田中健の発言 (本会議)
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○田中健君 国民民主党の田中健です。
私は、国民民主党を代表しまして、ただいま上程されました、法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案、消費者契約法及び独立行政法人国民生活センター法改正法案について質問します。(拍手)
今年七月に起きた安倍晋三元首相の銃撃事件。その後、旧統一教会の問題が明らかになる中、主に二つの論点に焦点が当たりました。一つは、献金被害に遭った人をどう救済するか、もう一つは、旧統一教会という宗教法人を解散させるべきかという議論です。これらの問題をどう解決できるのか、質疑をいたします。
まず、寄附の勧誘についてお尋ねします。
新法の枠組みが分かりづらくなっているのが、配慮義務という言葉です。寄附に関して、配慮義務という大枠の中に特に悪質である禁止行為を定め、違反をした場合の罰則規定を設けたと理解をしておりますが、そもそも、配慮義務の内容自体も行ってはいけないことであります。だからこそ、今回、民法による不法行為の認定の容易化を定め、被害防止をうたっているのではないでしょうか。
参考にした公益法人法第十七条は、同様の内容で禁止行為と位置づけられています。配慮したからと言って逃げられることのないように、しっかりと禁止行為と分かるようにすべきではないかと考えます。
配慮義務の考え方、そして禁止行為と定めなかった理由を総理に伺います。
家族の救済についてお尋ねします。
献金をどう扱うかは、自分の財産の使い道は自分で決めるという基本的な財産権との衝突をどう回避していくかが大きな問題です。その中で、親の過度な献金によって修学旅行に行けない、奨学金まで献金され進学の道が閉ざされるなど、子供たちの不利益を確実に救済しなくてはなりません。
今回の新法では、第三条の中で、配偶者若しくは親族の生活の維持を困難にすることのないようにという配慮義務が定められていますが、これはどこまでを指すのでしょうか。
また、債権者代位権の特例が設けられ、家族による寄附の取消権行為が可能になることは評価をいたしますが、この実効性が問われています。担保を確保するために、保全すべき子供の養育のための必要経費として、何歳までに幾らの基準を詰めておく必要があると考えます。
養育費算定基準などを活用し、債権者代位制度の実効性をまず検証した上で基準策定を進め、宗教二世の立場に立って、でき得る限り十分な救済可能性を確保することを求めます。総理の見解を伺います。
被害者支援についてお尋ねします。
被害回復のために、法テラスと関係機関、関係団体等の連携による利用しやすい相談体制の整備等、必要な支援に備えるとありますが、これまでその役目が果たせてきたとは言えません。
旧統一教会でいえば、人権問題、虐待問題、消費者問題や経済問題と、様々な課題が混在をしています。法務省が中心となっていくとのことですが、省庁を横断した連絡会議をつくるなど、具体的な取組をどのように進めていくのか、法務大臣に伺います。
あわせて、法律相談にとどまらず、脱会ケアとして、心理相談や社会復帰施設のカウンセリング等、幅広い支援も必要と考えますが、総理の見解を伺います。
宗教法人法との関係についてお尋ねします。
宗教法人法は、規制するというよりも信仰の自由を守るものといった考えがありますが、正体隠しや身分を偽っての伝道などは、むしろ、個人の信教の自由を害する行為と言えます。
総理は、寄附の勧誘を行う法人等を特定できる事項を明らかにすることを配慮義務として定めることにより、これに反する行為があった場合に、不法行為に基づく損害賠償請求による救済が容易になると考えます、よって、正体を隠すということはこれに反することになると予算委員会で述べられました。そうであるなら、新法案第三条に違反した場合には、宗教法人法八十一条一項一号の法令に違反に当たり、同法の解散命令の対象になり得るということでよいのか、総理、明確に答弁を願います。
さらに、法人等が寄附の勧誘に際して、個人に対して念書を作成させ、あるいはビデオ撮影をしているということ自体が法人等の勧誘の違法性を基礎づける要素の一つとなるとも総理は述べられています。これは、宗教法人法八十一条一項二号の宗教団体の目的を著しく逸脱した行為に当たるのではないでしょうか。つまり、これらの行為も同法の解散命令の対象になり得るということでよいのか、総理、明確に答弁を願いたいと思います。
また、新法では、内閣総理大臣が第四条、五条の規定に違反した団体に報告、勧告、命令、そして刑事罰までの権限が与えられ、行政権だけでの判断が可能となります。今法案は宗教法人だけではなく全ての法人への適用ではありますが、宗教法人法のように司法の判断が入らないことになった経緯とその理由を総理に伺いたいと思います。
最後に、そもそも、三十年来政治が放置してきたとも言える旧統一教会の問題をこの臨時国会の短い期間で解決することに無理があったということは事実ではないでしょうか。
今後、宗教法人法の改正による献金規制の在り方、また、カルト対策の本質的な議論が必要になってくると思いますが、総理の決意を伺い、質問を終わりたいと思います。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕