齋藤健の発言 (本会議)
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○国務大臣(齋藤健君) 梅村みずほ議員にお答えをいたします。
まず、父子関係の確定にDNA型鑑定等を用いること等についてお尋ねがありました。
嫡出推定制度の意義は、婚姻関係を基礎として父子関係を推定することで、子の出生の時点で父子関係を定め、子の地位の安定を図ることにあります。仮に、DNA型鑑定等により父を確定するとすれば、家庭の平穏を害する懸念があり、また、父が鑑定に応じないときは子の父が確保されないおそれがあるなど、子の利益の観点からも妥当ではありません。したがって、DNA型鑑定等が発達した現在でも嫡出推定制度を維持する必要があります。
実子に関する法律上の父子関係は、嫡出推定制度又は認知によって生じます。父子間に血縁関係がない場合には訴えにより父子関係が否定されることがありますが、法定の期間が経過すると血縁関係の有無にかかわらず法律上の父子関係が争えなくなるという点で、必ずしも血縁関係の有無のみによって定まるものではないと言えます。
このようなことから、生物学的な親子と社会学的な親子の関係は、一方が他方に常に優位に立つものではないと言えます。
次に、DNA型鑑定等により生物学上の父を明らかにする必要性についてお尋ねがありました。
子の生物学的な父が子に対して負うべき責任の在り方の問題は、民法上の規律とは別個に様々な視点から論じられるべきであると考えられることから、法務省の所管を超える問題であり、お答えすることは困難であります。
次に、再婚禁止期間の廃止により生じ得る問題についてお尋ねがありました。
女性の再婚禁止期間の定めは、前夫の嫡出推定と再婚後の夫の嫡出推定との重複を回避することを目的として設けられていたものです。
本改正法案では、離婚等により婚姻を解消した日から三百日以内に生まれた子であっても、母の再婚後に生まれた場合には再婚後の夫の子と推定することとしたため、推定の重複により父が定まらない事態は生じなくなることから、再婚禁止期間はその必要性がなくなり、廃止することとしています。
このような廃止の理由に照らせば、女性の再婚禁止期間の廃止によって法律上何らかの問題が生ずるということは想定されないと考えます。
次に、本改正案における国籍法の改正についてお尋ねがありました。
本改正法案では、認知による国籍の取得に関する規定は、認知について反対の事実があるときは適用しないこととしております。
この国籍法の改正は、虚偽認知による国籍取得の防止が重要であるとの認識の下、民法の改正により国籍取得についての従前の取扱いに疑義が生ずることがないように明文で規定したものです。国籍制度の在り方については、今後とも、国民の意識や国際的な動向等も踏まえながら議論していく必要があると考えています。
なお、御指摘に係る観点からの検討の必要性については、法務省の所管ではないと考えられるため、お答えは差し控えます。
次に、本改正法案の周知についてお尋ねがありました。
児童虐待の防止に向けた明確なメッセージを国民に向けて発することにより児童虐待の防止を図るという本改正法案の趣旨からすれば、親権者を始め広く国民に対し本改正法案の意義を周知、広報することは極めて重要であると考えています。児童虐待の防止をより一層進めていくため、本改正法案の意義について、厚生労働省等と連携するなどして周知、広報に取り組んでまいります。
次に、子供の持つ権利を子供たちに伝えることの重要性についてお尋ねがありました。
子供が自分自身の権利について認識し、理解することは、子供の権利擁護にとって極めて重要であると考えています。法務省の人権擁護機関では、学校における人権教室の実施など、各種の人権啓発活動に取り組んできたところですが、今後とも、その一層の充実に努めてまいります。
最後に、学校教育法の懲戒権に関する規定についてお尋ねがありました。
民法第八百二十二条は親権者の懲戒権に関する規定であり、その削除を踏まえて、学校教育法第十一条の校長等の懲戒権に関する規定を見直すかどうかについては、同法を所管する文部科学省において検討されるべき事項であると認識をいたしております。(拍手)
〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕