福島みずほの発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○福島みずほ君 立憲・社民共同会派の福島みずほです。
 立憲民主・社民の会派を代表し、質問をいたします。
 葉梨大臣が更迭をされ、齋藤健大臣になりました。山際大臣も更迭をされています。疑惑だらけで説明ができない寺田総務大臣も辞任、更迭されるべきではないでしょうか。このような総務大臣の下で国会の審議はできません。即刻辞任、更迭されるよう強く求めてまいります。
 統一教会問題に対する法務大臣の決意をまずお聞きします。
 統一教会については、何十年と霊感商法をやってきた統一教会の広告塔に多くの自民党の国会議員がなり、被害を拡大させてきたという問題と、政策がゆがめられてきたという二つの問題があります。統一教会は、霊感商法などによって人々の生活、人生、家族を破壊をしてきました。憲法に家族条項が必要だと言いながら、逆に家族を破壊してきたのです。
 政治は人を幸せにするためにあります。しかし、統一教会とタッグを組むことで人を不幸にしてきた自民党の政治とは一体何なんでしょうか。
 二〇〇五年頃、政治の力によって統一教会への捜査が止まったという警察官の証言を何人もの人が聞いています。政治の作為と不作為が両方問われなければなりません。統一教会への解散請求はなされなければなりません。
 法務大臣として今後どのように取り組むのか、決意をお聞かせください。
 統一教会などによって、ジェンダー平等、性教育、選択的夫婦別姓、同性婚、LGBTQの問題や様々な人権問題が後退し、阻まれてきたという問題があります。
 統一教会などの影響をなくし、日本が人権先進国としてこの国会で立法が進むようにすべきだと考えますが、法務大臣の決意をお聞かせください。
 法務大臣、葉梨前大臣の発言についてどう考えますか。
 葉梨前大臣は、死刑が人の命を奪うものであることを軽視し、法務大臣の仕事は死刑を執行することであると当然のことと考え、深く考えていなかったことが大問題ではないでしょうか。
 国連の自由権規約委員会で、日本の法制度について、十月十三日、十四日、審査が行われ、そして総括所見、勧告がなされました。その中で、死刑についても言及があります。
 パラグラフの二十一(a)死刑の廃止を検討し、必要に応じて、死刑廃止に向けた世論を喚起するための適切な啓発措置を通じて、死刑廃止の必要性について国民に周知すること。一方、締約国は、モラトリアムの確立を検討し、これを優先事項として、死刑犯罪の数を減らし、規約に従って死刑を最も重要な犯罪に厳格に限定することを確保すべきである。(c)死刑囚の再審請求や恩赦に執行停止効果を持たせ、死刑囚の精神的健康状態を独立したメカニズムで審査し、再審請求に関する死刑囚とその弁護士との全ての面会の厳格な秘密性を保証するなど、死刑事件についての必要的で効果的な再審査のシステムを確立すること。
 世界の趨勢は死刑廃止です。国家による殺人である戦争と死刑は廃止すべきです。この勧告をどう受け止めますか。
 再審請求中の死刑執行はすべきではありません。死刑台から再審無罪で生還した人は四人と言われていますが、冤罪で死刑判決を受けた人はほかにもたくさんいます。飯塚事件やハンセン病を理由に特別法廷で死刑になった菊池事件など、冤罪による死刑執行の可能性が極めて高いのです。取り返しが付きません。
 大臣、この勧告をどう受け止め、どう実現していきますか。
 自由権規約委員会は、入管制度、難民政策についても厳しく言及をしています。
 パラグラフ三十三(a)国際基準にのっとった包括的な難民保護法制を早急に採用すること。(c)仮放免中の移民に必要な支援を提供し、収入を得るための活動に従事する機会の確立を検討すること。(e)行政機関による収容措置に対する代替措置を提供し、入管施設における上限期間を導入するための措置を講じ、収容が、必要最小限度の期間のみ、かつ行政機関による収容措置に対して存在する代替措置が十分に検討された場合にのみ、最後の手段として用いられるよう確保し、移民が、収容の合法性について判断する裁判所の手続に実効的に訴え出ることができるよう確保する措置を実施すること。
 これをどう受け止め、実現していきますか。
 名古屋刑務所事件の死亡事件などがあり、当時の森山法務大臣は法務大臣の首と責任を懸けて監獄法の改正に着手し、法律が成立をしました。名古屋入管での死亡事件があり、だからこそ、齋藤法務大臣には、かつて提出し廃案になった法案ではなく、与野党で賛成できる国際水準の難民保護法案と入管法改正案を抜本的に作り、国会上程していただきたいのです。歴史に残る法務大臣になってください。
 選択的夫婦別姓、同性婚、LGBTQについても勧告で言及されています。
 まず、選択的夫婦別姓の実現についてお聞きをします。
 パラグラフ十五(c)社会における女性と男性の役割に関する固定観念が法の下の平等に対する女性の権利の侵害を正当化するために使用されないよう、民法七百三十三条と七百五十条の改正を含めて闘い続けなければならない。
 一九九六年の法制審議会の答申のうち、二〇一三年に婚外子の法定相続分の差別撤廃、今年、二〇二二年四月、成人年齢が十八歳になることに伴い、男女の婚姻年齢を同じにすることが実現し、さらに、今まさにこの国会で再婚禁止期間の廃止が実現しつつあります。残るは選択的夫婦別姓のみです。答申から二十六年、なぜこれだけが実現せず取り残されているのか。実現すべきではないでしょうか。
 同性婚やLGBTQについても、パラグラフ十一(b)同性カップルが、公営住宅へのアクセス、それから、及び同性婚を含む規約に定められている全ての権利を締約国の全領域で享受できるようにすること。(c)生殖器又は生殖能力の剥奪及び婚姻していないことを含む性別変更を法的に認めるための正当な理由で各要件の撤廃を検討すること。
 大臣は、同性婚のアンケートに対して、どちらかといえば賛成と答えています。同性婚の実現をすべきではないでしょうか。選択的夫婦別姓や同性婚を認めても、あなたの生活、人生、結婚に全く影響はありません。幸せな人をつくるだけなんです。増やすだけなんです。是非取り組むよう、よろしくお願いいたします。
 女性の再婚禁止期間は国連の女性差別撤廃委員会からも廃止が勧告されていたものであり、今回規定が削除されることは評価できます。
 今回上程されている嫡出推定規定に関する民法改正の立法趣旨の一つは、無国籍の子供たちをなくすということです。衆議院法務委員会で前大臣は、無国籍、無戸籍ゼロを目指し、無戸籍者をなくすことが法務大臣、法務省としての目標であり責務であると明確に述べられました。新大臣も同じ覚悟をお持ちですか。
 今回の民法改正の柱は、母親が再婚すれば子供も再婚相手、つまりは後婚の夫の子と推定し、出生届の提出ができるというものです。逆に言えば、再婚しなければ離婚後三百日以内に生まれた子供は前婚の夫の子と推定をされ、これまでどおりの扱いが続きます。母親は、前夫と交渉したり法的手続に訴えなければならないことに懸念を持ち、出生届を出さないという状況は変わりません。
 結婚解消後法律上の結婚をしなければ救済されない点は、多様化する家族形態の観点から疑問です。すぐ再婚して子供が生まれるということは簡単ではありません。
 現実的には、DV事案などの場合、離婚すること自体が厳しく、離婚後すぐ再婚するということのハードルは高いです。父母が様々な事情ですぐ法律上の結婚ができない場合に子供を救済できません。また、今回の法律案では、子供の出生時に再婚をしていなければ従前どおり前婚の夫の子供とされ、出産の日以降に再婚をしても再婚後の夫の子供にはなりません。母親の再婚の有無、またそのタイミングで子供の父が全く変わってしまうという規定にどこまで合理性があるのでしょうか。公平でしょうか。
 大臣や法務省の無戸籍ゼロへの覚悟とは裏腹に、母親が再婚しない、できないケースでは、結局、無戸籍の子供になってしまい、問題の解決にはならないと考えます。今回の改正での効果は極めて限定的で、無戸籍の子供を生じさせないという立法趣旨を満たすことはできないのではないでしょうか。
 嫡出というのは正当なという意味があると言われています。先進諸国ではそういう言い方をせず、婚外子、婚内子という言い方に変え、そもそもそのような区別をなくす方向にあります。嫡出という概念そのものを見直し、婚外子も含めた父親の推定規定の在り方まで進むべきではないですか。国会でも嫡出という言葉を見直すべきだと度々指摘されてきましたが、嫡出推定規定の見直しの際にその用語をどうするかが検討事項だとの答弁に終始してきました。では、今回の見直しの際に十分な検討がされたのでしょうか。それでもなお引き続き嫡出という言葉を民法で使用する意図をお示しください。
 また、出生届も問題です。嫡出子かそうでないかをまずチェックされる欄は変更されるべきではないですか。かつて法務省は、変えるべく戸籍法改正法案を作りました。今こそ上程すべきではないですか。
 国籍法三条三項の新設は大問題です。
 認知が無効になると遡及して国籍まで失ってしまうという重大な問題について質問をします。
 認知後何年経過しても、そして何歳になっても、取得した日本国籍を認知時などに遡って剥奪されてしまいます。何十年と日本で日本人として暮らしていても、仮に認知が無効になれば、日本人でなくなり、強制退去の対象になってしまいます。配偶者や子供、孫がいれば、その人たちも含めて強制退去の対象になります。日本人でなくなって無国籍になった場合、どこに強制退去させるのでしょうか。重大な人権問題となります。
 法案には、日本国籍が剥奪となることにより無国籍状態となる当事者についての例外、救済規定が全くありません。法務大臣は、この問題の認識がありますか。衆議院の法務委員会では、個々的に判断するという答弁もありました。どのように解決をされるのでしょうか。
 子供の虐待について質問をします。
 厚生労働省に設置された体罰等によらない子育ての推進に関する検討会の取りまとめにおいて、たとえしつけのためだと親が思っても、身体に何らかの苦痛を引き起こし、又は不快感を意図的にもたらす行為である場合は、どんなに軽いものであっても体罰に該当し、法律で禁止されますとの体罰の定義と具体例が示されています。
 体罰をする親は、往々にして体罰と思っておらず、適切なしつけだと考えています。今回の改正案の、親権を行う者は、子の人格を尊重するとともに、その年齢及び発達の程度に配慮しなければならず、かつ、体罰その他の子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならないとすることは、どんなに軽いものであっても体罰に該当するという子どもの権利条約の一般的意見八号や、厚生労働省の検討会の取りまとめの定義を変更するものであり、親の体罰を是認するものになるのではないでしょうか。
 政治は人を幸せにするためにあります。
 様々な人の多様な生き方を保障する法制度の実現が必要です。今回の法改正は一歩前進です。しかし、無戸籍のゼロを実現するには程遠い内容であること、父親の推定の根本的な見直しをする必要があること、国籍法三条三項が甚大な人権侵害を起こすこと、子供の虐待の規定の問題点など、問題や課題があります。また、民法といえば、選択的夫婦別姓と同性婚も実現する必要があります。
 様々な人の多様な生き方を保障する法制度の実現が国会で必要です。そのために奮闘するということを申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣齋藤健君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 121015254X00720221118_005

発言者: 福島みずほ

speaker_id: 23322

日付: 2022-11-18

院: 参議院

会議名: 本会議