齋藤健の発言 (本会議)
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○国務大臣(齋藤健君) 川合孝典議員にお答え申し上げます。
まず、体罰に該当する行為についてお尋ねがありました。
本改正法案における体罰とは、子の問題行動に対する制裁として子に肉体的な苦痛を与えることをいいます。どのような行為が子に肉体的な苦痛を与える行為に当たるかについては、当該行為の態様のほか、子の年齢、健康、心身の発達状況、当該行為が行われた場所的、時間的状況等が考慮されることになりますが、どんな事情であれ、個別的な判断に委ねられることになりますが、一般論としては、子を殴るといった行為は体罰に当たると考えられます。
次に、子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動の意義についてお尋ねがありました。
本改正法案の子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動とは、子に不当に肉体的又は精神的な苦痛を与え、その健やかな身体又は精神の発達に悪影響を与え得る言動をいいます。
どのような言動が子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動に当たるかについては、最終的には具体的な事案を前提とした裁判所における個別的な判断に委ねられますが、一般論としては、例えば、幼少の子の問題行動に対する制裁として、深夜、家から締め出したり、長時間にわたり罵倒し続けたりといった言動はこれに当たる可能性が高いと考えます。
次に、子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動に関し、社会的コンセンサスが形成されている行為の意義についてお尋ねがありました。
子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動とは、社会通念に照らして法律上禁止されるべきと言える行為をいいますが、法制審議会における検討の過程で、そのような行為を意味するものとして社会的コンセンサスが形成されている行為との表現が用いられたものと承知しています。
次に、困難な事情を抱える親への支援についてお尋ねがありました。
本改正法案民法第八百二十一条は、親権者の監護教育権の行使における行為規範を示すものです。このような行為規範が示されることにより、困難な事情を抱える親が子育ての仕方について心理的に追い込まれることなどがないよう支援をしていくことは、子の利益を図る観点からも重要であると考えています。
困難な事情を抱える親に対する支援については、既に厚生労働省において様々な支援に取り組んでいるものと承知しており、法務省としても、本改正案の意義に関する周知、広報等を通じて、このような取組に必要な協力をしてまいります。
次に、家庭裁判所の人的基盤の充実強化についてお尋ねがありました。
家庭裁判所の体制整備の在り方については、事件の動向等、裁判所を取り巻く様々な状況を踏まえ、最高裁判所において適切に判断されるべきものと考えています。したがって、例えば、今後、家庭裁判所の負担が増加し、裁判所の職員が不足するような状況になれば、最高裁判所において、職員の定員を増員するための立法依頼がされるものと思われます。
法務省としても、裁判所関連の法律を所管する立場から、引き続き、最高裁判所の判断を尊重しつつ、適切に対応してまいります。
次に、国籍法第三条第三項の新設についてお尋ねがありました。
本改正法案は、民法を改正し、認知の民事法上の効力に係る見直しをするものであるところ、日本国民である父により認知された子の日本国籍の取得の可否は、国籍法という公法における認知の効力の問題として別途検討する必要があります。
本改正法案では、我が国の国籍を取得することを目的とする虚偽の認知が行われることがあってはならないことを踏まえ、国籍法を改正し、認知による国籍の取得に関する規定は認知について反対の事実があるときは適用しないこととして、事実に反する認知がされた場合には国籍の取得は認められないとの従前からの確立した規律を維持することを明らかにし、この点について疑義が生じることがないようにしたものです。
次に、本改正法案における国籍法の改正について、民法改正の立法趣旨に関連してお尋ねがありました。
認知が事実に反する場合でも日本国籍を取得できるとすることは、結果的に、真偽を問わず、父の認知さえあれば日本国籍を取得することはできることになります。しかし、そのような結果は、国籍の付与という公法上の法律関係においては適切ではありません。本改正法案における国籍法第三条第三項の規定は、そのような観点を踏まえ、従前からの確立した規律を維持することを明らかにしたものです。したがって、本改正法案における国籍法の改正内容は、認知の民事法上の効力を見直す趣旨に反するものではないと考えています。
他方、無戸籍や無国籍状態を解消していくことは重要であると認識しておりますので、引き続き可能な支援を行ってまいります。
次に、国籍法第三条第三項と認知の効力についてお尋ねがありました。
国籍法第三条第三項は、事実に反する認知がされた場合には国籍の取得は認められないとの従前からの確立した規律を維持することを明らかにしたものです。民法上の認知の効力は民法の規律に従って判断されるものであり、国籍法第三条三項の規定が影響を及ぼすことはありません。
最後に、国際化が進展する現代社会における国籍法の改正についてお尋ねがありました。
今回の国籍法の改正は、虚偽認知の防止が重要であるとの認識の下、今回の民法の改正によって国籍取得に係る従前の取扱いに疑義が生ずることがないように明文で規定したものですが、御指摘の重国籍への対応を含め、国籍法の改正については、国民の意識や国際的な動向等も踏まえながら議論していく必要があると考えております。(拍手)
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