倉林明子の発言 (本会議)
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○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
会派を代表して、ただいま議題となりました感染症法等改正案について質問します。
法案質疑の前に、統一協会問題と葉梨法務大臣の発言について総理に質問します。
統一協会の被害者救済は、党派を超えた国会の責務です。全党派によるオープンな協議、審議で今国会中に被害者救済の法制度をつくり上げる構えはありますか。
二度と被害を生まないために、統一協会との根深い癒着の根を絶つことが必要です。安倍派を中心に国会議員との関係強化を指示した文鮮明創始者の発言録が明らかになりました。これは個々の議員の問題とは次元の異なる、まさに自民党全体の問題です。安倍家三代と統一協会との関係を含め、政府・自民党として癒着の徹底解明に取り組むべきです。いかがですか。
一昨日の政治資金パーティーにおける葉梨法務大臣の発言は、法務大臣としてはもちろん、人としても許されないものです。発言撤回で済む問題ではありません。法務大臣の資格なし、葉梨法務大臣の罷免を求めるものです。
新型コロナの第七波は、感染者数一千二百万人超え、死者数一万四千人余りと、過去最悪の事態となりました。コロナがなければ失うことがなかった命を守ることができなかった政治の責任は極めて重大です。なぜここまで死者数が増えたのか、その要因について総理の説明を求めます。
第七波の京都の介護、福祉の現場からは、救急車で搬送されたが、結局受入先が見付からず、入院できずに施設に帰ってきた、入院を依頼したら認知症があるかと確認され、あると答えたら搬送先がないと言われたとの声が上がっています。大阪の福祉施設の現場では、クラスターが発生する中、職員にも感染者が相次ぎ、陽性の入所者を陽性の職員がケアに当たらざるを得ず、十日連続の泊まり込みを余儀なくされると、壮絶な事態となりました。必要な医療にアクセスすらできずに、施設や在宅に留め置かれたまま死亡するという事例が全国で起こったのが第七波だったのです。
総理は、三年ぶりに緊急事態宣言等の行動制限を行わずに今年の夏を乗り切れたと述べていますが、本法案の提案に当たって、救えるはずの命が救えなかったと、こういう反省こそ出発点とすべきではありませんか。
第七波では、コロナを受け入れてきた病院がかつてない逼迫状況となりました。入院患者の高齢化により、コロナは軽症であっても基礎疾患の重症化、介護負担の増大を伴い、多くの看護師の配置が避けられず、一般病床を閉鎖しても受け入れる患者数を減らさざるを得ない事態となりました。加えて、職員の感染が相次ぎ、救急の受入れ停止や制限に追い込まれる病院が全国に広がりました。数字の上で確保できていたはずのコロナ病床をフル稼働することは、やりたくてもできなかったのです。
入院が必要な人が入院できない事態にありながら、確保病床が稼働できなかった要因についてどう分析していますか。大臣の答弁を求めます。
本法案は、都道府県と医療機関が病床確保について事前に協定を結び、医療機関が正当な理由なく協定に沿った対応ができていない場合は、勧告、指示、病院名の公表などの措置が講じられることになります。とりわけ大学病院などの特定機能病院や地域医療支援病院には、診療報酬の加算が受けられなくなる承認取消しという重い罰則が科されます。感染拡大が抑えられなければ病床確保が達成できなくなることは、第七波で既に明らかです。
正当な理由なく確保病床が稼働できなかったと、こういう立法事実があったのでしょうか。明確にお示しいただきたい。
日本では、感染者数が第七波に達していなかった過去の波でも医療保健提供体制の逼迫を繰り返してきました。新興感染症によるパンデミックに対し、余りにも脆弱な体制をどう抜本的に再構築していくのかが求められています。ところが、コロナ禍にありながら病床削減を促進する補助金が継続され、これまでに民間病院の病床も含めて、令和二年、三年で五千六百十六床が削減されました。中長期的に見れば病床は減らす必要があるとの説明ですが、今やるべきことではありません。コロナ病床を確保するためにも、一般病床が必要なことは明らかです。消費税を財源とした病床削減のための補助金はきっぱり中止すべきです。
地域医療機構は、地域医療機構病院に対し、コロナ禍の令和二年九月に人員削減計画を進める通知を発出しております。第八波を前に医療提供体制の充実が求められる今、事もあろうに職員削減など到底容認できません。通知は廃止すべきです。
また、法案では、初動対応等を含む特別な協定を締結した医療機関に対し、新たな財政支援を行うとしています。新たな財政支援の対象をなぜ限定するのか。一定期間経過後の補助金や診療報酬の上乗せは具体的にどうなるのか。これまでの緊急包括支援事業に基づく交付金は継続されるのか。明確な御説明をいただきたい。
保健所の逼迫は非人道的な様相を呈しています。入院できるベッドが一つしかなければ、入院が必要な患者が三人いても一人を選ばなければならない、命のトリアージまでもが保健師に迫られました。新卒採用の保健師は、第四波のさなかで、本来の研修は全て省略、初日から電話対応、トイレがどこにあるかさえ終業後に教えてもらった、最初の週から終電を逃してタクシー帰宅、生きていることがしんどくなってマンションのベランダに足を掛けたことも。それでも続けてきたのは使命感との訴えは涙なしには聞けませんでした。保健所の職員は、命懸けでコロナ対応に当たっているのです。
保健所では、コロナ禍が始まってから過労死ラインを超える残業時間が恒常化しています。労基法三十三条三項で、公務のために臨時の必要がある場合においては時間外勤務や休日出勤をさせることができるとされていることにより、青天井で働かせることができるためです。公務員であっても、過労死ラインを超える働き方は許されてよいはずがありません。
平成二十一年の新型インフルエンザ対応を踏まえて策定された新型インフルエンザ対策総括会議報告書によれば、地方自治体の保健所や地方衛生研究所を含めた感染症対策に関わる危機管理を専門に担う組織や人員体制の大幅な強化が必要と指摘されていたにもかかわらず、拡充されることはありませんでした。十二年前の反省に立ち戻り、せめて保健所体制を削減前に戻す決断をすべきではありませんか。
地方衛生研究所の職員配置基準や施設基準などの法定化が求められているにもかかわらず、本法案には盛り込まれませんでした。公衆衛生の向上は憲法二十五条で規定された国の責務です。地方分権を口実にした先送りは許されません。法定化を強く求めるものです。
そもそも感染症法には、良質かつ適切な医療の保障が明記されています。これまでの医療・社会保障費の抑制政策の根本的な転換なしに日本における新興感染症対策の成功はあり得ないと申し上げ、質問といたします。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕