諸富徹の発言 (経済産業委員会)
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○諸富参考人 中野先生、ありがとうございます。
先生の御質問にまずお答えするとすると、取りあえず排出量取引制度、炭素賦課金という形で制度をつくって、スタートさせたのはよかったと思います。
ただ、その規模が十分なものなのかということで、今後はどうなっていくのかという点ですけれども、例えばEU―ETS、ヨーロッパのものでいきますと、産業のセクターでどれだけ減らすべきかという国家の目標がありまして、何年頃までにどれだけ減らすのか、そして、それを排出量取引制度で実現するという、目的と手段の関係がはっきりしていまして、それに十分な量まで減らすということで、キャップと呼んでいますけれども、排出総量、産業セクターの排出総量も決めちゃうわけですよね。それを総量として、それを鉄鋼、造船、何とかというふうに割っていきまして事業所レベルまで下りていくということで、そうすると、各事業所レベルからの排出量を足し合わせると、ちょうど産業の全体目標が達成される。こういう、すごく全体と個別の、個のレベルの関係がはっきりしているんですね。
今回GX―ETSを始めるんですが、それでもって総量をどうしたいのかというのは定められていないわけなんですね。ただ、個々の参加する企業にとっては、あなたが余剰排出枠というのを獲得して人に売りたいならば、目標としては、NDCに沿った直線的なラインを引いた上で、それを下回る削減をしなさいと。これは結構野心的なものでして、意欲的な人が意欲的にやっていこうというには、それなりに野心的な設計になっていると思います。
日本の考え方としては、まずそれを設定した上で参加をしてもらって、結果的に排出削減の実が取れて、結果的に全体としてもそれなりにいったなというような、ボトムアップ的な発想のような気がします。
問題は、設計はいいんですけれども、全員参加型になっていないということですね。ですから、欧州の、あるいはアメリカの排出量取引制度の通常の考え方は、一定以上の規模の排出をする企業ならば強制的に全員入りなさいというふうになるはずなので、読めるわけですね。この制度で一体どれだけ減るかというのが読めるんですけれども、日本の場合はボトムアップ型になっているために、この制度を入れたのはいいけれども、それでどれだけ、日本が減らさなきゃいけない量のうちこれで実現できるのかが分からないんですね。
それがちょっと問題で、最初のトライアルと言われる三年間、今年から三年間はいいと思います。ただ、第二フェーズに入るときはきちっと義務化して、この制度で産業セクターからの排出をコントロールできるような、つまり、全員参加型にすべきじゃないかというふうに思います。