田村まみの発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。
 質問に先立ち、一言申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の世界的流行から約三年が経過しました。感染拡大を予防する等の見地から、国民や事業者は制約された環境下での行動や営業活動を余儀なくされる中、法務省の人権擁護機関では、新型コロナウイルス感染症に関連した差別や偏見を解消するための人権擁護の取組を進めています。
 それにもかかわらず、感染拡大を防ぎ、国民の命と暮らしを守るためのこの感染症法の議論のさなかに、特に人命や人権に大きく関わる死刑執行という究極の司法行為、これについて軽んじる発言をする法務大臣は言語道断です。葉梨法務大臣は即刻お辞めになっていただきたいと申し述べておきたいと思います。
 それでは、ただいま議題となりました感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問をいたします。
 新型コロナウイルスは、今週に入って、感染者数の増加傾向から第八波の始まりではないかと言われ始め、国民の健康と命にとって大きな脅威であり続けています。
 こうした状況下で、本年九月に政府が決定した次の感染症危機に備えるための対応の具体策では、今後の法改正について、感染症法などについては改正法案を速やかに提出することとした一方、新型インフルエンザ等対策特措法などについては改正法案を来年の通常国会に提出することとしました。
 しかし、新型コロナ対応において数多く指摘されたのは、感染症医療に対する司令塔の欠如という根本的な問題です。
 また、特措法においても、緊急事態宣言下などにおける事業者への営業自粛活動の在り方など、様々な課題が指摘されています。これらの問題は相互に関係しており、感染症法は感染症法、特措法は特措法と切り分けて考えるべきではありません。
 しかも、この法案の施行日は大部分が令和六年四月となっており、第八波の到来が危惧されるインフルエンザとの同時流行に備えた病床確保や診療につなげるための地域の診療所の連携、体制整備が得られるものになっているとは言い難いです。
 岸田総理、感染症法だけ先に改正することとした理由はどこにあるのでしょうか。本来は両法案をまとめて提出すべきであったと考えますが、なぜ本法案だけを先行して提出したのか、見解を伺います。
 今回のコロナ禍で、日本の創薬力や医薬品流通体制が弱まっていることが浮き彫りになりました。
 今後のパンデミックに備えるために必要となる医薬品やワクチン確保とその開発に加え、国内で生産、製造できるようにするための設備投資策は打ち出されていますが、工場立ち上げ時の支援だけではなく、平時における製造拠点の維持管理や医薬品等の備蓄に係る財政支援も必要なのではないでしょうか。
 また、引下げありきの薬価改定が医薬品事業者の日本での経営持続性を危うくし、結果としてドラッグラグも再燃し、医療分野の経済安全保障を脅かしています。
 今後の我が国の薬価、薬価改定の在り方について、総理の見解を伺います。
 それでは、法案の内容について質問します。
 本法案では、都道府県が策定する予防計画について、記載事項を大幅に拡充するとともに、感染症に対する医療提供体制などについて新たに数値目標を定めることとしています。しかし、感染症医療については、二年前に成立した改正医療法により、令和六年度以降、各都道府県において、新たに感染事業に関する医療計画を策定することとなっています。
 都道府県が策定する計画はこれにとどまりません。特措法においても、各都道府県は、医療提供体制の確保に関する措置を項目に含む行動計画を策定することとされています。つまり、感染症医療だけで、予防計画、医療計画、行動計画と三つもの計画が重複することになるのです。
 今回の法案では、予防計画について、特措法の行動計画と医療法の医療計画との調和を図るとの規定が盛り込まれていますが、そもそも特措法に基づく都道府県の行動計画に対する実行性のチェックがおざなりであった点が課題であって、計画を作らせることで完結し、その中身や質を高めるといったことを担保する役割が果たされていませんでした。計画に対する実行性の担保が図られないまま同じような計画を作らせることにどのような合理性があるのでしょうか。総理の見解を伺います。
 また、今回の改正で疑問に感じたのは、感染症医療に関する医療提供体制の構築を感染症法に委ねたことです。
 そもそも、医療提供体制については、医療法において、国及び地方公共団体は、国民に対し良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制が確保されるよう努めなければならないと規定しているように、基本的に医療法において規定すべき領域だと理解をしています。
 医療機関との協定締結など、感染症医療の提供に関する個別具体的な仕組みを感染症法の体系に組み込むことで、感染症法の所管部局と医療法の所管部局の間で業務が競合することになるような事態が起きてしまうのではないでしょうか。加藤厚生労働大臣の見解を伺います。
 また、医療法では、医療提供施設相互間の機能の分担及び業務の連携を推進することとしていますが、新たな感染症法に基づき、都道府県が各医療機関と個別に協定締結を進めた結果、各医療機関の役割が固定化されてしまい、地域医療における一般医療を含めた機能分化、業務連携に支障が生じることはないのでしょうか。厚生労働大臣の所見を伺います。
 続いて、感染症対策物資の確保について質問いたします。
 本法案では、マスクなどの感染症対策物資の供給が不足し、感染症の発生予防等が困難になる場合に、厚生労働大臣が生産者や輸入業者に対して生産量や輸入量を増やすよう協力要請を行うことのほか、売渡しの指示等を行うことができるようにしています。
 しかし、こうした医療物資の供給確保については、特措法に基づく政府行動計画に既に記載がありますし、特措法自体にも生産事業者等に対して物資の売渡しを要請できる規定が盛り込まれています。
 新たに感染症法に規定を置くことで生産要請等の仕組みが重複することにはならないでしょうか。厚生労働大臣の見解を伺います。
 また、感染症対策物資は、医薬品、検査キット、酸素濃縮器、マスク、消毒用アルコールにとどまらず、様々なものが対象となるため、所管する大臣は厚生労働大臣だけではなく、多くの省庁にまたがることになります。
 本法案では、生産要請時などにおいて、厚生労働大臣に、業所管大臣が関与するスキームとなっていますが、それならば、政府が今後設置するとしている感染症対策の司令塔機能を担う組織に権限を一本化すべきではないでしょうか。
 なぜ感染症法にこのような規定を定めることとしたのか、総理の見解を伺います。
 次に、保健所の連携強化策について質問します。
 コロナ禍では、都道府県が設置する保健所と政令市等が設置する保健所の間で連携が十分に取れず、入院調整や情報共有などの面で様々な支障が生じたと指摘されています。
 本法案では、新たに都道府県に連携協議会を設置し、保健所相互間の平時からの連携体制を強化することとしています。しかし、こうした組織を新たに設けるだけで本当に連携体制が強化されるのでしょうか。
 ちなみに、今年三月に成立した改正職業能力開発促進法により、先月から各都道府県に職業訓練に関する協議会が設置されました。また、医療保険制度についても、来年以降、保険者協議会を必置化することが検討されていると承知しています。
 このように、最近の厚生労働省はすぐに地方に協議会をつくりたがるようですが、協議会の設置で本当に連携が実現されるのでしょうか。保健所や医療機関などのステークホルダーが積極的に関与し、高頻度に開催しなければ、先ほど指摘した計画などにおいても形式的なものにとどまってしまうのではないでしょうか。
 今回設置される連携協議会について、どのように実効性を確保していくつもりなのか、厚生労働大臣の見解を伺い、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 121015254X00620221111_025

発言者: 田村まみ

speaker_id: 4088

日付: 2022-11-11

院: 参議院

会議名: 本会議