安江伸夫の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。
 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました消費者契約法及び独立行政法人国民生活センター法の一部を改正する法律案及び法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案について質問いたします。
 これまでに、世界平和統一家庭連合、旧統一教会に関連をして、霊感商法や不当な寄附の勧誘行為による深刻な被害が生じてきました。そして、今もその被害に苦しんでいる本人やその御家族がいらっしゃいます。
 信教の自由の範疇を超えて、他人を不幸に陥れる行為、人権を侵害する行為は許されません。当事者に寄り添い、被害の防止と救済に向けて力を尽くすことは政治の大きな責任です。この決意で、我が党といたしましても、弁護士や関係省庁、有識者との意見交換を重ねた上で、十月の二十八日、政策提言を政府に提出するなど、必要な施策を推進をしてまいりました。
 そして、寄附の不当な勧誘行為一般を防止すること等を内容とした法案がここに提出されるに至ったことは、声を上げてくださった方々と、消費者庁を始め役所等の関係者の皆様の昼夜を分かたぬ御尽力のおかげとも感謝を申し上げます。
 その上で、本法案を議論するに際して留意すべき三つの視点を申し上げたいと思います。第一に、内容が被害の実態に即しているか。第二に、裁判等の現場でも安定的に運用可能で実質的な救済に資するか。そして、第三に、他の権利利益との均衡が図られているかどうかです。これらの観点を踏まえ、以下質問をいたします。
 初めに、消費者契約法における取消し事由の拡大について伺います。
 過去に裁判等で問題となった勧誘行為として、例えば、夫の若死には祖先の悪因縁にあり、財産をささげなければ子供も若死にする旨を告げ契約を締結させた例などがあります。しかし、現行の消費者契約法では、そもそも親族の不利益告知は明示的には規制の対象になっておらず、不法行為の成否はともかくとして、こうした行為すら直接的には取消しの、契約取消しの対象とはなっておりませんでした。被害の実態により即した救済を可能とするために、今回、消費者契約法の霊感等による告知を用いた勧誘について取り消すことができる範囲が拡大されることになります。
 そこで、今回の改正は、旧統一教会に関連した被害実態にどのように即しているのか、被害救済に具体的にどのように資するものであるかを河野大臣にお伺いをいたします。
 今回、取消しの範囲の拡大等を内容とする消費者契約法改正に加え、新たに寄附の不当な勧誘行為一般を規制する法律案を新法として提出をされています。この点、我が党としても、消費者契約法は契約と評価できる行為のみを対象としており、悪質な寄附の勧誘行為全般を捕捉できないことや、規制の実効性の確保の観点から、新法についての検討も促してきたところです。
 そこで、今回、消費者契約法等の現行法の改正にとどまらず、新法を提出した趣旨と、新法ではどのように規制の実効性が確保されることになるのかについて、総理にお伺いをいたします。
 続いて、配慮義務について伺います。
 新法第三条では、寄附の勧誘を行うに当たっての配慮義務として、自由な意思を抑圧して適切な判断をすることが困難な状態に陥ることがないようにすることなど、三点にわたって規定をされています。それらは寄附の勧誘を受ける者の保護を図るための当然の理が規定されているものと考えますが、配慮義務として規定することによって被害救済にどのように資するのでしょうか。また、配慮義務としてではなく、禁止行為として定めることが救済の必要性からも望ましいとの意見も踏まえまして、衆議院で配慮義務を怠った場合について行政措置の規定が新たに設けられることとなりました。これらの規定を禁止行為としなかった理由、また修正部分についての御認識を総理にお伺いをいたします。
 新法の第三条二号では、寄附により、個人又はその配偶者若しくは親族の生活の維持を困難にすることがないようにすることとの配慮義務を定めています。旧統一教会に関連した問題の多くは、寄附等を行った本人のみならず、家族全体の困窮という形で現れている実態に照らせば、この親族等を含めた生活の維持の配慮義務は、家族の権利を守るためにも大変重要な規定です。
 この配慮義務の創設は、勧誘を受けた本人の親族等との関係でどのように役立つのでしょうか。親族等が勧誘行為の違法性を主張する際にも活用できるものと理解してよいのでしょうか。河野大臣にお尋ねします。
 教育や福祉、文化芸術、スポーツの分野などにおいて、寄附が果たす社会的役割や意義はますます高まってきており、今後も寄附文化の醸成を図っていく必要があります。また、寄附及びその勧誘は、財産権の行使という側面にとどまらず、精神活動の一環として行われる場合も少なくありません。今回の法案は寄附の不当な勧誘行為の防止等を目的としておりますが、こうした寄附が果たす社会的役割や意義に鑑みて、健全な寄附に対する悪影響や寄附文化の醸成を阻害することは断じてあってはなりません。
 そこで、寄附が果たす社会的役割等に対する御認識をお伺いするとともに、本法案の運用に当たっても、健全な寄附に萎縮効果が及ばないようにしていかねばならないと考えますが、河野大臣の明快な御答弁を求めます。
 新法では、債権者代位権の行使の特則を定め、扶養義務等に係る定期金債権、すなわち養育費や婚姻費用等についての将来債権についても保全することが可能となっています。これにより親族の権利擁護の実効性が高まるものと考えますが、具体的にどのような権利の擁護につながるのかについて御説明をください。
 また、家族にも取消し権を認めるべきとの主張や、法案の被保全権利の範囲が狭いとの指摘もありますが、これらの意見についてはどのような検討がなされたのかについて、河野大臣の答弁を求めます。
 今回、消費者契約法の改正や新法の創設のほか、国民生活センター法の改正案も提出をされております。取消し権の拡充などで救済の実効性が高まることになりますが、そうであったとしても、実際に訴訟等の裁判を行うことは大きな負担になります。そこで、我が党としても、裁判よりも簡便、迅速かつ低コストで行うことができるADRの機能の充実強化も併せ訴えてきたところです。
 そこで、本改正により国民生活センターやADRの機能がどのように強化されることになるのかについて、河野大臣に伺います。
 最後に、相談支援体制の強化について伺います。
 取消し事由の範囲拡大や悪質な寄附の勧誘行為の規制などの法制度の充実も重要ですが、あわせて、被害の防止と救済の観点から、相談支援体制の強化も言わば車の両輪として不可欠です。
 我が党としても、状況に応じた適切な支援につなぐ力の強化も含めた総合的な相談支援体制の充実や必要な予算措置なども訴えてまいりました。
 また、新法においては債権者代位権の行使の特則も設けられますが、専門的な知見も必要であり、実際に行使する必要性が高い者には未成年者も含まれることから、とりわけこの点についての丁寧な支援体制の構築が重要であると考えます。
 この点、新法の第十一条では、法人等の不当な勧誘により寄附をした者等に対する支援の強化について規定されているところでありますが、相談支援体制の充実に向けた取組を齋藤法務大臣にお伺いをいたします。
 本法案が早期に成立をし、不当な勧誘行為等による被害の将来に向けての防止の徹底と救済が図られることを強く念願をいたしまして、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 121015254X01120221208_013

発言者: 安江伸夫

speaker_id: 3364

日付: 2022-12-08

院: 参議院

会議名: 本会議