岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 宮本徹議員の御質問にお答えいたします。
 旧統一教会問題の被害者救済への国の責任についてお尋ねがありました。
 政府として、旧統一教会による霊感商法や多額献金による被害者の方々が存在するということを深刻に受け止めております。
 だからこそ、政府として、旧統一教会問題に関し、宗教法人法に基づく報告徴収、質問権の行使等を通じた事実把握、実態解明、相談体制の強化等による被害者の救済、今後同様の被害を生じさせないための法制度の見直し、この三つの対策を国として責任を持って進めてまいります。
 統一教会の献金被害の実態に即した規制についてお尋ねがありました。
 いわゆるマインドコントロールによる寄附については、多くの場合、不安を抱いていることに乗じて勧誘されたものと言え、新法案による取消権の対象となると考えられます。また、寄附当時は自分が困惑しているか判断できない状態であったとしても、脱会した後に冷静になって考えると、当時、不安に乗じられて困惑して寄附をしたということであれば、そのような主張、立証を行って、取消権を行使することが可能であると考えられます。
 また、取消権の対象とは明確に言えない場合についても、今回措置する配慮義務規定に抵触し、民法上の不法行為認定に基づく損害賠償請求により、被害救済に対応できると考えております。
 取消権及び第四条第六号の禁止行為の対象となると判断される基準についてお尋ねがありました。
 御指摘のような事案では、事後的に寄附当時困惑していたと考え、その寄附が、不安をあおり、又は不安に乗じ、重大な不利益の回避のために寄附が必要不可欠である旨告げるという不当な寄附の勧誘行為によるものであることが、勧誘者の持参した資料や当時の記録、本人や周囲の供述等により総合的に認められる場合に、取消権や禁止行為の対象となります。
 入信当初と寄附の勧誘にタイムラグがある場合等の取消権の取扱いについてお尋ねがありました。
 御指摘のような場合でも、入信前後から寄附に至るまでが一連の寄附勧誘であると判断でき、また、事後的に寄附当時困惑していたと考えた場合には、取消権の対象になると考えています。
 また、入信前後から寄附に至るまでが一連の寄附勧誘と判断できない場合であっても、入信時に抱かされた不安が継続している場合には、法人等がこれに乗じて寄附の勧誘をすれば、新法案の第四条第六号の不安を抱いていることに乗じての要件を満たすことから、取消権の適用対象になると考えています。
 条文の解釈の明確化についてお尋ねがありました。
 新法では、行政としての姿勢を示す観点から、法人等の行為の類型を可能な限り客観的で明確なものとして規定するなど、可能な限り要件が明確となるよう条文化を進めてまいりました。
 法律の解釈についてその全てを条文化することは困難ですが、法案が成立した際には、個別の事例に即して条文の適用可能性を示し、法律の周知を図り、その適切な活用を促進してまいります。
 配慮義務についてお尋ねがありました。
 御指摘のような、入信当初と寄附の勧誘にタイムラグがある場合であっても、入信前後から寄附に至るまでが一連の寄附勧誘であると判断できる場合には、配慮義務規定の対象となります。
 また、入信前後から寄附に至るまでが一連の寄附勧誘であると判断できない場合であっても、入信時に、寄附に関する適切な判断が困難な状況に陥っている個人に対し更に行われる寄附の勧誘については、より一層、個人の自由意思を抑圧する行為と言え、配慮義務規定の対象になると考えられます。
 配慮義務規定全体を禁止規定とすべきとの御指摘ですが、禁止行為は、法人等がどのような行為をしてはならないか的確に認識できるよう、その類型及び要件を可能な限り客観的で明確なものとして規定すべきと考えられます。
 一方、配慮義務については、適切な判断をすることが困難な状態等、勧誘によってもたらされる結果としての個人の状態を規定しています。これは、いかなる行為によるものであったとしても、寄附勧誘の際にはそのような結果をもたらさないようにすべきという規範を示すものであり、禁止行為とする場合よりも、こうした結果を招く、より幅広い行為を捉えることができるため、民法上の不法行為認定及びそれに基づく損害賠償請求を容易にする効果が高いと考えております。
 債権者代位権についてお尋ねがありました。
 債権者代位権は、債権者が自らの権利を守るために必要な範囲で債務者の有する第三者への債権を行使できるようにする制度です。
 この制度は、本人が無資力であることが前提となりますが、今回の新法では、将来の債権の保全を可能とするなど、制度を活用しやすくすることで、家族らの被害救済につながると考えております。
 また、家族の住居や生活維持のために欠くことのできない事業用資産を処分して寄附資金を調達することを求める行為を禁止するとともに、寄附勧誘に当たって、寄附者やその配偶者、扶養家族の生活の維持を困難にすることがないようにすることを配慮義務として規定しています。
 これらの禁止規定や配慮義務の規定により、家族自身に対する民法上の不法行為の認定やそれに基づく損害賠償請求が容易となり、被害救済の実効性も高めることができると考えております。
 こうした債権者代位権の適切な行使や損害賠償請求などを通じ被害回復を図ることができるよう、法テラスと関係機関が連携した相談体制の整備や訴訟費用の支援なども進めてまいります。
 なお、債権者代位権の特例に関する規定については、他の規定と同様、規定の施行の状況及び社会経済状況の変化を勘案し、適切に見直してまいります。
 そして、寄附のための資金調達要求及び取消権の行使期間についてお尋ねがありました。
 御指摘の生命保険については、それが現在の生活の維持に重要な財産である場合には、その解約による寄附を勧誘することは個人や家族の生活の維持を困難にすることがないよう配慮する義務に抵触すると考えられます。このため、こうした寄附勧誘があった場合には、民法上の不法行為認定及びそれに基づく損害賠償請求が可能であると考えられます。
 一方で、現住居の不動産等とは異なり、現在の生活の維持に重要でない場合も想定されることから、その解約による寄附資金の調達の禁止までは定めなかったものであります。
 また、取消権の行使期間については、民法よりも取消し対象が広がることとの比較考量で短くなる一方で、権利を適切に行使することができない状態から脱するために相応の期間を要する事例があることを踏まえ、寄附の意思表示をしたときから十年間とするなど、いわゆるマインドコントロール以外の類型の取消権の行使期間よりも長い期間を設定することとしております。
 そして、解散命令請求についてお尋ねがありました。
 旧統一教会については、御指摘の解散命令の請求の適否を判断するためにも、まずは報告徴収、質問権を行使するとともに、弁護士の団体等からの情報も得て、旧統一教会の業務等に関して具体的な証拠や資料などを伴う客観的な事実を明らかにし、法律にのっとり、必要な対応を行ってまいります。
 このため、十一月二十二日に所轄庁たる文部科学大臣が宗教法人法に基づき報告徴収、質問権を行使したところであり、今後もスピード感を持って適切に対応するものと考えております。
 そして、旧統一教会との関係の調査についてお尋ねがありました。
 閣僚を含む多くの議員が、社会的に問題がある旧統一教会、その関係団体と接点を有していたことが明らかになり、国民の皆様の政治への信頼を傷つけたことを率直におわび申し上げます。
 自民党においては、各議員それぞれが、旧統一教会との過去の関係を八項目に分けて詳細に点検、報告し、新たな接点が判明した場合には、その都度、追加的に報告、説明を行い、今後は関係を持たないことを徹底することを方針としております。
 大切なことは、未来に向かって関係を絶つことであります。自民党においては、旧統一教会及び関係団体と一切関係を持たない方針であることを踏まえ、既にガバナンスコードを改定し、対応方針について党所属全国会議員及び全国都道府県連に対して通知をしたところであり、これを徹底してまいりたいと考えております。(拍手)

発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2022-12-06

院: 衆議院

会議名: 本会議