中田宏の発言 (本会議)
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○中田宏君 自由民主党の中田宏であります。
会派を代表して、消費者契約法及び国民生活センター法改正案並びに法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案に対して質問をいたします。
まず、岸田総理は、世界平和統一家庭連合、いわゆる旧統一教会の被害者の方々と内々にお会いをして凄惨な経験を直接お伺いし、政治家として胸が引き裂かれる思いがしたとのことでありますが、改めて、この思いの下、旧統一教会問題にどう向き合っていくのか、その御所見をお伺いいたします。
今回、旧統一教会の被害者救済等に向けて、消費者契約法と国民生活センター法の改正に加えて、新法の制定から成る法整備がなされます。そこで、これらの法案の一体的な対応により被害の防止や救済等に向けた実効的な措置が進むという全体像を国民の皆様に分かりやすく総理から御説明ください。
一方、被害者、被害救済と再発防止に向けてしっかりとした法整備に取り組まなければなりませんが、同時に、法整備となれば、憲法の信教の自由や財産権など、国民の権利義務に関わってまいります。例えば、かつて民法に規定をされていた準禁治産者制度も、自己決定権を尊重するとの考え方により、既に廃止されています。
そこで、憲法に規定された信教の自由や国民の権利義務を守るという観点は、今回の法整備においてどのように配慮されているのでしょうか。総理にお伺いをいたします。
また、真っ当な活動を行い、一般的な寄附を受け取っているNPO法人等からは、今回の法整備で、醸成途上にある我が国の寄附文化に影響が出るのではないかと心配する声があります。さらに、遺族が遺贈寄附を取り消すよう求めてくる場合が増えるのではないかと懸念している団体もあります。
今回の法案は、あくまでも不当な寄附の勧誘を行う法人に網を掛けるものだと理解をしておりますが、本法案の趣旨が誤解され、適切な寄附の勧誘を行っているNPO等の活動や我が国の寄附文化に影響が出ないようにしなければなりません。
そこで、このような懸念に対して政府はどう応えていくのでしょうか。総理の御所見を伺います。
今回の法整備では、まず、霊感等による告知を用いた勧誘に際し、不安をあおり、又は不安を抱いていることに乗じて、契約であるかないかにかかわらず、寄附の申込み等をしてしまったときには、これを取り消すことができます。
また、法人はもちろん、法人格のない団体についても、代表者や管理人の定めのある団体は含まれることとなります。法人等が不当な寄附の勧誘をし、集めた寄附金の帰属先を法人等ではなく幹部等の個人に変えたとしても、規制対象から逃れることができなくなります。
取消し権の行使期間についても、最長で契約締結時から十年となっています。
一方、いわゆるマインドコントロールをめぐっては、個人の心の状況について禁止行為として法律上、直接、客観的に定義し認定するのは難しいことから、政府提出段階では自由な意思を抑圧しないなど三つの配慮義務を設けましたが、これらの事項に十分に配慮がなされず、配慮義務が遵守されていない場合には報告を求め、さらに、個人の権利保護に著しい支障が生じていると明らかに認められている場合などには勧告し、それに従わなければ公表という形に衆議院での審議を通じて修正しております。
このように配慮義務を課すことと、それを怠ったものに対する勧告、さらには公表等により、マインドコントロール下にあって合理的な判断ができない状況での寄附の要求などを防ぐ実効性は相当上がるものと考えますが、この点について改めて消費者担当大臣から分かりやすく御説明を願います。
多額の寄附等で経済的理由から進学を断念するなど、本来であれば受けられた扶養を受けられなかった子供たちや、日常生活を送ることもできないほど困窮に苦しんだ配偶者を救済する法的枠組みも考えなければなりません。
今回の法整備では、民法の債権者代位権の考え方を用いながらも、子供の養育費等については今後発生する債権も含めて代位可能としています。
ただ、債権者代位権を用いるとしても、そもそも被害者の方が未成年であれば、誰が代理人になるのかという課題がありますし、子供が親の意向に反することも難しく、代位権を発動できない可能性もあります。
そこで、あらゆる被害者が今回の法整備で可能となった債権者代位権を実効的に行使できるよう、政府においてはどのような具体的な措置を講じていくつもりでしょうか。消費者担当大臣に伺います。
過去、公的な機関に相談しても、信教の自由や家庭内の問題を理由に相談に乗ってもらえないこともあったといいます。このような相談があったときに、児童相談所など公的な機関において、旧統一教会問題やマインドコントロールなどにも通じた専門家が相談に応じたり、法テラスと連携し一体的に対処したりするなど、適切な対応ができるような体制の整備を進めるべきではないかと考えますが、総理のお考えをお尋ねします。
今回の法整備により、不当な寄附の勧誘の防止や被害者救済等のための法的な枠組みは整うこととなりますが、経済的な問題だけではなく、信教を強要され、社会性を育む機会を奪われたことで孤立に苦しむ方々も少なくはありません。多様なケースが想定される個別事案において、様々な関係者が緊密にネットワークを構築して対処していくことが大切だと考えます。
そこで、施行後三年をめどとしていた規定の見直しは二年に短縮されますが、これはどのような意義があるとお考えでしょうか。さらに、その意義を踏まえ、二年の見直し期間を意識し、施行直後から今回の法整備の実効性や体制の整備等についてしっかりと目を配り、関係者間で成果や課題を共有していくことが大切だと考えますが、いかがでしょうか。最後に、これら二点について総理にお尋ねをして、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕