会議