岸田文雄の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 大塚耕平議員の御質問にお答えいたします。
 国民民主党からの指摘への対応についてお尋ねがありました。
 今般の新法、改正法については、御党の御指摘も踏まえて検討し、国会に提出させていただいたものであります。その内容については以下申し上げます。
 心理的支配下に置き、不法な利益を得る行為の抑止については、霊感等による知見を用いた告知による寄附等については、消費者の不安をあおる場合のみならず、消費者が不安を抱いていることに乗じた場合も取消しの対象としております。
 また、新法では、寄附の勧誘をする際にこうした行為が行われた場合については、勧告、命令等の措置の対象としております。
 さらに、新法の第三条第一号の配慮義務として、法人等が寄附の勧誘を行うに当たっては、寄附の勧誘が個人の自由な意思を抑圧し、その勧誘を受ける個人が寄附をするか否かについて適切な判断をすることが困難な状態に陥ることがないようにすることに配慮しなければならない旨規定をしております。
 配慮義務の規定を設けることによって、これに反するような不当な勧誘が行われた場合には、民法の不法行為に基づく損害賠償請求が容易となり、被害救済の実効性が高まるものと考えております。
 改善命令に従わない場合の罰則については、政府案においても、禁止行為に違反した法人等に対する措置等として、内閣総理大臣による報告徴収、勧告、命令の規定を設けていますが、命令に違反した場合には罰則の対象としております。
 家族に不利益を与えないようにする配慮義務については、政府案においては、第三条第二号の配慮義務として、寄附勧誘に当たり、寄附により、個人又はその配偶者若しくは扶養義務を負う親族の生活の維持を困難にすることがないようにすることに配慮しなければならない旨規定をしております。
 民法の損害賠償請求の特例については、家族に対し、本人の権限である寄附の取消し権を認めることは困難ですが、第三条第二号の配慮義務として、法人等が寄附の勧誘を行うに当たっては、寄附により、個人又はその配偶者若しくは扶養義務を負う親族の生活の維持を困難にすることがないようにすることに配慮しなければならない旨を規定をしております。
 仮に配慮義務に反するような不当な勧誘が行われた場合には、本人のみならず、家族も含めて民法の不法行為に基づく損害賠償請求が容易となり、被害救済の実効性が高まるものと考えております。
 債権者代位権については、政府案では、自らの権利を守るために必要な限度で他者の権利の行使を認める制度である債権者代位権を活用しやすくすることとしております。
 具体的には、法人等に金銭で寄附をした個人の扶養義務等に係る定期金債権の債権者は、民法第四百二十三条第二項本文に規定されている、その債権の期限が到来しない間は被代位権利を行使することができないという規定にもかかわらず、当該定期金債権のうち確定期限の到来していない部分を保全するために必要があるときには、当該個人の有する取消し権を代位行使することができる旨の規定を設けております。
 なお、債権者代位権については、他者の権利の行使を認める制度であることから、債務者が無資力である場合に限って認められます。
 公益法人法と同様の規定については、政府案においては、寄附の勧誘若しくは要求を受けた者又は寄附者の利益を不当に害するおそれのある行為を防止する観点から、霊感等に関する知見を用いた告知などの禁止行為及び勧誘を受ける個人が寄附をするか否かについて適切な判断をすることが困難な状態に陥ることがないようにすることなどの配慮義務の規定を設けております。
 そして、家族の利益を不当に害するおそれのある行為の禁止については、政府案においては、直接の禁止行為として寄附者の配偶者及び扶養親族等の家族の利益を不当に害するおそれのある行為を規定するものでありませんが、第三条第二号の配慮義務として、法人等は、寄附の勧誘を行うに当たっては、寄附により、個人又はその配偶者若しくは扶養義務を負う親族の生活の維持を困難にすることがないようにすることに配慮しなければならない旨規定をしております。
 心理的支配利用の結果として生じた損害の立証については、政府案では、直接的な損害額推定規定はないものの、民法の不法行為に基づく損害賠償請求が容易となるよう、寄附の勧誘が個人の自由な意思を抑圧し、その勧誘を受ける個人が寄附をするか否かについて適切な判断をすることが困難な状態に陥ることがないようにするなどの配慮義務の規定を設けております。これにより被害救済の実効性が高まると考えております。
 契約取消し権の範囲拡大及び行使期間延長についてお尋ねがありました。
 政府案においては、消費者契約法等の改正法案に関し、霊感による知見を用いた告知については、消費者の不安をあおる場合のみならず、消費者が不安を抱いていることに乗じた場合も取消しの対象としております。
 また、改正後の取消し権の行使期間についても、追認をすることができるときから三年、契約締結時から十年と伸長するとともに、現行の取消し権について、時効が完成していないものにも適用することとしております。
 心理的支配利用に伴う暴利行為については、政府案においては、暴利行為そのものを規制することはしてはおりませんが、消費者契約法第四条第三項第六号において、不安をあおるのみならず、不安に乗じて霊感等による知見を用いた告知による勧誘がなされた場合についても取消しの対象として被害救済の範囲の拡大を図っております。
 そして、不安に付け込む行為については、政府案においては、霊感等による知見を用いた告知に関し、消費者の不安をあおる場合のみならず、消費者が不安を抱いていることに乗じた場合も取消しの対象としております。
 そして、利益を与える行為については、通常はそれ自体が困惑を引き出す行為ではないことから、取消しの対象としては規定しておりません。しかし、例えば、この契約を締結すれば病気が回復に向かうだろうといった趣旨での勧誘は、病気が回復するという好結果を得られないという不利益を与えることを暗示しています。また、病気が回復するだろうという表現のみでは直ちに必要不可欠である旨を告げたとまで評価することはできませんが、例えば、この契約を締結しなければ病気が治癒しないという、利益を得られないという不利益の意味に解することができるものであれば、必要不可欠である旨告げたとみなされ、取消しの対象となり得るものと考えられます。
 そして、今回構築する被害者救済の仕組みが現行の消費者契約法等の仕組みよりも厳しくなることの回避については、政府案では、新法と消費者契約法により、これまでよりも被害者の救済範囲を拡大することとしております。
 具体的には、契約に該当する寄附は消費者契約法による取消し、単独行為に該当する寄附は新法による取消しの対象とした上で、新法に基づく債権者代位権の行使の特例の対象は両法による取消し権とするなど、柔軟に規定をしております。また、いわゆるマインドコントロールによる寄附の被害に対しては、霊感等による知見を用いた告知に不安を抱いていることに乗じてを加えることによって、更に取消し権の拡大を行っております。
 報告徴収に関する条文の解釈についてお尋ねがありました。
 御指摘の条文は衆議院における議院修正後の第七条第一項に当たりますが、禁止行為がある場合に勧告等の行政措置の実施も視野に入れた報告徴収の規定であり、消費者契約法にない規定です。このため、適用要件の比較は困難ですが、この規定により被害者救済の実効性が高まるものと考えております。
 この報告徴収については、禁止行為が不特定又は多数の者に対して組織的に行われ、その社会的な影響が大きく、被勧誘者の保護を図る必要性が強く、勧告を行う必要があると想定される場合など、一定の要件に当たる場合に行うことを想定し、御指摘の要件を規定をしています。
 必要という言葉が一つの項文に三回以上ある例は、船員保険法等、様々な法律にあるものと承知をしており、その趣旨は一概に申し上げることはできませんが、本法案においては、本法案があらゆる法人等を対象とし、かつ、寄附が法人等の活動の重要な基盤となす場合もあることを踏まえて規定したものであります。
 そして、新法の規定と御党の適確権限行使条項の関係についてお尋ねがありました。
 新法では、業種、業態を問わず、あらゆる法人等を対象に、新法の禁止行為に違反する行為があった場合において、内閣総理大臣が一元的に勧告等を行うことを規定しております。
 御指摘の適確権限行使が法令違反への対処に関しそれぞれの法人の根拠法を所管する行政庁による権限に委ねていることと比較すると、その点は異なっております。他方で、新法の運用の際には、消費者庁がそれぞれの法人の根拠法を所管する行政庁と連携して行うこととしており、法の運用の方向性においては共通する側面があるものと認識をしております。
 新法の見直し規定についてお尋ねがありました。
 まずは、新法の着実な執行を図ってまいります。また、法執行後の見直しに当たっては、現行の日本の法制度の下、どのような措置が許容されるかについては検討が必要ですが、新法の執行状況及び経済社会情勢の変化を勘案し、被害救済の実効性を確保する観点から必要な見直しを行ってまいりたいと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 121015254X01120221208_024

発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2022-12-08

院: 参議院

会議名: 本会議