梅村みずほの発言 (本会議)

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○梅村みずほ君 日本維新の会の梅村みずほです。
 ただいま議題となりました民法等の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問いたします。
 今回の改正の主な内容は、嫡出推定規定の見直しと女性の再婚禁止期間の廃止、嫡出否認制度に関する規律の見直し、懲戒権に関する規定等の見直しの三点です。
 まず、嫡出推定規定の見直しについて伺います。
 父子関係は、母子関係とは異なり、生物学上の存否を明らかにすることが困難であることから、法律上で父子関係を確定し、父子という身分関係の法的安定の確保を図り、家庭の平和を保持するというのが嫡出推定の妥当性であると認識をしています。
 しかし、それは一昔、二昔前のロジックであり、DNA鑑定、遺伝子検査等が発達、進歩した現在、イギリスのコモンロー上の原則として行われているように、子の遺伝上の父が法的な父となることが好ましいと考えます。
 嫡出推定制度ではなく、DNA鑑定等を用い生物学上の父の確定を行うべきであると考えますが、いかがでしょうか。日本において生物学的な親子と社会学的な親子はどちらが優位であるべきかと併せて、法務大臣の御見解をお尋ねいたします。
 女性の望まぬ妊娠や出産後の痛ましい虐待死事件、また、赤ちゃんポストに預けられた子と母の実情等を問題視されながらも、子供をつくった生物学上の父親の責任の所在について、この国会ではなかなか議論になりません。
 DNA鑑定等によって、日本に生まれる子供たちの生物学上の父親を可能な限り明らかにする必要性について、法務大臣の御見解をお示しください。
 次に、女性の再婚禁止期間の廃止について質問します。
 イタリア、インドなどは再婚禁止規定がある一方、ノルウェー、ドイツ、オランダなどはその期間が廃止されており、諸外国でも規定が分かれています。女性のみに規定のあった再婚禁止期間が廃止されることに歓迎の声は多いものの、廃止後に起こり得る問題についてはどのように考えているか、法務大臣の所見をお聞かせください。
 また、今回は国籍法の一部を改正して、事実に反する認知の効力を争えなくなった場合でも、事実に反する認知によっては日本国籍を取得することができないという規定を設けることも含まれております。
 虚偽認知による国籍の不正取得を防止するためと認識をしていますが、緊張感高まる昨今の世界的な安全保障情勢に鑑みても、国籍の不正取得を防止することは我が国にとって大変重要であります。懲戒権や嫡出推定のついでのように議論をしてよいものとは思えません。外交的、防衛的観点から十分に検討する必要があると考えますが、いかがでしょうか。法務大臣に問います。
 懲戒権についてお尋ねいたします。
 懲戒権を児童虐待の口実にさせない、そのための法改正がまさに今回であり、いよいよ民法から懲戒権という言葉が削除されます。
 虐待防止の啓発、虐待の早期発見は言わずもがな重要である一方、いかに児童虐待を未然に防ぐかが肝要であり、その観点から今回の法改正がなされるものと理解しております。
 しかし、今回の法改正をもってしても、児童虐待はなくならないでしょう。我が子をあやめた親たちは、なぜ拷問さながらの所業で我が子を絶命に至らしめたのか。子供をたたくことをやめられない親たちは、なぜ眠りについた我が子の寝顔に毎夜ごめんねと謝りながらも手を上げることをやめられないのか。その根本を探る必要があります。
 令和三年度の相談対応件数は二十万七千六百五十九件で過去最多となり、平成二十七年度の十万三千二百八十六件から、僅か六年で倍増という数字になっています。数が増えたから即座に問題というのではなく、虐待問題の重大さが社会に認知された側面、疑いの段階で通報してくださる方が増加した側面など、様々な要因があろうかと思いますが、厚生労働省は、保護者が我が子を虐待する原因分析をどのように実施されているでしょうか。
 児童虐待の罪に問われた保護者や保護者と内縁関係にある者の中には、自らも親との愛着形成がなされぬまま、壮絶な人生をたどった人がいます。
 児童虐待による悲劇を繰り返さぬためには、罪を犯した当事者や、虐待疑いで児童相談所と関わった当事者の生育歴や妊娠の経緯、子育てにおける困難要因の本格的な調査や研究、分析が必要であると考えますが、いかがでしょうか。
 また、ゼロ歳ゼロ日児の虐待死が最多であることから、未受診妊婦や若年出産等、出産後の育児に際してのハイリスク要因を調査し、出産の段階からアウトリーチ型の支援や福祉につなげる方策が必要と考えますが、厚生労働大臣の御見解をお聞かせください。
 今回の改正の意義を広く国民に認知していただくことは大変重要です。子育て中の親権者を始め広く国民に普及し、虐待防止の世論を今以上に高めていく具体的方策について、法務大臣にお尋ねいたします。
 子供には、丸いほっぺでおなかいっぱい御飯を食べてほしい、明るく笑い、こけて泣いても立ち上がり、将来への夢を描いて健やかに育ってほしい、美しい国土と豊かな文化、味わい深い伝統と歴史に恵まれた日本を誇りに思い、自分と他人の心と体と人生を大切にしながら人間力を磨き、この国の未来を紡いでほしい。そのためには、大人が子供たちの目線に合わせる社会であらねばならないはずですが、今の日本は、子供たちが大人を気遣い、精いっぱいに我慢をしているのが実情ではないでしょうか。
 虐待を受けながらも、僕が私が悪い子だからと耐える子供。離婚して会えなくなった親が恋しいけれど、寂しさを我慢している子供。感染症対策もそうかもしれません。大人たちが徹底していない黙食やマスクの着用を実質強制されている地域や学校は多く、子供の成長や発達に教育学や脳科学の専門家からも警鐘が鳴らされています。
 多くの幼い子供たちは、自分に権利があることを知りません。政治に声を届けるすべも知りません。岸田総理のおっしゃる、こどもまんなか社会の実現のためにも、子供の持つ権利について子供たちへ伝えることが重要と考えますが、法務大臣の御見解をお聞かせください。
 また、子どもの権利条約を学習指導要領に入れることへの是非を文部科学大臣に問います。
 この法改正に伴い、児童福祉法及び児童虐待防止法からも懲戒権の記述がなくなりますが、学校教育法第十一条においては、教師から児童生徒に対する懲戒権の規定がそのまま残されています。
 文部科学大臣にお尋ねいたします。
 民法改正を受けて、学校教育法第十一条を見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 文部科学省が昨年十二月に公表した令和二年度の体罰の実態把握についてでは、全国の小中学校などで八百七十一名の子供たちが体罰を受けていると明らかにされています。懲戒権という言葉が学校教育法に残る限り、体罰はなくならないと考えますが、大臣の御見解をお願いします。
 また、度々問題となる指導死についてですが、文部科学省の各種資料には指導死という言葉はありません。なぜでしょうか。
 法務大臣にも尋ねます。
 虐待の口実にされるとの理由で民法から懲戒権という言葉を削除するにもかかわらず、学校教育法に懲戒権が残ることに合理性があるとお考えでしょうか。
 旧統一教会問題で、各党は何とか被害者を救済するべく協議を進めています。長年放置されていた問題にメスを入れる重要な局面であり、多くの国民が納得できる形での立法に我が党も力を尽くす所存です。
 私は、いわゆる宗教二世です。小学五年生の頃に母が入信したのをきっかけに、親の愛情が自分から神へと離れていくのを、小さな家庭があっけなく崩壊していく様子を、そして、ささいな心の隙間から人が信仰にのめり込みマインドコントロールされていく過程をつぶさに見てきました。今も傷が癒えることはなく、これからもその傷は繰り返し痛むでしょう。
 寄附上限を定めることや相談体制も重要ですが、親にとっての聖域は時に子供にとっての生き地獄となり、一人の人間の心と体と人生を傷つけ、一つの家庭のささやかな幸せを握り潰していきます。宗教は、人の心を救うもの、尊いものです。一方で、宗教の名を借りた反社会的な団体による児童虐待を許さないでください。
 宗教を原因とした虐待は、その一つ一つがささいなケースもあります。しかし、たった一つの心ない言葉が積み重なっていじめ自死へつながるように、二十四時間三百六十五日、厳しい規律に縛られ、親にコントロールされる生活は、緩慢な拷問ともいうべき苦痛を子供たちに与えることがあります。
 こうした問題についても対応できるよう、児童虐待防止法において検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。虐待を受けた宗教二世を救済する法令を整備するお考えをお持ちでしょうか。厚生労働大臣に伺います。
 年間八十一万人しか新生児が生まれないこの国で、元気いっぱいに産声を上げてくれたにもかかわらず、虐待、いじめ、犯罪被害、自殺などで大人になることができなかった子供たちがいます。一生の傷と生きづらさを抱え、必死に生きる子供たちがいます。彼らの無念や苦痛を法律に変え、未来の子供たちを健やかに育める日本をつくることは、彼らへの慰めともなります。
 日本維新の会は、全てを懸けて次世代のための政治を行っていくことをお誓いし、私の質問を終了します。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣齋藤健君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 梅村みずほ

speaker_id: 29540

日付: 2022-11-18

院: 参議院

会議名: 本会議