大口善徳の発言 (本会議)
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○大口善徳君 公明党の大口善徳です。
私は、ただいま議題となりました、消費者契約法及び独立行政法人国民生活センター法の一部を改正する法律案及び法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案について、公明党を代表して質問いたします。(拍手)
世界平和統一家庭連合、旧統一教会に関して、過去数十年にわたり多くの被害が生じました。配偶者の入信をきっかけに高額の献金等により家族崩壊に至ったり、いわゆる宗教二世の方が生活に困窮して進学を断念し、あるいは心理的な虐待を受けるといった痛ましい現実も明らかになっています。こうした被害に現在も悩み苦しんでいる方々が大勢いらっしゃいます。
被害者の方々を何としても救済したいとの思いから、我が党においても、消費者問題対策本部において、被害者を支援していただいている弁護士の方、また消費者庁の検討会の有識者の方々等と精力的に意見交換を重ねてまいりました。十月二十八日には、新たな法制度の整備を含め、霊感商法等による被害の救済及び防止に向けた提言として取りまとめ、政府に対して実効性のある対策を強く求めたところであります。
こうした中で、本年十月以降の真剣な九回に及ぶ与野党協議や幹事長会談での議論も踏まえ、今般、政府から、消費者契約法等の改正法案と新法、寄附不当勧誘防止法案が国会に提出されました。
被害者救済と被害の未然防止のためには、憲法を含む我が国の法体系の中で真に実効性のあるものでなければなりません。この観点から、以下、質問をいたします。
まず、我が党の提言には、現在被害に苦しんでいる方々の救済のために、総合法律支援体制、法テラスの充実強化を始め、旧統一教会をめぐるいわゆる宗教二世の方の生活支援や心身のケア等の支援、国民生活センターが行う紛争解決機能の拡充や強化、宗教法人法の質問権、報告徴収の適正な行使などを盛り込みました。
被害者が確実に救済されるようにすることが極めて重要であると考えますが、現在の被害者救済に向けた政府の取組について、総理に伺います。
現在の消費者契約法には、霊感商法に係る取消権の規定があります。その要件が厳しく、また行使期間も短いため、現在問題となっている旧統一教会関連の寄附、献金に係る被害に十分に対処できないと指摘されています。こうした問題意識から、今般、消費者契約法の改正案と新法案が提出されました。
消費者契約法改正案は、霊感商法に係る取消権の対象範囲の拡大とその行使期間の延長を内容としています。また、新法案では、消費者契約法の対象とならない寄附を含めた寄附一般について、社会的に許容し難い悪質な勧誘行為を禁止し、寄附の取消しや違反行為に対する行政措置、刑事罰、子や配偶者等に生じた被害の救済の措置を盛り込んでいます。
これらの法案により、被害者救済や被害の未然防止が十分に図られるのか、改めて、改正法案と新法案の意義について、総理に伺います。
次に、新法案の各条文について伺います。
まず、第三条では、旧統一教会の問題を踏まえ、寄附の勧誘を行うに当たっての配慮義務が規定されています。その第一号は、いわゆるマインドコントロール下での被害実態に対応するため、寄附の勧誘に当たって、個人の自由な意思を抑圧し、その勧誘を受ける個人が寄附をするか否かについて適切な判断をすることが困難な状況に陥ることがないように配慮しなければならないと規定しています。
この規定を含む第三条各号の規定は、法人等の勧誘によってもたらされる結果としての個人の状態に着目したものとなっており、旧統一教会の事例に即して、被害者救済や被害防止の実効性を高めるためにかなり工夫されたものと考えていますが、この規定の意義について、総理に伺います。
さらに、第四条について伺います。禁止される寄附の不当な勧誘行為のうち、霊感商法に係る勧誘行為について、同条六号では、不安をあおり、又は不安を抱いていることに乗じて、重大な不利益を回避するためには当該寄附をすることが必要不可欠である旨を告げて困惑させる行為が禁止行為とされています。
この規定の必要不可欠の文言について要件が狭過ぎるとの批判がありますが、必要不可欠について、解釈上どのような事例まで含まれると考えればよいのか、また、不安を抱いていることに乗じて困惑させるの定義について、救済の実効性の観点から、総理の御所見を伺います。
また、旧統一教会に関する被害事例では、借金をさせ、家や土地を処分させるなどの事例が報告されています。この点を捉えて、寄附の上限規制の目安が必要との主張もされています。他方、年収等に応じて上限の目安を設ける場合、法人等から年収に関する情報の提供を求められるなど、悪用による更なる被害の増大が懸念されます。
そこで、第五条は、借入れや、居住用の建物、敷地や生活の維持に欠くことができない事業用の資産の処分による資金調達の要求を禁止することによって、実質的に上限規制を設ける機能を果たしています。また、行為規範として明確であり、裁判実務上立証しやすいと考えますが、この点について、総理の御所見を伺います。
次に、第六条及び第七条は、禁止される寄附の勧誘行為を行う法人等に対する報告徴収、勧告、命令、公表の行政措置や刑事罰の規定です。行政措置や刑事罰等は、取消しという民事上の効果とは異なり、強い制裁及びそれに至る手続となります。そのため、新法案では、その対象となる行為に関し、悪質な禁止行為が繰り返し行われる場合に限定されています。
第六条では、禁止行為規制の施行に関し特に必要と認められるときは、その必要の限度において報告を求めることができると規定されていますが、具体的にどのような場合を想定しているのか。
また、第七条では、不特定又は多数の個人に対して禁止行為に違反する行為をしていると認められる場合において、引き続き当該行為をするおそれが著しいと認めるときに勧告することができると規定されていますが、具体的にどのような場合か、併せて総理に伺います。
また、第十条は、子や配偶者の救済のために、債権者代位の特例を定めています。親子の関係では、債権者代位権を行使することによって、不当な寄附の勧誘行為により親が寄附して生活が困窮した場合に、子供が持つ扶養を求める権利等に基づいて、その権利の保全に必要な範囲で親に代わって寄附を取り消し、取り戻すことができます。また、親が行った寄附の取消しについては、親本人の自己決定権や財産権への配慮も必要となります。
新法案は、現在の法律では認められていない、将来にわたる債権についても保全の対象とし、供託させることを特例的に認めるものでありますが、憲法との関係も含め、この措置の実効性について、総理の御所見を伺います。
旧統一教会に関して、大変痛ましい被害が長期間にわたり継続して発生してきました。このような被害を二度と繰り返さないためにも、被害者救済、被害の未然防止のための実効性のある法案の速やかな成立が不可欠であり、立法府にある私たちの責務でございます。
最後に、改正法案及び新法案に込められた総理の思いと、各法案の早期成立に向けた総理の御決意を伺い、質問を終わります。
御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕