鈴木敦の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○鈴木敦君 国民民主党の鈴木敦です。
 会派を代表して、ただいま議題となりました法律案について質問いたします。(拍手)
 我が国周辺のみならず、世界において軍事的な脅威が一段と増している昨今において、テロや大量破壊兵器の開発等の資金源を断つという取組は、本来、アジアにおいて最も脅威にさらされている地域に位置する我が国が主導しなければならない課題でありました。
 その我が国が、FATFの評価で、英国、香港より一段下の重点フォローアップ国の指定を受け、三年間にわたって改善状況を報告せねばならなくなったことは誠に残念です。本勧告に従い速やかな是正を行うことはもちろんですが、その実効性を担保するために、以下質問いたします。
 我が国の周辺には、大量破壊兵器あるいはその運搬手段となり得る長距離ミサイルを実際に保有している国家がありますし、特に新規に配備するための開発等を行う国家も存在しています。多額の費用がかかるにもかかわらず、数々の制裁を物ともせず開発、実験を続けることができているのは、その制裁に穴があるからだと言わざるを得ません。
 特に北朝鮮による大量破壊兵器、ミサイル開発等は、その実験過程において長距離弾道ミサイルを我が国上空を通過する軌道で発射するなど、極めて深刻な問題です。
 その北朝鮮は、ハッキング等により昨年一年間で合計七件、合計三・九五億ドル相当の暗号資産等を窃取し、これが大量破壊兵器や弾道ミサイル等の研究開発費用の原資となっています。
 まず、これら窃取された犯罪収益に対する法体系について伺います。
 犯罪収益が没収できる前提犯罪の範囲については、法定刑が四年以上の懲役などに限定されており、現行の日本の法体系では全ての犯罪を網羅できていません。
 例えば、不正アクセス禁止法における不正アクセスは、法定刑が三年以下の懲役なので、犯罪収益を没収できないことになります。IDやパスワードの不正使用、ハッキング行為など、まさに北朝鮮が行っている方法ですが、これら不正アクセスにより得られた収益が没収できない可能性があります。現状は、法の網に穴が空いていると言っても過言ではありません。
 本法律案では、没収を可能とする前提犯罪を拡充する規定はありません。前提犯罪は可能な限り漏れのないように拡充すべきと考えますが、法務大臣の御見解を伺います。
 また、本法律案の中には、暗号資産等に係る更なる措置として、トラベルルールや資産凍結の強化等がうたわれていますが、より実効性を担保するためには、サイバーセキュリティーの観点からも併せて議論し、金融インテリジェンス能力の向上を図るべきと考えますが、国務大臣の御所見を伺います。
 我が国のマネーロンダリング、テロ資金供与及び拡散金融対策に係る法律とそれを実施する所管省庁は、複雑かつ多岐にわたります。そのため、本法律案は、四省庁にわたる六法案を改正する束ね法案として提出されております。
 まずもって、マネロンや拡散金融に対する法律体系と所管行政機関の在り方が非常に複雑であると感じざるを得ません。FATFの報告書でも法的枠組みの複雑さについて言及しておりますが、複雑多岐にわたる法体系と実施体制が迅速かつ漏れのない対処に対する一つの障害となっているのではないかと危惧しています。
 今回、六つの法律を改正することとなりますが、将来的によりシンプルな法体系とすること、また、金融インテリジェンスに係る各種情報を評価し関係機関を統括して戦略を立案する組織を構築する必要があると考えますが、谷大臣の御見解を伺います。
 FATFの勧告は、世界の二百を超える国、地域がコミットするグローバルな基準ですが、FATFの対日相互審査報告書に全体を通して指摘されているとおり、日本政府全体の金融インテリジェンスの重要性についての認識、これを包括的にコントロールすることにより、マネロンや拡散金融に対処することが安全保障に直結していくという危機意識を強化すべきです。金融インテリジェンスの強化は安全保障の一環です。
 昨今、日本周辺の安全保障環境の悪化から、防衛力強化の議論が盛んに行われておりますが、我が国で整備が遅れているインテリジェンス部門を強化することが安全保障をより確かなものにすると信じます。国際機関から指摘を受ける前に我が国が率先してマネロンやテロ資金供与、拡散金融に対して実効性ある体制を取ることが、ひいては我が国の安全保障の強化につながることをお訴えして、私の質問といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣葉梨康弘君登壇〕

発言情報

speech_id: 121005254X00720221108_020

発言者: 鈴木敦

speaker_id: 28437

日付: 2022-11-08

院: 衆議院

会議名: 本会議